さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: vol.45

さとびこ編集室のあなんです。
オリンピックのメダルラッシュの話題に、引き込まれております(やはり嬉しい!)。
さて、vol.46の紹介が一区切りしましたので、今回は雑談させてください。

前から書いておきたかったことがあるんです。
vol.45の特集(地球の歴史と奈良の地質)を作るとき、執筆の戸上さんにお願いしたこと。
「シアノバクテリアには、ぜひ触れてください!」

さとびごころのある部屋


戸上さんはやさしいので、「OK!」とばかりに、
ちゃんと触れてくださいました。

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シアノバクテリアが誕生したのは、27億年前のことです。
その前に、地球に最初の生命が発生したのが38億年前。その約10億年後に現れました。
戸上さんの原稿を読むと、このシアノバクテリアが光合成を行うようになったことで、酸素が地球にたくさんできました、ということはわかります。


酸素というと、これなしには生きていけないのでとっても有難いものなのですけども、
本来は、猛毒らしいのです。
そういえば、わたしたちは毎日呼吸をすることで日々身体を酸化させています。
酸化とは老化であり、劣化。サビです。鉄もサビればボロボロに。 
身体の酸化は病気の原因になります。
たしかに、酸素なしには生きられないけれども、同時に毒なのも頷けます。 

この時の生物(って、、、微生物ですね)にとっては、この酸素が致命的でした。
多くの微生物は、酸素濃度に耐えられず大量に絶滅(ほぼ全滅)してしまったそうです。
(地球は過去5回の絶滅を経験しているそうです)

シアノバクテリアに絶滅させられた生命には申し訳ないけれど、この光合成する微生物から始まって植物が生まれ、わたしたち人間の食べ物になっているわけですから、一人の人間としてはありがとうございましたと言うべきか。

ともかく、すごいバクテリアがいるんです。今でもいるそうですよ。
水槽を汚す藍藻(らんそう)がそれなんですって。

藍藻
こちらからお借りしました 



ある研究者の方(※)がおっしゃるには



光合成を始めた植物の祖先は、それまでになかった高濃度で酸素を生み出しました。太古の地球大気は酸素濃度が極めて低く、当時の嫌気性の微生物にとって酸素は猛毒でした。

それまで進化してきた99%に上る生物種を絶滅に追いやったと言われています。大気組成の変化によって、地球は平均気温が60度という今よりはるかに温暖化が進んだ状態にもなりました。

人類の今の科学技術を総動員してもこれほど大規模な変動はつくり得ません。

人類が地球に対してネガティブなことばかりしていると考える人たちがいたら、人類にそこまでの支配力は無いと言いたいです。

 

この絶滅は、今の地球に人間が与えている負荷どころではないほどの、とんでもない事件だったようです。人類はまだ、シアノバクテリアほどには、地球をおびやかしてはいない。

おかしな感じですけど、これに希望を感じてしまいました。
人間はいつも地球をダメにする悪い存在と言われています。たしかに、現代文明は自然のバランスを奪うことが多く、今もどんどん生命が絶滅しています。ですけど、人間には、もうひとつ意思もあります。
自然と文明が調和できるようにしたいと思ったら、それができるのは地球上で人間だけかもしれません。
壊すのも、守るのも、再生するのも、豊かにするのも人間。

だったら、これからは自然と文明がうまくやっていけるように調整役となっていけたらいいですよね。
どんな考え方をもって、どんな技術を使って、どんな暮らし方をしたらそうなることができるのでしょう。先ほどの研究者の方は、それを農の側面からアプローチされていました。
さとびも、自然と文明の調和に近づく匂いのするものを探して、記事を作っていきたいと思っています。
そして、自分ごとにするために、今暮らしている場所、地域に根ざしてやっていきたいのです。

今日は雑談でした。お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

※ 船橋真俊氏(物理学者)引用サイト

PS

地球の歴史を振り返って、もうひとつ書いておきたいことがあるのです。
地球は鉄の星、という話です。だから磁場があるんですよね。
それはまたの機会にしますね。





 
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ここ最近、庭での雑草格闘便りとともに届く、さとび的読書さんぽ。
長年にわたってお世話になっている本誌の読書さんぽナビゲーター・嶋田貴子さんの連載です。

最近はオーディオブックで耳で読むそうです。

読者のみなさんの中にも、取り入れている人があるかもしれませんね。
わたしはまだ使っていないのですけども、プロのナレーターや声優さんが、ちゃんと役を演じ分けてくれるそうですから、小説などは特に面白いかもしれませんね。


今回も、特集と微妙に重なるテーマの本を紹介してくださっています。
このセレクトがこの連載のポイントなので、どんな本が登場するかはお読みになる方へのお楽しみとしておきますね。




さて、ずいぶん長いことvol.45の紹介をしてきましたが、今回はここで区切りとなります。
vol.45は、これから月末にかけて、みなさまのところに行き渡ることになっています。
続きは実際のページを開いてみてください。

vol.46も同じように全記事を紹介するのか?まだ決めていませんが、特集や企画記事などについては、できるだけ補足情報や余談などを交えながら紹介し続けようと思います。

毎日更新しようとすると、長い記事、ちょっとした短い記事が入り乱れるかもしれませんが、それでも毎日連続更新に挑戦してみようかなと(今のところ)思っています。SNSで(FBだけですが)シェアする勇気がなかったのに、やればできるじゃないかというただそれだけにおいて、よく頑張っています、わたし。おかげさまで、訪問してくださる方が増えてきました。

ここまで続けると、途絶えるのがもったいないような気持ちになるものですね。また遊びに来ていただけたら嬉しいです。

さとびこ編集室は、いつでも、ネットの中であなたをお迎えいたします。

明日はどんな雑談をしようかしら?  





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vol.45の特集も担当していただきました戸上昭司さんによる連載です。
戸上さんは、大阪出身ですが大学院卒業後に震災の支援やNPOの支援に携わられ、2015年から奈良にお住まいです。

この連載は、身の丈しごと(戸上さんの定義は、身の丈を精一杯使ってするしごと)の支援活動をされている戸上さんが、ご自身の身の丈しごとに至る経緯で思考された話題を取り上げてくださっています。

昨年からの社会の変化で、仕事を失った人がいます。わたし自身の周りにもありました。
今の世の中は、一度就職したら定年までということが少なくなり、本人の意思だったり、そうでなかったりして、退職、転職することが頻繁に起こります。
また非正規型の雇用が増え、不安定な生活をする人も増えています。

でも、同時に今は、自分の仕事を自分で作ろうと思えばできる世の中でもあります。
江戸時代だったら、職業選択の自由はなかったわけで。

今の仕事が自分に合っていて、やりがいがあって、これからも情熱をもって続けていこうと思っている人がいたら、素晴らしいことです。そこに、会社の仕事以外にも、自分だけの身の丈しごと(営利目的とは限りません)があれば、会社生活とはまた違った経験や仕事に役立つ発見が得られるかもしれません。

または、いつかは辞めたいと思いながら生活のことが心配で続けている人がいたら、早まったことをする前にまずは身の丈しごとを自分で作るところから始めてみて、それが副業として成り立つ目処がついてから、本当に辞めたいのか、それとも一時的な気持ちだったのか、自分と相談することもできるかもしれません。

デジタルなインフラが整ってきていますので、それを使って昭和の時代には考えられなかったような起業もできます。 

自分の食べ物を自分で作りたい、、、と、家庭菜園をするように、
自分のしごとを自分で作ってみるのも、収穫(収入)の大小を超えた喜びがあるのではないでしょうか。
そして、予想しなかったことに遭遇したとき、もしかしたら自分を助けることになるかも。
身の丈しごとのつながり、スキル、経験、知識、、、、何かが生かされるかも。

編集部では、そんな身の丈しごとが人生の彩りになるのではと考えています。
人の数だけ仕事があるほうが、社会も有機的に多様化するんじゃないか、そのほうが面白いんじゃないかと思っています。戸上さんの連載とともに、身の丈しごとを想像(創造)してみませんか。
 

  


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さとびでは、以前片上醤油さんに菌のことを熱く語っていただくコラムを連載していただいていました。
その後を継いで、このうえなく愛菌家であるみなみちゃんにお願いしてきたのが、こちらのコラム「日々是好菌」にあたります。

「もっと菌の大切さを伝えたい」という思いは、お酒特集にもつながっていきました(vol.32・vol.44)。

また、今回の特集で取り上げた地球の歴史では、シアノバクテリアが光合成を始めたことから地球に酸素が生まれたことが触れられていました。
かくも長い地球と菌のおつきあい。今、無数の菌のおかげで我々は生かされているとも言えます。


今は新型のウイルスという菌よりもはるかに微細な不安材料と向き合う時代になりましたが、
それが何であれ、わたしたちの免疫力を作ってくれるのも腸内細菌であり、コロナだけでなく風邪などの病気に負けないでいられるのは、はやり菌のおかげなのです。

温暖で湿潤な日本の風土は、よくも悪くも菌を育みます。
人間にとって都合が悪ければ腐敗となり、逆にいいものであれば発酵となり。

人が病気に負ける理由、勝つ理由は、何を食べないか?に深く関わっているように思うのです。
通常の食品が加工されすぎ、自然本来の食料という形で摂らなくなっている現実があり、そのぶん、意識的に自然の力が働くものを食べることが大切になってきています。
 
発酵食品であるお酒に含まれる菌がコロナウイルスを阻害するというニュースも話題になりました。

 


味噌、醤油、酢、酒、漬物、などなど、日本には素晴らしい発酵食品がたくさん。

愛菌みなみちゃんのコラムを読みながら、菌と仲良く、菌を生かすライフスタイルを楽しんでいただきたいと思いながら編集しています。

連載スタート時には独身だったみなみちゃんも、今ではママに。そして赤ちゃんは1歳に。
子育て記録バージョンに変化した日々是好菌 を、これからもお楽しみくださいね。
 
毎号、ぐんぐん成長していくお嬢さんの写真とともに。

45号愛菌
vol.45に掲載されている写真。ちょっと見えにくいのですが、これ「1歳パンケーキ」です。

 
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45号で2箇所目の登場となる杉浦農園Gamba farmさんのコラムです。
里山再生活動までのストーリーは 18ページの「風は奈良から」のコーナーでたっぷりとお読みいただくとして(下記は記事の紹介です)、


コラムではかなり近年に近いところまでの考察記録 になってきました。

テーマは酒米イベント。

本誌バックナンバーでもご紹介したとおり(vol.35)、もうやめようかというところまで困窮した状態から復活するきっかけの一つとなるボランティアによる酒米有機栽培への参加。そのときの杉浦さんサイドからの様子が描かれています。酒米は秋津穂。人気酒風の森の原料米となります。vol.45でチェックしてください!

そして、最後にお知らせが。わたしたちが杉浦農園を訪ねるときに、かならず挨拶をしていたワンちゃん、ポン太くんが永眠されました。
一人で頑張ってきた杉浦さんのソウルメイトでした。
ポンちゃん。今でもまた会えそうな気がします。杉浦さんのこと、応援してあげてくださいね。

ポン太




 

 
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