さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: 自然と調和できる暮らし

こんにちは。あなんの雑談です。
秋も終わりに近づき、紅葉が落ちて、枝のシルエットが美しい季節になってきましたね。

昼と夜、暖かい日と冷える日の温度差で風邪をひきやすい時期ですね。

風邪は、体調を悪くすることで何かを教えてくれているメッセージだと捉えています。
わたしが駆け込み寺にしている鍼灸整骨院の先生も「風邪をひくのはいいことだよ」とおっしゃいます。ですが、重篤化すると辛いですから、ひきはじめの「あれ?」というサインに気づくのが大切ですよね。
風邪をひくから、体の免疫力が鍛えられます。風邪をひくことは、むしろ大切なのかもしれません。



CMで何度も何度も何度も、風邪の症状がでたらこれ!と洗脳されているうちに、それだけが選択肢だと思ってしまうことはありませんか。わたしは基本風邪薬は飲まないため、飲む人の心理がよくわからないのですが。。。

微熱、寒気、倦怠感、くしゃみ、鼻水。。風邪の初期症状がでたら、体を温めて休みましょう。仕事を休む。早く寝る。とにかく体を横にして、楽になることだと思います。体は、本来の状態へ戻ろうとしていろいろ働いてくれているのです。それを応援する意味で、食欲がなければ食べなくていいので(食べるということは内臓が疲れます)仕事に専念できるようにしてあげましょう。

体を温めるには、暖かい飲み物がおすすめ。暖房よりも、体の中から温めるのがいい。服装も暖かくして。寝ているうちに汗をかいたら、調節しましょう。

同じ寒い日でも、なんともないこともあれば、体調を崩すことがある。疲れていて、自分が弱っているときに崩すんだと思うんですね。崩れてしまったら、まずは休みつつ、それを機会に「もうちょっと免疫力を高めようかな。食べ物に気遣いしようかな。運動もしようかな」と考えることもできるでしょう。

免疫力って、ほとんどが腸内に集まっているそうです。腸を整えることが、原則。ということは、発酵食が大切になってきます。味噌、醤油など、いつも使っている調味料をチェックして、「これ、ほんとうに発酵してるの?菌は生きているの?添加物はないの?原料の大豆はどんなん?」などと、よく見てみてください。理想は国内産の無農薬大豆、自然塩、添加物がなくて、じっくりと自然の力で発酵させたお味噌です。あとは和食を基本にしてください。ただそれだけで、難しいことを考えずにお味噌汁を飲んでればいい、みたいな、努力のいらない生活をするのはどうでしょうか。
お金はサプリ代や薬代に使うより、食べものに使いましょうよ。



添加物を食べても、ただちに健康に影響はございません。食べないのが不可能なくらい、すべての食品に混入してしまっているのが現実です。それでも体は、解毒し、浄化し、自分を守ってくれています。ありがたいと思いません?体さんありがとう、ですよね。だから、少しでも自然な食品を食べて応援しましょうよ。

「あああ、これ食べてくれると助かるわーーー」って、お腹から声が聞こえてくるかも(笑)

中には、ネオニコチノイドのように、微量な毒素が解毒されずに体内にたまっていき、年月をかけて人間を病気にしていくものがあることがわかっています。あくまでも「ただちに影響がない」だけで、影響はあるはずです。今の若い人は、生まれたときからこの環境ですから、一生のうち、何も考えなかったら相当量の不要なものを食べてしまうことになるんです。わたしたちが子供の頃までは、まだ、健康的な食べ物のほうが多く、体の基礎ができるまでの間は、セーフだったと思います。でも、今は違います。ここ数十年間ですっかり変わってしまいましたので、本気でディフェンスしていくほうがいいと思います。若い方こそ、食べ物についての知識をたくさん持ってくださいませ。

そうすれば、きっとこの添加物と化学物質まみれの世界の中で、少食何を食べたって、だんだんと変わっていけるなら、十分幸せにやっていけるとわたしは思っています。


自然にも人にもやさしいあり方。それは自分にもやさしいあり方です。自分も人だから。

わかってるけど、できない。もう言わないでー。と、思ったあなた。一人で考えて実践するのは誰しも難しいものです。でも、楽しかったらどうですか。すでに実践している人と、楽しく交流することで、なんとなくうつってしまうのがいいと思うんですよ。

ほら、綺麗なインテリアの写真や、友人の家を尋ねると、掃除したくなりませんか。
いい意味でうつってしまいましょう。

そういう機会を作りたくて、雑草キッチンセミナーをしています。講師の先生は、編集部が選んだおすすめの人、クレメンツさんです。ただ知識を得るだけでなく、いっしょに時間を過ごすことで、やることなすこと、ちょっとしたつぶやき、たくさん得るものがあるんです。クレメンツさんは、歩く自然治癒力のような方ですから(笑)

季節の変わり目こそ、自分にやさしくするとはどういうことか、考えてみるチャンスかも。
少々の風邪にめげない冬を、迎えていきましょう。

かくいうわたしも、これから体調を崩してしまったら冬号に影響しますからね。
あたたかいお茶を飲みながら、デスクに向かっています。

IMG_8955






 
このエントリーをはてなブックマークに追加

毎月1回、王寺町畠田のKuberu2階で行われている陽楽講座。
正しくは、「陽楽の森から考える 新常態の輪郭」ですが、このブログでは陽楽講座と呼んでおります。

陽楽の森プロジェクトについてはこちら
https://toyouraku.com

IMG_8313
左はコーディネーターの家中教授、マイクを持って挨拶中の主催団体代表の谷茂則さん。
谷さんは、いつも「十四代目林業家ドタバタイノベーション奮闘記」を連載してくださっている、あの谷さんです。


5回目となる10月15日の講師は環境土木研究家で実践者の高田宏臣さん。
IMG_8315
 

この講座の企画段階から楽しみにしていました。
さとびつながりの人たちにも会場でたくさん出会いました。
「風は奈良から」のゲストにお招きした大地の再生インストラクター・西尾さんもご参加。
西尾さんは高田さんのワークショップにも参加されていて、すでにお知り合いの様子。
わたくしが、高田さんへのごあいさつに「さとびごころ」をお渡しすると
「これ、めっちゃいい雑誌なんすよー」(聞こえました?)と、口添えしてくださったんですよ。
西尾さん、ありがとう! 

2011年ごろから、インターネットで見つけた高田さんの考えや取り組みついての記事を読み、
自然に近い土木をなさる方だなあと気になっていました。
やがて、西尾さんから大地の再生というものがあるとお聞きして、理解していくと、二つが似ているなあと感じるようになっていったわたくし。
のちに、高田さんも大地の再生を普及されている矢野さんから学ばれたことを知って納得でした。

環境は目に見えている部分だけでなく、地下水や空気の循環を含めた土中環境によって
山や森や川や道や家にいたるまで、あらゆる環境が生き生きとしてくること。
近代の土木技術はそこを考えずに環境負荷を与えすぎてしまうこと。
環境を痛めずに人間にとっても暮らしやすい状態を作る技術体系と知見を先人はすでに持っていたが、今は忘れられている。もういちど、そこから学び現代に取り戻すことで、水の濁り、生きものの数、地滑り、ナラ枯れ、植生の矮小化などが改善されていく。 

IMG_8316

IMG_8317

IMG_8318
IMG_8319

高田さんが実践されている環境土木と
現代の事業的土木を比較してみてください。

環境土木の可能性の大きさを想像してみてください。
こんな土木が奈良県のいたるところに広まったら、どんなに素晴らしいでしょう。

IMG_8320


「自然にも人にも」を考えるさとびごころにとっては、まさに共感できることでした。これまで取り上げてきた「自然に近い森づくり」「壊れない道づくり」「自然栽培」「菌ちゃん農法」などと重なるものを感じます。自然本来の力を活かすには、自然を知ること、知るためには近づくことだと、やっぱり思います。逆にいえば、離れてしまったことにも気づかないくらい、それが当たり前になっているともいえます。高田さんは研究と実践の中から、次々と先人(2000年前からの)の技術体系や知見を示してくださいました。
本誌でもご紹介できないか、検討中です。

大地の再生の西尾さんに続くような人が奈良からたくさん生まれてほしい。 
そのためには、まずこんな技術があること、効果の出ている事例もたくさんあることを知ってほしい。
(伝えなくちゃいけないってことかな)
理解する人が増えれば、発注する人、取り入れる人が出てくるのではと思います。

(と思っていたら、西尾さんのワークショップが11月に吉野であるみたいですね)
 


興味のある方は、高田さんの著書『土中環境』や『よくわかる土中環境』をお読みになってみませんか。

最近発売になった著書(『よくわかる土中環境』)を会場で購入し、記念にサインもいただきました。
IMG_8322
会場に来られた多くの方が購入されていました。
IMG_8321
本を覗き込んでいらっしゃるのは、伊藤立平さんです(特集「自然にも人にもやさしい家」で執筆くださいました)。


前日に陽楽の森内を視察され、講演の中で「これは全国的にとてもよくある事例。荒れているけれど、変わっていける」というお話もありました。
高田さんのご指摘によると、陽楽の森は、古墳に似ているとのこと。弥生時代には、低地は水害が多くて住みにくく、高台の麓に集落ができて、その近くを田んぼにしていったとのことです。山に溜池があるのは、今でいうダムのような目的ではなく、ここに湧水を導くことで山の水の動きをつけ、森全体、田んぼ全体の生命力を作っていました。高台の周辺の地下には、まわりの山からの伏流水があり、掘れば水が湧いてきました。田んぼの溜池を作るために土を掘って盛ったものが古墳。決してただ墓作りのために奴隷のように働かさせたのではなく、田んぼを作り豊かな地域を作るために、みんなが合意して協力した結果だったとのことです。天皇の墓、と認識されがちな古墳ですが、稲作の土木技術(富山和子さんの『お米は生きている』にも出てきますね)、環境を調整する知見のたまものという側面があったようです。

高田さんの説明を聞くと、グーグルマップで陽楽の森を見るだけでさまざまなことがわかるものだと気付かされました。

今後は、もしかしたらこの現場でワークショップが開催される日がくるかもしれません。
王寺に再び高田さんが?
そのときは、きっとご案内すると思いますので、本で読んだことをリアルに感じていただけますよう、ぜひご参加ください。

それとですね、このプロジェクトから生まれたフリーペーパー「陽楽の森通信」があります。
都市に取り残された元里山を開かれた場所へと変化させていく陽楽の森プロジェクトについて、周辺のみなさまに動きをお伝えするもので、編集にわたくしあなんが関わっておりまして、次号では記事も書いていますので、よかったらお読みください。次号は11月20日ごろの発行です。


**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。

オンラインショップはこちら。

あなたの「さとび」を作りませんか。
さとびこ編集室がお手伝いします。ご相談ください。

**************************************************************************





 

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

秋号の特集で、炭を取り上げることにすると決めたのは昨年のこと。

畑活デビューガイド(vol.48)の中でも少し触れていますが
土に炭を返していくことの可能性について関心をもっていた編集部は、
高槻のバイオチャーエネルギー研究所の島田さんと出会いました。

(島田さんはその後、さとびの読者になってくださいました!ありがとうございます!!!) 
 


未利用の植物資源を画期的な方法で炭化させてしまう取り組みを
ぜひ紹介したいと、かねてからご協力をお願いしていました。

そうこうする間に、「季刊地域」に登場され

 


それから今日までの間に、ものすごい変化が起こってしまっています。

島田さんが開発された炭化装置でペットボトルを炭化するプロジェクトに対して
クライドファウンディングで、1000万円を超える支援が集まったのです。


ハワイに日本の炭化技術を!
漂着ペットボトルを炭化し、資源循環させる

クラウドファウンディング


 島田さんのコメントです。

島田さんメッセージ


加えて、最近知ったことですが、コロカルに掲載された天理市内の取り組みに登場しているこのプラントが
どうしても島田さんのものに似ていると思えてしかたがなかったのですけど


コロカル



下記の動画を見て、「間違いないやん」と思った次第です。

「世界を変えると思う」流木や間伐材を効率よく資源化する“現代版炭窯”CO2削減へ熱海の企業が移動式装置を開発【SDGs】


動画の中の、ワンショット

島田さんと天理市長と服部さん


バイオチャーの快進撃はすごいです。

これには、4パーミルイニシアチブ(パーミルは0.1%)も関連していると思います(と、あなんが勝手に思っている)。
(4パーミルイニシアチブをざっくり言うと、土の表層にある9000億トンの炭素を年間ほぼ0.4%増やすことができれば、43億トンの排出分の大半を帳消しにできる説。土に有機物を!)
今、世界がバイオチャーに注目しています。


もう、さとびごころが取り上げるまでもなく、ブレイクされていますよね、島田さん。
ご多忙のところ、ご寄稿いただくのが恐縮です。
島田さん、秋号ではどうぞよろしくお願いします。

そして、これからのご活躍、期待させていただきます!

畑活をするために、土について学んでいくなかで、
微生物、不耕起、炭素循環、焼畑、クロボク土、テラプレタ、バイオチャー、…
さまざまなキーワードが頭の中でぐらぐらしています。
土に関する本


秋号の特集を宣言してしまったものの、果たして、納得のいく特集を作ることができるのでしょうか(毎号毎号、このプレッシャーで胃が痛くなるくせに、それでも作る)。

少なくとも、いまホットな話題の真っ只中にいらっしゃる島田さんに登場していただけることは確かです。島田さんがさとびごころにどんなご寄稿をいただけるか、どうかみなさん、楽しみにしていてくださいませ。










このエントリーをはてなブックマークに追加

正式な名称は、陽楽の森講座編・陽楽の森から考える新常態の輪郭 と言いますが
略して陽楽の森講座と、勝手に呼んでおります。

この講座については過去記事があります。
 

 8/20、第3回が行われました。

上記の記事にあるとおり、テーマが変更になり「『里山の価値』の想像と地域の未来」。
講師は、湯本貴和さん(生態学/京都大学名誉教授、元京都大悪霊長類研究所、前日本生態学会長)。

そのお話しの中から、わたしなりに印象に残ったことをお伝えします。
(全部をキッチリ書くほどの能力がない証拠)

まずは先生のこれまでの国内外での取り組みをご紹介いただきました。
ボノボの研究などされています。(ボノボ、、、愛されキャラですよね) 
驚いたこと。50メートルの高さまで木登りがきでる方でした。

その後、次々とお話しが続きます。

里山の定義がいつ始まり、どのように変化してきたか。最初は四手井綱英さんが「農家が利用する山、林」というふうに定義され、今ではめだかでさえ絶滅危惧種になってしまっていることを見てもわかるように、里山とは生物多様性が守られている場所、大切な場所になっています。
(ポイントは、人間の手が入ることによって、破壊されたり収奪されるのではなくて、むしろ守られているということだと思います。同じように里海という概念もあり、これは牡蠣の養殖をすることによって魚礁が生まれていることなどを指すのではとおっしゃっていました。)

次は、里山のもっとそもそもの話。(このあたりはあなんが喜ぶところです)
石器時代はまだ氷河期で日本列島の形も今とは違っていました。氷河期という時代は海水の多くが氷になっているため、海水面が今よりずっと低く、今では海に沈んでいる場所が当時は陸だったりします。
その頃から日本では人が住み始めていました。
今とほぼ同じ気候になったのが縄文時代。BC7000年の遺跡(岩手県にある御所野遺跡)の例が紹介されました。

縄文里山づくり―御所野遺跡の縄文体験 https://amzn.asia/d/aUjta0E


縄文時代には、花粉で調べると栗林の面積が非常に広かったことがわかるそうです(話がざっくりですみません)。わたしが調べたところでは、三内丸山遺跡では栗が人工的に栽培されていたと認識しています。遺伝子が揃っているので栽培だったのではと。
先生は、「栗は残しておこう」というふうに、残すことで栗林になったのではとのことでした。それもありますよね。他の木は燃料などに使いたいけど、栗はおいしいから残しておこう、わたしが縄文人でも思うかも。
(あと、建造物にも栗の大木が使われていますよね。大木にしたかったのかな。残したから大木になったのかな)

ここで、わたしがお話し会で使う概念図と同じような図がでてきました。
集落があり、その周辺に里山があり、奥山があると。

やっぱり縄文時代の「ハラ」は、現代でいう里山ですよね。

こうして木をよく使う日本では、1800年ごろの絵図などを見るとけっこうな禿山であり、いかに木材が出荷されていたかが説明されました。(江戸時代は伐採を禁じるおふれも出るほどでしたものね)

3階建てのビルくらいの高さにまで木材が積まれている絵図が残っています。
木材としてだけでなく、枝を肥料としても使っていた絵図もあります。
まさに、植物依存型社会。 近世の農地と草地、薪消費に関する数字が紹介されました。
(わたしの数字はあてになりませんので、ここだけは写真を撮らせていただきました)

近世農地草地巻薪消費

スピーディーに次々とお話しされますので、ひとつひとつをじっくりと理解している暇はありません。
(講演をその場で全部理解できないことは多々あります。わたしの頭がついていかないのでしょう)



日本古来の尺貫法がすでに、パッとはついていけません。
今さらに調べながら理解しようとしています。


「駄」= 馬1頭に負わせる荷物の量を1駄
「畝(せ)」= 1反 (たん) の10分の1。30歩 (ぶ) 。約1アール。
 
反と町はよく聞きますが。。。

「反(たん)」=10畝。1町の10分の1(約10アール)。
 「町(ちょう)」=約99.18アール


要するに、一定の農地のためには、その何倍もの草地や山林が必要だったということですよね。
(わたしは、これを体力面では機械を活用して、土地利用面では近世に近づけばいいのではと思います)

草地というのは半自然の場所で、人間がかかわっていないと森に戻ってしまいます。
草があった場所がクロボク土になっています。
(クロボク土は、植物が腐食して黒くなっています。過去記事も見てもらえたら嬉しい)




次は猪や鹿の話。昔から肉食も獣害もあった(粉河寺縁起絵巻)。 ハンターがいなくなったことが現代の獣害の原因のひとつになっています。

限界集落と呼ばれるような、「こんなところに人が住んでいたの?」と思われるような場所に集落があったのは、木材、薪炭、木や竹の製品、獣肉、毛皮(戦争の時代ほどニーズがあった。軍で使われた)、薬など、ありとあらゆるものが生産され、財を産んでいたから。

ライフスタイルが変わった今、里山にはどんな価値があるのか。それが生態系サービスです。
生態系サービスには無数の分類があり、同時に取り組むのは無理があるので、何を優先するのかを選ぶ必要があるとのこと。一例として、生きものブランド米の事例。高価になりますが、人はそれにお金を払うのかという調査が紹介されていました。約3分の1の人は、買わない。それ以外の人は、価格によっては買う意志があり、中には相当高価でも買う人もいるそうです。同時に、消費者だけに価格転嫁するだけでいいのかという問いかけもありました。生態系サービスの受益者は特定の人ではなくて全員ですので、税金を入れることも考えていいのではと。
このような生態系サービスを提供できるような、木材産出に限らない森林業へと、変わっていきましょうと。

世界農業遺産の紹介もありました。

今のように山が財を産まなくなった背景には、かつて木や竹でできていたものがことごとくプラスチックに変わってしまったことが大きい(大きくうなずくわたし)
脱プラのために、新素材を開発するよりも木や竹に戻るべきとも。(フジロックのフードではスプーンやフォークが木製に) (大きくうなずくわたし。スプーンやフォークの前に、吉野の割り箸があるじゃないですか。)


駆け足の紹介しかできませんが、このようなお話を伺ってきました。

また、質問コーナーで覚えていることをひとつ書きます。
現代で里山で財を生む?食料を自給する?と、環境が壊れるのでは?(少し違った言い方だったかもしれません)
これに対して、「確かに今のライフスタイルのままでそうすれば壊れるでしょう。けれども、食料自給でいえば、冬にトマトを食べなくてもいいじゃないですか、その地で取れる旬のものを地産地消することで地域の生物多様性が豊かになります」と。(大きくうなづくわたし)

一方で食品ロスやメタボ症候群。一方では食料危機。
おかしいです。もったいないです。

原理原則に立ち戻れば、希望が見えてきます。
自然とつながって生きることです。つながり方は無数にあります。編集部ではこれからもひとつひとつ探して積み重ねていきたいと思います。

 

陽楽の森講座はこれからも毎月行われますので、興味のある方は陽楽プロジェクトのサイトをチェックしてみてください。オンライン参加もできます。
なんといってもわずか500円というすばらしい参加費。
もったいないレベルの内容の講座が500円。
あなんセイコは原則会場参加していますので、もしお会いできたら嬉しいです。

youraku_omote

youraku_ura


 PS  実生社代表の越道京子さんにお会いしました。
実生社は、この陽楽講座が将来書籍として出版される際の出版社です。 この日ご紹介していただいた本を購入しました。クロボク土を作ってきたはずの焼畑に興味があるわたしは、(読みこなせるかどうかをすっとばして)購入しました!
ちいさな出版社って、魅力的。わたしにはできなかった。
でも、出版したいからさとびを続けられていると思います。出版て素敵です。
 
実生社焼畑





**************************************************************************
100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

オンラインショップはこちら。

**************************************************************************



 


 

 
 




このエントリーをはてなブックマークに追加

ヴェンデ光と水のエネルギー

先週のことになりますが、さとび読者のIさんが登場されるとのことで、前から見てみたかった映画の上駅あが奈良県文化会館で行われましたので、行ってきました。

開催日の7月17日は、雑草キッチンセミナーの前日でしたので、その後は準備等でバタバタしており
ご報告が遅くなりました。(いいわけ)

正直なことを書きますと、「再生可能エネルギー」という言葉に、すでにもう、あまりいい印象を持てなくなってしまっていました。
脱炭素社会、再生可能エネルギー、その次に来るのがメガソーラーではないかと。

山の斜面に無惨に(と、わたしには見えます)貼り付けられ、除草剤がまかれ、事故や破損もありえて、30年後は膨大な産業廃棄物になるメガソーラー。
もしも、再生可能エネルギーという言葉が、これを肯定する役割を持っているとしたら、
言葉にするのがためらわれます。

 

この映画の冒頭のほうでは、その疑念について触れてありました。


つまりメガソーラーに抵抗する人たちが映し出されていました。



大切なのは、地域でエネルギーを自給すること。地域の資源は地域に還元されなくてはならないこと。
そんなメッセージを受け取り、共感しました。
映画に出てくる方たちの、おひとりおひとりを見れば、わかります。
この映画が伝えようとしていることが。


あまり何でも書いてしまったら、ネタバレになりますけれど

東吉野村のつくばね小水力発電所のことも、この機会によくわかりました。
地域おこし協力隊として東京から村に移住された方が、ここで大切な役割を担っていらっしゃいました。 
編集部も、一度きちんと訪ねてみたいと思っていた場所です。


まだご覧になっていない方がありましたら
お勧めです。おそらく、これからもどこかで上映会が行われると思いますので、
(下記にリンクをはっておきます)注目してみてください。
わずか1000円ですよ、チケット代。
親切!!

会場では高垣博監督をご紹介いただきました。
ありがとうございます。

また、音楽を担当されているのが、編集部あなんの知人であるカズブーさんなのでした。
実は、カズブーさんつながりの方面の方からも、この映画のことをお勧めを受けていたので、
その意味でも見れてよかったです。
映画の音楽担当なんて、すごい、カズブーさん!めちゃいい感じでした。
 

こちらで映画を見た人の感想を読むことができます。

上映情報や予告編はこちら。

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ