前回からの記事に続きになります。
11月最後のさとび旅。二日目、池田町です。運転してくれる部員さんに、ぜひ見せたいと。FBでちらりと報告しましたら、行ってみたーいとおっしゃる方もありましたので、ここでもご紹介したいと思います。
この町のことは、さとびをしていなかったら今でも知らなかったかもしれません。
最初のきっかけは、ネットで「近自然の森と奈良」に興味を持ったという溝口淳さんという方からのご連絡でした。しかも、さとびごころのバックナンバーを全部欲しいといわれ、びっくり。聞けば、奈良市のご出身でしたので、なおさらご縁を感じます。
ちょうとそのタイミングで、福井県の博物館へ行く予定がありました。そこで、本のお届けを兼ねて訪ねてみることにしたのです。
こ、これは。この溝口さんという方は、さながら頭の中に「すぐやる課」がある人なんでしょうね、てきぱき段取り力、あざやかです。
2度目の池田町に向かいながら、最初に訪ねたときのことを思い出していました。
今年5月の池田町。
JR福井駅でワゴンタクシーを待っていますと、たしかに来ました。乗客はわたし一人。おかげでおっとりやさしい感じの運転手さんとたっぷりお話できて、約1時間の道のりは全く退屈しませんでした。
部員さんを最初に案内したのは、町の南西部にある廃校した小学校を活かした「農村de合宿キャンプセンター」。食堂では、お母さんたちのグループ「白いかっぽう着」のみなさんが手作り料理を提供(要予約)。体育館だった場所には「クライミングウオール」があります。

こってコテいけだ には、リサイクルステーションが備わっています。ごみ箱やネットが置いてあるのではなくて、なにかものものしい装置があり、穴のあいたところから資源ゴミを投入するようになっていました。ここに住民の方が、自宅から出たペットボトルや缶を入れにこられているのを見かけました。生ゴミを堆肥化している町なので、資源ごみもキチンとされているのかなと思いました。
2500人という人口は、今もじわじわと減り続けていることでしょう。
だから、すぐに移住対策!!となりがちですが、溝口さんは、住民は今それを本当に望んでいるのか…ということも含めて考える必要があるといいます。住民の声を聞き入れながら、町としての将来像を模索し続ける溝口さんのような公務員さんがいることも、池田町の希望ではないかなと思いました。
公務に戻られる溝口さんをお見送りして、近所のお蕎麦屋さんでお昼を食べたら、日暮れまでの帰宅をめざして奈良への帰途につきました。
都市ならばあって当たり前の全国チェーン店が並ばない町の風景が、どこまでも美しい池田町。
都市が今から真似しようと思っても不可能な風景です。
この貴重さを宝として、ネーミングで遊ぶような心意気を失わず、居心地のよさを自分たちでつくる素敵な町であり続けてほしい。
そんな池田町に、また行きたいと思います。こんどは、釣り好きの部員さんに配慮して、夏がいいかもしれません。
奈良つながりで、溝口さん、さとびに登場してもらえないかなあ。。。。
11月最後のさとび旅。二日目、池田町です。運転してくれる部員さんに、ぜひ見せたいと。FBでちらりと報告しましたら、行ってみたーいとおっしゃる方もありましたので、ここでもご紹介したいと思います。
この町のことは、さとびをしていなかったら今でも知らなかったかもしれません。
最初のきっかけは、ネットで「近自然の森と奈良」に興味を持ったという溝口淳さんという方からのご連絡でした。しかも、さとびごころのバックナンバーを全部欲しいといわれ、びっくり。聞けば、奈良市のご出身でしたので、なおさらご縁を感じます。
ちょうとそのタイミングで、福井県の博物館へ行く予定がありました。そこで、本のお届けを兼ねて訪ねてみることにしたのです。
福井県は、福井市や鯖江市、小浜市には行ったことがありましたが、「池田町」とは初耳。調べてみると、JRの駅はありませんでした。最寄り駅からタクシーかな???と考えていたら…
日曜日にもし池田町に起こしになれるなら、池田町のマイバスというワゴンタクシーがあります。それにのっていただけると池田町までくるのに便利です。それで、池田町にいらしたら、私時間があるので簡単にご案内いたします!その上でなんですが、夕方福井にでかけますので、福井までお送りすることが可能です。そんな方法でいらしてはいかがでしょうか?冊子はPDFを含めてあるだけいただきますのでおねがいいたします!いくらになるかもお知らせいただければ幸いです!
(当時の溝口さんからのメッセージより)
こ、これは。この溝口さんという方は、さながら頭の中に「すぐやる課」がある人なんでしょうね、てきぱき段取り力、あざやかです。
2度目の池田町に向かいながら、最初に訪ねたときのことを思い出していました。
今年5月の池田町。
JR福井駅でワゴンタクシーを待っていますと、たしかに来ました。乗客はわたし一人。おかげでおっとりやさしい感じの運転手さんとたっぷりお話できて、約1時間の道のりは全く退屈しませんでした。
福井駅から市街地を抜け、どんどん山の中へ入っていきます。しかし峠を越えたあたりから空が明るくなり、山間なのに、田んぼが広がる平たい土地が姿を現しました。それが池田町でした。
目的地の市役所前にワゴンタクシーが止まると、玄関口に立つ溝口さんがいました。市の職員さんとのことで、日曜日だというのに恐縮でした。あとで副町長さんとわかり、そんな方にガイドしてもらったことに、さらに恐縮したのもです。
このとき案内してもらった場所を追いかけるように、全箇所とはいかないまでも今回は、わたしが部員さんを案内しました。溝口さんが「どこへいくのも車で20分圏内ですよ。いいでしょ」とおっしゃってましたっけ。
おしゃれな観光パンフレット 池田のきほん

5月に訪ねたカフェで
池田町には「池田のきほん」という無料のガイドブックがあります。デザインも素敵で、内容もわかりやすい。観光パンフレットというと、名所や絶景とそのいわれの説明、、、という例が多いものですが、池田町の観光資源はそれもあるけど、それじゃないんだということがわかります。

自然や人のぬくもり。「自分たちの手で」「心地よい暮らしを作り上げいく」ありのままの池田町が資源なのだと。わたしも、それを感じたのです。

5月に訪ねたカフェで
池田町には「池田のきほん」という無料のガイドブックがあります。デザインも素敵で、内容もわかりやすい。観光パンフレットというと、名所や絶景とそのいわれの説明、、、という例が多いものですが、池田町の観光資源はそれもあるけど、それじゃないんだということがわかります。

自然や人のぬくもり。「自分たちの手で」「心地よい暮らしを作り上げいく」ありのままの池田町が資源なのだと。わたしも、それを感じたのです。
このパンフレットの最初のほうにある「このまちを知る10のこと」。

1.「小学校に入学するとマイ机がもらえます」(地場産ヒノキ)
2.「いけだのお米は最高に美味しいんです」(山間ならではの水と寒暖差)
3.「まちの9割は木に囲まれています」(肯定的)
4.「お母さんたちがとっても元気です」(若者よりまずお母さんたち)
5.「雪は多いけど除雪は完璧です」(日本有数の豪雪地帯)
6.「地元のおんちゃんがスキーを教えてくれます」(唯一のスキー場)
7.「信号は町内でたった二つしかありません」(肯定的)
8.「無農薬野菜づくりには生ゴミがかかせません」(生ゴミ回収して堆肥化!!!編集部大きく反応)
9.「手をあげたらバスが止まってくれます」(平日無料のバス!)
10.「このまちにやってくる移住者が増えています」(最後に移住)
「自分たちの手で心地よい暮らしをつくる」というこの町のムードが伝わってきませんか。

1.「小学校に入学するとマイ机がもらえます」(地場産ヒノキ)
2.「いけだのお米は最高に美味しいんです」(山間ならではの水と寒暖差)
3.「まちの9割は木に囲まれています」(肯定的)
4.「お母さんたちがとっても元気です」(若者よりまずお母さんたち)
5.「雪は多いけど除雪は完璧です」(日本有数の豪雪地帯)
6.「地元のおんちゃんがスキーを教えてくれます」(唯一のスキー場)
7.「信号は町内でたった二つしかありません」(肯定的)
8.「無農薬野菜づくりには生ゴミがかかせません」(生ゴミ回収して堆肥化!!!編集部大きく反応)
9.「手をあげたらバスが止まってくれます」(平日無料のバス!)
10.「このまちにやってくる移住者が増えています」(最後に移住)
「自分たちの手で心地よい暮らしをつくる」というこの町のムードが伝わってきませんか。
部員さんを最初に案内したのは、町の南西部にある廃校した小学校を活かした「農村de合宿キャンプセンター」。食堂では、お母さんたちのグループ「白いかっぽう着」のみなさんが手作り料理を提供(要予約)。体育館だった場所には「クライミングウオール」があります。

部員さんが驚いていました。ちなみに、幼いこどもが自分の身体感覚を身につけるのに、クライミングウオールはすごくいいんですってね。
コンビニがないから不便!で終わるのではなく、「まちの駅」を作って、農産物やおみやげが買える「こってコテいけだ」(この町では、ネーミングに遊びが多いと思う)を開いちゃう。ここには農産物加工所「食ラボ」の品も並んでいます。
こってコテいけだ には、リサイクルステーションが備わっています。ごみ箱やネットが置いてあるのではなくて、なにかものものしい装置があり、穴のあいたところから資源ゴミを投入するようになっていました。ここに住民の方が、自宅から出たペットボトルや缶を入れにこられているのを見かけました。生ゴミを堆肥化している町なので、資源ごみもキチンとされているのかなと思いました。
まちの駅のとなりには、あかちゃんも安心して遊べる「おもちゃハウスこどもと木」。そのとなりには2020年にオープンしたばかりの別館があって、これがすごい。木のおもちゃだらけです。
わたしは幼稚園時代にプレイバックして、木のおままごとの世界観にはまり込みました。



ドールハウスもある!

男の子が喜びそうな迷路?のような設えもあり、さらには、木工を楽しめる部屋もあります。

全館木造りの居心地のいいハウス。
入場料は500円です。行政が運営しているのに無料じゃないのか、という声もあるそうですが、赤字にせず人を雇用するためのもの。でも500円なら安いですよね。
今回は、行きませんでしたが、5月のときは「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」という、こういう方面が好きな人にとっては心をくすぐるスポットも見せていただきました。キャンプ、アドベンチャーアクティビティ、ボートなどなど盛りだくさんの遊び場です。池田町は岐阜県にも接しているので、福井県内だけでなく岐阜や愛知からもここへ遊びにくる人があるようでした。
溝口さんて、どこへ行ってもそこにいる人と会話がはずむ人。みんな親しそうです。
最後は、今回の旅で溝口さんと待ち合わせ場所となるウッドラボイケダへ。

崩れそうになるほど古くなった工場をリノベーションして2020年にオープンしました。

リノベーションの費用が、買取価格よりもはるかに高くついたそうですが(汗)。
躯体を残して、ペイントして、すっかりおしゃれに生まれ変わっています。
ラボ内には、道具が揃った木工体験施設があります。この日は、ちょうど池田町を撮影した写真家さんの写真展の最終日で、たくさんの美しい作品が展示されているのを見ました。これらの写真は、まちのパンフレットやポストカードにも使われています。

薪も売っていました。広葉樹の乾燥材で700円/束は、安いですね。

ここに、忙しい公務の隙間時間を作って溝口さんが来てくださいました。

5月にお会いしたときとは、また違う感じで。

5月にお会いした溝口さん。快く写ってくださいました。
池田町は、「木望のまちプロジェクト」に取り組んでいます。木を生かして人も地域も経済もつながっていこうという取り組み。町全体からそれが伝わってくるようでした。わたしは幼稚園時代にプレイバックして、木のおままごとの世界観にはまり込みました。



ドールハウスもある!

男の子が喜びそうな迷路?のような設えもあり、さらには、木工を楽しめる部屋もあります。

全館木造りの居心地のいいハウス。
入場料は500円です。行政が運営しているのに無料じゃないのか、という声もあるそうですが、赤字にせず人を雇用するためのもの。でも500円なら安いですよね。
今回は、行きませんでしたが、5月のときは「ツリーピクニックアドベンチャーいけだ」という、こういう方面が好きな人にとっては心をくすぐるスポットも見せていただきました。キャンプ、アドベンチャーアクティビティ、ボートなどなど盛りだくさんの遊び場です。池田町は岐阜県にも接しているので、福井県内だけでなく岐阜や愛知からもここへ遊びにくる人があるようでした。
溝口さんて、どこへ行ってもそこにいる人と会話がはずむ人。みんな親しそうです。
最後は、今回の旅で溝口さんと待ち合わせ場所となるウッドラボイケダへ。

崩れそうになるほど古くなった工場をリノベーションして2020年にオープンしました。

リノベーションの費用が、買取価格よりもはるかに高くついたそうですが(汗)。
躯体を残して、ペイントして、すっかりおしゃれに生まれ変わっています。
ラボ内には、道具が揃った木工体験施設があります。この日は、ちょうど池田町を撮影した写真家さんの写真展の最終日で、たくさんの美しい作品が展示されているのを見ました。これらの写真は、まちのパンフレットやポストカードにも使われています。

薪も売っていました。広葉樹の乾燥材で700円/束は、安いですね。

ここに、忙しい公務の隙間時間を作って溝口さんが来てくださいました。

5月にお会いしたときとは、また違う感じで。

5月にお会いした溝口さん。快く写ってくださいました。
2500人という人口は、今もじわじわと減り続けていることでしょう。
だから、すぐに移住対策!!となりがちですが、溝口さんは、住民は今それを本当に望んでいるのか…ということも含めて考える必要があるといいます。住民の声を聞き入れながら、町としての将来像を模索し続ける溝口さんのような公務員さんがいることも、池田町の希望ではないかなと思いました。
公務に戻られる溝口さんをお見送りして、近所のお蕎麦屋さんでお昼を食べたら、日暮れまでの帰宅をめざして奈良への帰途につきました。
都市ならばあって当たり前の全国チェーン店が並ばない町の風景が、どこまでも美しい池田町。
都市が今から真似しようと思っても不可能な風景です。
この貴重さを宝として、ネーミングで遊ぶような心意気を失わず、居心地のよさを自分たちでつくる素敵な町であり続けてほしい。
そんな池田町に、また行きたいと思います。こんどは、釣り好きの部員さんに配慮して、夏がいいかもしれません。
奈良つながりで、溝口さん、さとびに登場してもらえないかなあ。。。。