さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: さとびごころが読める場所

ようこそ、昨日の続きの記事へ。
苔2

今日書くのは、民宿100年の小谷さんからうかがったワンダフルな苔の話です。
どこまで覚えてるのかしら。間違っていたら、後日訂正しますので、「 ちゃんとやるより今やろう」の精神でいってみましょう。

民宿100年さんがある上北山村は、大台ケ原が有名で多くの登山家に愛されている場所柄です。その大台ケ原は苔のメッカでもあるんですって。


「わたしたち今、苔の勉強会をやってるんです。大台には日本の苔1400種類のうち400種類が集まっていて、かなり苔の種類が豊富な場所なんだということがわかってから、ここは『苔推し』なんじゃないか?って思って勉強し始めたんですよ」

専門家の先生に習って勉強もしています。身近な場所から苔を採集してきて、テラリウムで育てながら自分たちなりに調べて同定し、記録するということもしています(なかなか難しいって)。苔の研究はまだ始まって日が浅いので、日本各地の苔好きさんのこんな活動も大切な研究のひとつになりうるとのこと。

「でも、苔を同定したり名前を覚えたりしなくても、ただ見るだけでとにかく素晴らしいんです」

小谷さんが可愛がっている苔のテラリウムを見せてくれました。

プラスチックケースや瓶の中に 緑色や少し茶色がかっている苔たちが暮らしています。

(ネットで調べてみると、本が出ていたり苔ショップがあったり、、、、流行しているんですね。)
 
スクリーンショット 2021-04-26 22.07.38


テラリウムのふたを開けた小谷さん、水の入ったスプレーを手に持って「見ててくださいね」と言いました。 

苔は針のように細い葉のタイプと、平べったいタイプがあります。
平べったいのはこんなん。 見覚えがありますね。。。
苔1

 
葉緑素を持っていて光合成もするけれど、植物のようで植物ではなく、胞子で増え、根がなくて(根のように見えるのは自分の体を支えるためのもので根の機能はもっていない)、自分の体そのものから水分を吸収しています。

「だから、ほら、こうして水をスプレーしてやると。。。」

茶色っぽく見えていた苔がみるみるうちに水を吸ってむくむくと瑞々しく立ち上がってきました。そして緑色に変化してしまう。うそ?!って思いました。


「茶色に見えるのは枯れているんじゃないんです。お休みしているだけ」 

テラリウムは、苔のリカちゃんハウスのよう。自分もテラリスムの中に入ったつもりになれば、そこには草原が広がっているかのようです。しかし、古谷さんはこんなものじゃないと言わんばかりに、、、

「肉眼で見るだけじゃなくて、ものすっごく面白いのはルーペーで見ること。もう、感動!!しますよ」

というやいなや、ルーペを持ってきて、見せてくれました。のぞいてみると、草原ではなくて、森でした。

ルーペにも使い方があります。親指と残り4本の指で握り、親指の爪を自分の頬にくっつけた状態で苔を見るんです。つまり、顔と苔が、近い!!!ですから苔観察のときは、みんな地面を這うようにして夢中になるので、外から見るとあきらかに変な人たちなんだとか(やってみたい)。


後日、ルーペごしの写真をプレゼントしてくれました。こちらです。
苔3


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ここまでくると、ちょっと怖いような気もしますね。ボタンのように見えるのはきっと胞子です。
苔は胞子からも増えるし、クローンのように苔そのものが増殖する形でも増えるそうです。

ルーペから離れると、現実の世界に戻ってきます。夢から覚めたような、別世界に飛んでいたんだなあという気分になり、不思議にさっぱりします。

民宿100年さんでは、誰でもテラリウム観察できるよう置いてありますので、ぜひ顔を近づけてよーく見てみてください。可愛い世界が広がっています。テラリウムそものも清涼感があって、お部屋に飾りたくなるルックスです。
詳しくはぜひ民宿100年さんを訪ねてみてくださいね。苔以外の、ご当地の楽しみかたもたっぷり教えてもらえますよ。わたしたち、初夏のうちに大台ケ原へ行ってみようと思っています。

最後に小谷さんの一言。
「奥深い山に行かなくても、身近なところに苔はありますからその気になれば見つかりますよ」
そう聞いたら、見つけたくなるものです。自宅付近で苔を探して、見つけたらなんちゃってテラリウムに挑戦したくなりました。(苔、ないかなあ)









 



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vol.45が出来上がりますと、お届けや発送の活動に入ります。
原則ですけども、お取り扱いスポットや定期購読、サポーター様へ第一弾。
お世話になっている方々へが第2弾となることが多いです。
その間に、直接お届けする方々がいます。これは発行時のスケジュールの都合によって、お届けしたり発送したりが随時変わってきます。

ここ数日は、お取り扱いスポットやサポーターになってくださっている方を訪問しております。 

まめのんき(お取り扱いスポット)

前の号(vol.44)の特集で倉本酒造さんを取材・執筆してくれた田村ゆきさんのお店「都祁の自然食品屋まめのんき」さんが出店しておられる 「大和高原ひのでマーケット」(毎週金・土日営業)には、バックナンバーが揃っています。
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元美容室だった空き店舗を、住民の方とともに改装して地域の交流&ショッピングスポットとして改装が進行中。木の壁に変身している最中です。「さとびごころ」って、POPを書いていただけて、嬉しいです!

接客中のゆきさん。
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大和高原は茶所だけに、いろんなお茶が並んでいます。お茶だけでなく、豆から挽いて淹れてくださる本格的なコーヒーが100円ですよ。
100円!!!! ありがたい。陶芸作家米田みゆきさん作のカップでいただきました。
そして、まめのんき名物コロッケ。オーダーしたら揚げてもらえますので、熱々のホクホク。80円。

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食べるべきです。

そうこうしてる間に、vol.40の特集「持続可能家族農業」でご紹介した羽間農園の羽間一登さんも、コロッケをお求めに。偶然の再会に喜びました。そしてさとびもご購入(カンパです、ありがとうございます)くださいました。息子ちゃんの元思(もとを)ちゃんも一緒。
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 今までは警戒され泣かれまくっていましたが、今回はぎりぎりカメラ目線を頂戴いたしました!
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追伸 取材時のもとくん。(記事中の写真右は妻の瞳さん)
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竹西農園遊茶庵(サポーター)


大和高原つながりで、田原地区にあります竹西農園さんもサポーターです。以前の投稿でランチをご紹介しました。その時いただいたほうじ茶の炊き込みごはんを再現したくて、お茶を買いました。
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日本茶カフェ「遊茶庵」に併設されたショップで購入できます。
春らしいディスプレイ。コバノミツバツツジでしょうか???(あてずっぽうです)
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農園を案内する展示用のパネル。
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いつもフラットに接してくださる竹西多香子さん、サポーターになっていただいています。ありがとうございます。
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ARCH Shorenji(サポーター)



大和高原から少し(車で30分ほど)足を延ばすと、名張市のカフェARCH Shorenjiさんがあります。スイーツとかき氷が人気!甘いものが普段はあまり得意でないわたしも美味しくいただけるスイーツを楽しみに、お届けに行ってきました。
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オーナーの玖村さん、カメラを向けるとさっと本誌を持ってくださるのです。
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イケメンの元ラガーマン(マスク中ですが)。現在は映像制作のお仕事もされています。この一年、コロナのことがきっかけとなってお店の移転や新しい事業のスタートなど激動でした。でもアスリート出身のガッツとコピーライター出身のクリエイティブ力で、ご活躍です。さとびごころも見習って、もうちょっとガッツを出していかないといけないな!思わせていただいております。

玖村さん「VOICYって知ってますか。ユーチューブに変わるのでは?と言われている音声メディアです。動画って、何かしながらっていうのが向いてないけど、音声だけなら聴きやすいと人気がでています。
阿南さん(部員のほうです)、釣りの話をしゃべったら、『24時間釣りに浸りたい!』という人が聞かれるんじゃないですか???」

VOICY、知りませんでした。部員に検討してもらいます!


アトリエ宝来(サポーター) 


また、最近とてもおしゃれなHPを開設された アトリエ宝来さんも、サポーターです。運営会社ソルナクリエイト社長の大川さんは奈良の事情にもお詳しく、勉強させていただいています。
クールな雰囲気なのに、どうやらハートはめちゃ熱い方なのではないかと、思い始めています。
部員とは、釣りの話でも盛り上がります。。。
アトリエ宝来大川さん
アトリエ内に置かれた丸太のスツールは、背もたれのようなハンドル付き。これなら移動も楽ですね。

奈良市内に山林を所有されており、次の世代のことを考えるとどうしたものか…とのことでした。
山林所有者の方の共通のお悩みです。大川さんは放置せず、草刈りをしたりわらびを植えたり、何か活用を模索されているようです。「炭焼きを取り入れてはどうでしょう」と話題にしましたら、「面白いね」とのことでした。こんな会話から、何か可能性につながるといいなと思います。

もうしばらく、お届け活動は続きます。お届け先のみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。お会いする度に、いつも何か学びがあり、充実したひと時をいただいています。それが明日のさとび作りになっていきます。




次号(vol.46 夏号)の準備にも取り掛かっていかなくては。
春らんまんから、初夏へと季節も移っていくでしょう。
時間の流れ方が早すぎて、あっという間に高齢者になりそうで、わたしはあと何ができるんだろうと焦ることもありますが、ライスワークもライフワークも、地道に取り組んでいくのみです(^^:)







 




 





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さとびごころのサポーターをしていただいております
竹西農園 遊茶庵さんを訪ねました。
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竹西農園さんは、20年近く前からお茶の有機栽培に取り組んでいらっしゃいます。
18年前からは、日本茶が楽しめるカフェを開かれました。
薪ストーブのある、素敵な空間です。
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予約制でランチ(季節のメニュー・2500円)も楽しめます。

わたしたちが頂いたのは、レンコンづくしのメニュー。
竹西さんはお料理上手。家庭的でありつつ、プロの味。

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レンコン団子
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炒り大豆とともに焙じ茶で炊いたごはん(真似したい!)
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大根と干し柿の酢の物
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レンコンの春巻きと白和え
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お味噌汁、お漬物
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焙じ茶ゼリー生クリーム添えのデザート。

味わいも、空間も、時間の流れも、満足できますので
たっぷりと時間をとって、お出かけになられることをお勧めします(^^)



煎茶、ほうじ茶など、お茶のお話やこれまでの歩みなども伺い、
(また担い手の不安を抱える現状のことや、畑サポーターに助けられていることなども)
つい長居をさせていただいたうえに、
煎茶のレッスンまで受けさせてもらいました。
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煎茶のお話は、長くなること間違いないので、またの機会にご紹介しますね。
驚いたのは、数回淹れても味が変化して美味しくいただけたこと。
竹西農園さんならではの「煎のたつ」お茶の実力を感じました。

竹西農園さんのお茶は、まほろばキッチンなどの店舗でも購入できますので
見かけられたらぜひ一度お求めいただき、お手元のお茶と飲み比べてみてください。


竹西農園さん&竹西さんご夫妻には、
33号の企画記事「援農という選択」でもお世話になりました。
この記事にある畑サポーターの取り組みは、その後発展し、
テレビ等でも紹介されて、登録者は100人を超えているそうです。
(毎回参加される方と、そうでない方を含めて)

取材した後で、活動が萎んでしまったら残念ですが
元気に続いていること、竹西さんたちも新しい繋がりができて
意義を感じていらっしゃることを知って、嬉しく思いました。


竹西多香子さんとともに(かなり嬉しそうですね、わたし)。
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ありがとうございました!!また訪ねます!

竹西農園
奈良県奈良市中之庄町458  TEL 0742-81-0383
 




 


  
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43号の特集でご協力いただいた シガセイサクショさまのご縁で
大阪市内に読める場所ができました。

環状線玉造駅という市内のどまんなか、ビルやマンションが立ち並ぶ
駅から徒歩すぐ(1分?2分?)のところに
タイムスリップしたような長屋ゾーンがあるのです。

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室内の様子。


その一室を拠点に活動されているのが
たすきがけ事業所」 さん。今月、取り組みのひとつ「まち農家」という活動において
シガセイサクショ さんの染め服が見られる・買える イベントが行われました。
(43号 11ページでご案内しました)

そのとき、シガさんが持ち込れた本誌をご覧になった方たちから
「この場所に置いてほしい」というお声があり
代表の宮内博子さまから「設置場所に立候補したい」という
嬉しくもありがたいメールをいただきました。

そこで、ご注文いただいた号を持って訪ねてきました。

その日は、ラッキーなことに週1回の場所を開いていらっしゃる日。
玄関からすぐの間にパン(※下記)や自然食品、シガさんの雑貨などが並び、
奥の間では「お茶でもどうぞ」という会話があったり、
ほっとしながらくつろぐお客様があったり。
近所の方が訪ねてこられるようすを見ていますと
この場所に来ることを楽しみにしていらっしゃるのがわかります。

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この日販売されていた「なりとパン」さんの商品を求めるご近所にお住まいのお客さまと、
対応中の宮内さま。寄り合いどころのような会話が弾んでいました。


都会の中にある隠れ家のような場所。
今は限定的に開かれています。(閉じつつ開く感じでしょうか)


なぜここに?こんな場所が?詳しくはHPをご覧になってみてください。

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ここにいらっしゃる方たちに
本誌を読んでいただけるのを嬉しく思います。

丁寧な誌面にありたい姿、生き方が見えて、
癒され、励まされています。
とのメッセージをいただき
大阪市内でもさとびの記事を読んでいただけること、
編集部の思いが届いたことに、こちらこそが励まされました。

サイトで情報をチェックしていただき、機会がありましたら
訪ねてみられてはいががでしょうか。

たすきがけ事業所
〒537-0025 大阪府大阪市東成区中道3-16-2

※  まち農家で取り扱われているパンは 「なりとぱん」。大阪から丹波篠山に移住され、現地でも大阪でも大人気の伝説のパン屋さんだそうです。引っ越されたあとも、こちらで週1回、なりとぱんが買えることになっています。
参考サイトhttp://hitotokoto.com/naritopan/








 
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五條市内にあらたに、さとびを置いていただくことになりました。

HPからのお申し込みがあり、42号とバックナンバーを多数(いっきに24部も)ご購入いただいた「山里カフェ一本の樹」様。定期購読もしていただきまして、そのうえカフェに置いてくださるとのことで、お礼をかねて行ってまいりました。


絶景スポットです。

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川沿いの道から看板をたどって山の上へぐんぐん登っていくと、ごく普通ーーー!の民家がありますが、その脇を入っていくのです。すると、こんなふうにカフェがあります。
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お店に入ったら、目の前にディスプレーしてくださっており、感激。
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お隣のニュースは、「Local Life Jurnal 特別号」に紹介された同店の記事です。

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こんなところにも、縄文特集。

 

店主の岡本様は、もと中学校の先生。定年後にNAFIC(なら食と農の魅力創造国際大学校)で学び、卒業後にご自宅を改装して2019年にお店を開かれました。
大和当帰や素麺、ジビエなど地域色溢れる素材を用いたメニューや酵素ジュースが揃っています。 
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ランチは2種類。どちらも、化学調味料の味が一切ない感じのやわらかくてコクのある味わいです。

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お店の窓からも、この景色が楽しめます。改装するときに、この窓を作ったそうです。大正解。

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大和当帰に一目惚れされた岡本さんは、店内に大和当帰ドリンクも置いておられます。

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 地域では、立派な家があるけれど住む人がいなかったり、学校が統合されて子どもたちの姿やチャイムの音が消えてゆきます。 そんな中で、岡本さんの元お仕事仲間や、偶然に見つけた人がこの店を目指してやってきます。親しげな会話が生まれる安らぐ場所になっているんだと感じました。 

「わたしね、本当は、退職したらひとりぼっちになるのはさみしいな、、、っていう自分の都合から、カフェをして人に来てもらいたいなって思ったの。そしたら、NAFICの看板を見つけて、興味を持って訪ねてみたら『あなたのような方のための学校ですよー!』って、言われました。もともと、あきのの湯で大和当帰の温泉につかってすごくいい!って思っていたし、わたしの故郷で作られた素麺も使いたかったし、組み合わせてメニューを考えました。娘がウクレレをしているので、音楽もできる場にと、、。
地域のため、とか、交流のため、とか、後から気がついたらそうなんだなーって感じなんですー」(岡本さん)

お店が賑わっており、ご迷惑にならないように帰りましたが、次に行くときはさらに、たくさんのお話ができたらと思います。一本の樹さん、ありがとうございました。
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お腹が満足するランチと素晴らしい眺望をお目当てに、ぜひどうぞ。三密を避ける配慮をされていますので、ご予約がおススメです。 

五條市西吉野町屋那瀬311 
TEL  0747-32-0481 


ps 野菜の副菜も、めちゃ美味しかった!家庭的でまろやかな味ですー。
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