さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: 編集部活動記録

ただいま、さとびでおなじみクレメンツさんといっしょに、薬草ブックを製作中です。

薬草ブックというのは、製作中のニックネームでございまして
タイトルは『クレメンツさんの薬草レシピ&野草便り』になります。



今最終チェック段階にきていますので、出来上がったらお知らせしますね。
この本の紹介は、また別の投稿で書かせていただきます。
わたしにとっても、我が子のようにかわいい本になりそうです。


今日の話題は、この本の取材中にさんざん困惑した「スイバとギシギシ」のことでございます。

雑草に興味のない方には、どっちでもいいお話かと思いますけど、もし「食べられる雑草」や「薬草になる雑草」に関心をもっていただけるとしたら、きっとわたしと同じように「スイバとギシギシ」問題に直面されるかもしれませんので、書かせてくださいませ(笑)

見分け方も写真も、ネットにいくらでも掲載されています。では、野原や畑で見つけたとき、すぐにわかりますか?というと、これが実際…、え?どっち?ってなるんです。(わかっている人には笑われそう!)

見分けるポイントととしてよく言われるは、「赤いのがスイバ、緑っぽいのがギシギシ」。
しかし、成長すると赤くないスイバもあるんですよ!

もうひとつ、「葉っぱがヤジリのような形で茎のところで巻きついているのがスイバ、葉っぱが波打っているのがギシギシ」。
しかし、巻きついていないスイバもあるんですよ!ヤジリのような形をしていると言われてもヤジリって何?という人もいるでしょうし、ピンときませんよね(縄文人が狩猟に使いました笑)。さらに成長すると、上のほうの葉っぱは巻きついていないものがあるこの目で見ましたし…。
ギシギシの葉っぱのほうも、波うっているとはいえ、そんなにはっきりしているわけではなくて「波打ってるといえばそうかなあ」くらいなんです。

しかも、スイバのことを別名「ギシギシ」とも呼ぶそうです。ますます、混乱。
誰かから、「これはギシギシ」と教わったそれはスイバだったかもしれません。



わかりやすいのは春先のスイバです。葉っぱが赤いから。まだロゼッタ状に名が丸い形の葉っぱが広がっています。この時なら、よく似たロゼッタでも「緑色のはギシギシ」でわかるでしょう。

初夏になると、茎が伸び始め、花がつきます。おおむね、花も赤みがかっているのがスイバです。
クレメンツさん撮影によるスイバがこちら
すいば0509

茎に葉っぱが巻きついているところを激写しましたよ
スイバ


同じような時期のギシギシがこちら。
ギシギシ
たしかに、葉っぱは茎から離れてついていますね。
でも、夏が近づくと花がほんのり赤みをおびてくるそうです。スイバはもっと赤いですから、そのあたりが見分けるポイントになるでしょう。


どちらも食べられますが、シュウ酸が含まれますので、生でたくさん食べるのはNG。気をつけましょう。簡単な食べ方は茹でたり、スープにしたりです。薬草レシピの中にもありますので、本をお求めになられる方はチェックしてみてください。


牧野富太郎先生もおっしゃいますが、名前を呼んであげると自分と雑草との距離が近づくのを確実に感じられます。必ずしも食べなくてもいいんですけど、食べられると知り、食べ方を知るのは楽しいものです。食べたらもっと楽しいし。

わたしは畑活をしていますので、この時期のスイバ、ギシギシが畝の中に伸びてきたら、ご遠慮願うんですけどね、愛着は湧いてきます!

PS  この本の取材中に出会ったきれいなオオデマリ。
おおでまり


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さとびごころは「リトルプレス」=小規模自主制作のマガジンです。
流通には乗っておらず、書店さまにはご厚意で並べていただいています。
ほとんどの書店さまから見ると「無視の対象」ですので(笑)、いくつかのお取り扱いスポット様のおかげで置かせていただき、ほとんどはメールによるお申込みを頂いてお届けしております。

それに対して、れっきとした出版社さんの場合。取次を経て、広く流通します。そのかわり返品もあるのですが。。リスクがある事業であるかわりに、ヒットすれば安定した収益になります。
大手さんが鎮座する東京は別格として、京都には奈良よりも多くの出版社があります。

 



(割り込み余談)さとび関係でしたら、「風は奈良から」の三浦雅之さんの著作『家族野菜を未来につなぐ』は、京都の学芸出版社発行でした。
ちなみに、奈良にも京阪阪奈情報教育出版があります。さとびも奈良の地酒研究の際に、お世話になりました。良書をお作りですので、ご注目くださいませ。


わたくしも学生時代に零細な出版社でアルバイトをしたことがありますので、従業員を抱えている出版社さんの場合は、いろいろと大変なところがあるのは垣間見ました。むしろ一人出版社さんのほうがポリシーと営業とのバランスがとりやすいのでは…と、外野からは見えたりします。

今回おじゃましたのは、一人出版社の実生社さんです。

以前このブログでご紹介したこの本の版元さん。

実生社焼畑
21世紀の縄文人を目指すわたくしとしては、持っておきたい一冊でした。

代表の越道京子さま
IMG_0938

京大のご出身で、いくつかの出版社勤務を経て2年前に起業されたとのことです。まぶしい!
わたくしのような、おそらく軽薄な??おばちゃんとも、ゆっくりお話してくださり、
ツボが似ているようで、大変盛り上がりました。

さとびのことは、本作りの参考にしたいともおっしゃっていただきました。


価格を800円にすべきとも
アドバイスいただきまして
300円にすべきと
言われなくてホッとしましたー!

さとびと交換で頂戴した本は、もともと購入したかった『キッチンから始めるSDGS』。

IMG_0941
 
SNSには書かなかったことを書きますと、
わたくし個人的にはですよ、SDGSという言葉を極力使わないようにしております。
ですが、ここはこのタイトルにすることで多くの人の目に触れ、販売につながるのだそうです。
なるほど。。。わかります。。。さすがです。。。

(なぜSGDSを使いたくなかったか?は、直接お会いできた方にはお話します笑)

『キッチンから始めるSDGS』は乾物や米粉を使ったメニュー紹介とともに
キッチンから未来を変えようと呼びかけた本です。
今、わたくしは雑草にとりかかっていますが
乾物と米粉も、重要視しております。
少なくとも米粉企画はやりたいと考えていますので、
楽しみに読ませていただきます。

実生社さん、今回は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
リトルプレスのさとびは、その良さを活かしながら精一杯頑張ります。
これを機会に、これからもどうぞよろしくお願いします。

PS 新しいサイトのオープンが近づいてきました。近日お知らせします。

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ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか。

わたしは畑と事務所を行き来する日々でしたが、最後の日曜日に
この春オープンした山染村にあるSoyelさんへ。
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山添インターチェンジを降りてすぐ、花工房の看板が道から見えますので、迷わず行けます!


こちらでは、さとび読者さんのhiroさんが(今のところ休み返上で)中心になって運営されてます。
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写真に写ってくださいとお願いしたら、すごすごと壁の向こうに隠れてからひょっと覗いてくれました。hiroさんです。


hiroさんの、「山添村を盛りあげよう!」という心意気は本物です。思いのたけを振り絞ってる感じがして、脱帽。企画段階からお話を伺っておりました。こうして実現しましたこと、あらためておめでとうございます。

2階のカフェでは、カレー好きの部員さんもニッコリのカレーが食べられ、イベントスペースや、コワーキングスペース(これは1階)もありです。みなさんに愛される交流スペースになってくださいね。
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わたしのかわりにいつも露出していただいております。うちの部員さん。




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続いてお隣の花工房さんで野菜の苗を求めました。こちらの苗は元気で育てやすく、畑活ビギナーさんにおすすめ!これからは、Soyelでカフェも楽しめるスポットになるのですね。


嬉しかったこと。さとびを閲覧用として置いてくださっています。hiroさんありがとうございます。
持って帰りたいとおっしゃる方もチラホラあるとのことですので、何か考えますね

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山添村は東豊ベースもあり、春日ガーデンもあり、神野山もあり、面白いスポットが散らばっていますよー。hiroさん、また行きますね。
奈良に住み、奈良を訪ねる村旅、楽しいですよ。近日、また小さな村を訪ねます。100年住み続けたい地域づくりを願うさとびこ編集室の日頃の行い?です

山添村企画も温存中ですので、どこかのタイミングで記事にしたいと思っていますー。

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4月に2回ほど、森歩きイベントに参加してきました。
ひとつは、森林に興味関心が高く、主に何らかのプロである人たちが対象。
もうひとつは、若者や一般の方たちが対象でした。
どちらも、講師はさとびでおなじみの久住一友さん。
Forester chicks-1

Forester chicks のための林業学校 2022-2023 現地講習より 久住くんの奥にいるのはコーディネーターの吉水純子さん(そう、53号まで連載をしていただいた吉水さんです)

Forester chicks-2

Forester chicks のための林業学校 2022-2023 現地講習より 久住くんの右にいるのはコーディネーターの佐藤浩行さん(そう、さとびでもおなじみの佐藤さんです)

わたしは普段は久住くんと呼んでいますので、以下久住くんと書くほうが書きやすいものですから、そうしたいと思います(^^)

久住くんとは、谷林業株式会社に就職するために奈良に移住したころから交流が始まりました。
谷林業に近い場所にあるカフェで、森を学ぼうという趣旨のトークイベントがあり、当時谷林業の社員だった久住くんが林業に就いた理由や、架線集材についてわかりやすく説明してくれていました。

そのとき聞いた、(さとび読者さんであれば、今ではみなさんも読まれていると思いますが) 家の近くの公園の木が切られたことがショックだったからというエピソードに、わたしのアンテナが立ったのです。経験的に勝手なルールがありまして、「昆虫少年はスジがある」というもの。久住くんは昆虫が大好きだったために、昆虫がたくさん集まってくる大好きな木がなぜ切られてしまうのか?憤りを感じたのでした。実際には理由があっての伐採なのですが、その時の悲しみと憤りは今の久住くんの核の中にあると思いました。
男の子は大なり小なり昆虫をとって遊んだ経験が(ある年代までなら)あると思うんですけど、とりわけ大好きだった人たちは将来、生態系を大事にするようになるのです。さとび関係でいうと、プロジェクト粟の三浦雅之さん、フォレスターアカデミー校長の藤平さん(さとびサポーターをしていただいてます。ありがとうございます)、久住くんもそう。

そのエピソードを聞いてからの後日、里山関係のイベントで参加者どうしとして遭遇したとき、わたしはもう「さとびで連載を書きませんか」と声をかけていました。久住くんは谷林業のSNSも担当していて、魅力のある文章を書く人だなあという肌感覚はありましたので、連載してもらったら「昆虫少年が林業を目指したのはなぜか」のところを伝えてもらえると思いました。それは、今の近自然森づくりにつながっています。久住くんにはその後も、折にふれて寄稿していただいてますので、まだお読みでない方はぜひ。

vol.47 特集 いつまでも豊な森(ちなみに佐藤さん、藤平さんにもご寄稿いただきました
vol.52 特集 森を選んだ生き方その後

久住くんの連載(旧さとびごころvol.22からvol.25)は、別途パンフレットに印刷しましたので彼の自己紹介パンフレットがわりに広がったことと思います(ということは、わたくし、奈良での久住くんのデビューには陰ながら貢献している?と勝手に自負しております)。

2つの森歩きイベントでは、どちらも久住くんが管理をしている里山が現場でした。アスファルトの道から歩いて入っていくことができる位置にあり、人の手が加わったゆるやかな道が通っていて、スニーカーでも楽に歩くことができます。森林というのは、たとえ里山でも、道が通っていなければ町の住人が歩くには辛く、危ない場所です。林業のための作業道や、昔の人が使った里道(りどう)が通っているから歩けるのです。大きな蜂や蛇がどこにいるか、わかりますか?もし出会ってしまったらどうしたらいいか知っていますか?久住くんは知っています。それらも教えてもらい、わたしたちの安全や楽しさに配慮しながら案内してくれるんですよね。

そしてそれらの道は、ふだんは私有地の中にあり、誰でも入っていけるところではありません。その地域の人や、そこで仕事する人のための道なので、国定公園などにある観光向けに整備された遊歩道とは違うのです。

そんな特別な道、そして美しい森の中の道を、久住くんの森案内を聞きながら歩くんです。
ここにこの木があるのはなぜか。この道があるのはなぜか。
この木を切った理由は何か。この木はどんな性格をしているのか。
この森を管理するようになった経緯は何か。
初夏の新緑に包まれながら、「へーーーーっ。そうなんだーーーー!」の連続を味わいながら。

2つ目のイベントでは、伐採の実演もしてもらえました。
当然ながら「切る必要のある木」がモデルです。すでに枯死していて、伐採する必要のある木でした。参加者のほとんどは、伐採現場を見るのは初めてでしたので、離れておかないと危ないことを教えられ、木が倒れておいくスローモーションのような様を見届け、切り株に触ったり匂いを嗅いだり、特別な経験となりました。 

ひらく学校-1
切り株の下からカブトムシの幼虫が。こんなにおっきいんですね!

ひらく学校-2
ゆるゆる歩くだけなのに、楽しい。

ひらく学校-3
草原から奥山へ、植物の遷移について話す久住くん。植物は苔の仲間から草へ変わり、やがて日光の好きな木(陽樹)が育ち、その下から日陰の好きな木(陰樹)が生まれ、ついには陽樹と入れ替わります。

ひらく学校-4
成長したイタドリ。春先の雑草キッチンセミナーで若芽の段階のイタドリを学んだので、成長した姿を見るのも面白かった。森歩きしながら「おいしそう!」を連発するわたしでした。森の中のゆるやかな日陰では、葉のやわらかい雑草が育ちます。食材としは、これが美味しいのです。

開く学校-5
久住くんが上牧町で管理しているのは「宝蔵院流高田派槍術第二十二代流派代表」からの依頼で、槍になる木を育てる森。奈良は
宝蔵院流の伝承地のひとつです。

最後には、スイーツとお茶があったり、またお弁当を食べたりもあります。これが重要!これが楽しい!多少の疲れを癒しながら、参加者でゆるりとおしゃべりを交わすひととき。いわゆるシェアの時間といいますか。。。イベントのエピローグ。その一日の体験が思い出に落とし込まれていきます。

こんな森歩きをわたしはずっとずっとしてみたかった。

そもそも奈良型作業道の取材をした2016年ごろからずっと、「こんなに素敵な道を、ただ歩くためだけのイベントをしてみたい」としょっちゅう口にしていました。いや、実際には「したらいいやん。してほしいなあ」などと、人様に依存する言い方でございました。まだまだ、さとびで主催するようなパワーがなかったのです。もしかして、今だったら何人か声をかけたら実現できるかもしれませんね。

さとびこの森歩きも、いつかできたらいいなあと思います。
(その時は、ぜひとも久住くんにお願いしたいと思います) 

久住くんの森あるきに参加した人は、みんな満足そうで、楽しそうでした。もしかしたら、この人は、森林管理の仕事よりもこっちが忙しくなってしまったらどうしよう!といらぬ心配をしてしまいそうになります(笑)。でも、これもひとつの「森の仕事」なのです。木を切るだけが仕事ではなく、森林が豊かに健康に維持されていくことによって、森で働く人にとっても、林産物を購入する人にとっても、環境(それは人や社会に益すること)にとっても、調和のとれたいい結果を生み出していくために、多くの人に森を好きになってもらうことも大切な仕事と言えます。

フォレスターとは、森と人をつなぎ、森も豊かに人も豊かにしていくプロフェッショナル。
久住くんはそれを体現する人になりつつあります(もうなってるかも)。


森あるきその1
森に学ぶ Learn from the forest
~ Forester chicks のための林業学校 2022-2023 ~ 現地講習 
開催場所=大淀町、明日香村など
主催=森に学ぶ講座実行員会 からす組(プレスリリース


森あるきその2 
<木を伐るを観る ~森ある暮らしのお話~>
開催場所=王寺町、上牧町
主催=ひらく学校 

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ファンションブランドになったり、
映画になったり、
海外の美術館に作品が収蔵されたり。
おどろきの快進撃を続けているのが
障害者福祉施設、やまなみ工房。

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うちのミスター部員さんと
施設長の山下完和さんが
おたがいにリスペクトし合う
旧知の間柄のおかげで時々訪問しています。

山下さんのルックスを見るだけで
ここがどんな場所なのか70%くらいは
察しがつくのではと。

写真をお借りして、ご紹介しますと。
山下さん

滋賀県のインターネットメディアしがこと様からお借りしました。

なお、上記のサイトではやまなみ工房について詳しくレポートされていますので
ぜひお読みになってください。おすすめです。(わたしもさっき見つけたところ)
「アウトサーターアートの発信地」というタイトルも共感しましたため
お借りしました。ごめんなさい。ありがとうございます。



やまなみ工房さんを初めて訪問したのは
思い出せないくらい若い頃でした。
アートの取り組みが始まってしばらくした頃だったでしょうか。


訪れる度に変化していく施設内を、今回はたっぷりとツアーさせていただきました。
美術を評価する眼が無に等しいわたしでも、驚きと感動が伝わってくる数々の作品。
「何を撮ってくれても、何でもSNSにあげてくれていいですよ」
障害者施設ではまず聞くことのない言葉です。
感動と同時に
このアーティストたちの力を引き出してしまう山下さんの秘密を知りたくて。
 
「僕はアートはわかりません」
「僕はなにも指示していません」
 
そう言われても
信じられない。
 
感じたことは
自分がはるかに浅い意識の中でしか暮らしていないのではないかということ。
そう気づかせてもらえたことに感謝します。
 

おしゃれ過ぎるカフェ、
もはや有名アーティストのほうから出演を申し込んでこられるようになったライブハウス、
宝石のようなスイーツ、
誰かの夢をなんでも実現してしまう。
山下さんは、そのために誰よりも粘り強く働きかける人でした。

山下さんの言葉どおりに受け止めてしまったら、罠にかかりそう。
何の努力も情熱もなしに、こんなことは起こらないと思うんです。
そこに初めて「みなさんのおかげなんです」と、飄々と語る山下さんの言葉の意味があるのではと思います。

2017年にオープンしたライブハウス「Ban Boo Bon(バン ブー ボン)」が生まれたいきさつ。
上記のサイトには「福祉施設という壁を取り払って、もっとたくさんの人に来てほしい」とあります。まさに、その通りです。これまで出演された有名アーティストさんたちの名前を見ると、「そのためだったら、ここに来たい!」と思う人が続出するであろうという豪華さ。

でも、その前に、音響を学んだ職員さんが就職してこられたという背景がありました。
親御さんの「高い学費を払って専門の勉強をさせたのになあ」との言葉が山下さんの心に残りました。「じゃあ、ライブハウスを作ろうよ」と。
そこで終わらない。職員たちが「会いたかった」というアーティストさんを呼ぼう。でもどうやって?実は、なんのコネクションもないところから出演のお願いをされたことを、わたしたちは山下さんから聞いたことがあります。それが今では、アーティストさんのほうから出演したいと申し出が届くまでになっています。

ライブハウス内には作品が展示されています。まるでミュージアム。
ライブと作品がコラボすることによって、やまなみ工房のアーティストさんたちが共演するのです。
そこにも山下さんの狙いがあるようです。 

山下さんは、人の願いを叶えるために最大限のエネルギーを本気で傾けることができる人なんですね。
それが山下さんご自身の願いなのかもしれないです。つまり、それが「どんな人にもその人だけの表現がある」「孤独でない安心できる環境があればその人の個性が開いていく」
そんな環境を誰よりも夢みている人なのかもしれないです。
職員さんであれ、障害のある利用者さんであれ、山下さんにとっては同じなのですね。

もうひとつ、今回はあまり話題にならなかったのですが
やまなみ工房さんのアート性を広く社会にメッセージしたのはファンションブランドをはじめとする「デザイン」とのコラボではないかったかと思います。アートを見る目を、アートを知らない人にも訴えかける力を帯びています。プロダクトや紙媒体、オリジナルグッズなどにデザインされることよって、やまなみ工房のアーティストたちの作品がいっそう光を増す魔法のような力が加えられ、やまなみ工房さんのブランド力になっていると思いました。
アート作品と、それを魔法にかけるデザインが相乗的に輝いています。
山下さんはそこで、どんなふうに「人の夢」を叶えているのだろう。
そんな話も聞いてみたくなりました。




以下は、わたしがとったスナップショットでございまして、
やまなみ工房さんの作品力を下げてしまいそうで、申し訳ないのですが
どんなところを見て回ったのかという報告の意味でシェアいたします。

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いつか
さとびから見た
やまなみ工房さんを紹介できることを目標とします。
次回は「泊まりがけで来てくださいよ。スタッフもいっしょに飲みましょう」とお声がけいただき、
飲み会の約束をしてきました。楽しみです!

最後に、編集部の中に飾っているやまなみ工房さんの作品

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今までもあったのに、見学したあとで見ると思いが蘇ってきます。

山下さんて、ロックな風貌の方。昔から変わっていません。
ロックって、抗うという意味がありますよね。
制約、効率、競争、成果、人々が日頃それらに囲まれていることで社会が成り立っている面もあると思いますけれど、本当にしたいことを後回しにしてしまうことはありませんか。社会のあたりまえに対して、やまなみ工房の取り組みはロックかもしれませんし、障害者福祉の取り組みとしても十分ロックだと思いました。


わたしは、どれだけ本当の自分に正直にしたいことを表現しているだろう。


アーティストとして作品が認められるかどうかは関係なく、やまなみ工房の人たちは自分のしたいことに向き合っています。かたや自分は?やまなみ工房のような環境が用意されているわけではありませんが、支援の必要なしに暮らしていくことができます。その中で、「孤独でなく(=孤立せず)安心できて自由であること」を確保することを大切にしたいと思います。

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