さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

2022年12月

いよいよ年の瀬ですね。
今日は、インスタグラムつながりの方に「良いお年を」とお伝えしました。
そして今現在はこちら、ブログ読者のみなさまにお便りしています。
今日は、さとびの一年を振り返ります。(長いですけど写真多め)

さとびは季節に1回=年4回発行し、読者メンバーの方(定期購読・サポーターの方)へ直接お届けする他、奈良市のいつもの書店さんと、いくつかのスポットでお取り扱いいただいています。お取り扱いいただいてるみなさま、いつも本当にありがとうございます。



自分で出しておきながらこんなことを言うのもなんですが、特別おしゃれにも作れず、テーマもちょっとまじめ臭くて、それほど飛びつくような雑誌ではないはずなのです(汗)。そういう自覚はありますので、いい意味で営利を期待せず、それよりもどんな方に共感していただけるのかを知りたくて作っています。生き方としても、社会のあり方としても、自然と調和する方向を求めるような方といっしょに100年住み続けたい世界で暮らせたらなあと。
 

しかし個人負担にも限界がありますので、500円だけ頂戴して印刷費や発送費に充当させていただいています。今のところそれ以上の取材費は、発行元の事務所が負担しています。負担するのは全然OKなんですけど、この事務所が潰れると、さすがにさとびも潰れます(笑)。いつもクルクル自転車操業なんですけど、不思議に続いているんですよー。

 

2022年1月発行 vol. 48 冬号 の特集は「焚き火が嬉しい」さとびvol.48

ボタンひとつで何かと叶ってしまう社会の中で育った若い人たちの間で、焚き火が人気です。
「不便が楽しい」という言葉を聞いたことがあります。面白い傾向だと思いました。
焚き火に必要な「薪」やバーベキューに必要な「炭」はホームセンター等で簡単に買えますが、よく見てみると外国産だったりしますよね。そこで地域産に目をむけてもらえたら、山も元気になるんじゃないかなあと思いながらつくりました。

ご協力いただいたKuberuさん、ありがとうございました。

おまけ:冬季オリンピックでは、ジャンプに魅了されておりましたデス。
小林陵侑選手金メダル



冬号が出たあと、久しぶりのTE toTE MARCHEの開催(会場=喫茶と雑貨アンジュール様)。当編集室も実行委員として裏方もやりました。出店者さんのほとんどが、さとびつながりのみなさんで構成できたことが嬉しかったです。
TEtoTEオモテ
TEtoTEウラ




賑わい
入り口



来年は、森のねんど研究所に場所を移して、2月12日に開催しますので、お時間のある方はどうぞお立ち寄りください。入場無料です。来年のチラシは、記事の後ろのほうに貼っておきますね。



2022年4月発行 vol. 49 春号 の特集は「畑活デビューガイド」
ご本人の承諾を得て

編集部あなんも、2020年のコロナ禍の中で畑活を始めました。思えば20代の頃から惹かれていた農的生活を、50代の手習いにてスタートすることに。畑に縁を結ぶなんて無理ではないかと諦めていたのですが、望みって叶うんですね。

IMG_5925
 
さとびの取材先には、とっくの昔から食べ物を自給している方がたくさんいます。けれど、実際には(畑活に興味はあっても)していない人が多いのではないかと思い、そんな方へのガイドになればと思ってつくりました。教えを乞うたのは、さとびvol.40でご紹介した羽間農園さんです!

コロナは、誰もが持っているはずの免疫力の大切さをあらためて教えてくれました。免疫細胞のほとんどは腸で作られます。人間の腸は畑と同じく菌の世界。腸を応援できる食べものを食べたほうがいい。土の栄養を含んだ野菜、それも農薬や化学肥料を使っていないものが望ましい。けれど毎日有機野菜だけを食べている人は少ない。今こそ、畑活では??(畑活する人はもっと少ないか笑)

畑活を取り上げたい。だったら、まず自分も経験しなくては…と体験取材としての畑活でもありました。その1年後、この特集ができました。
今では、生活の一部になっています。売るためではないからこそ、自由に楽しく、いろんな方法を試しています。

春号発行とほぼ同じころ、さとびがラベルデザインをさせていただいたお酒ができました。
つむぐ
山添村産の餅米からできたお酒。醸造は稲田酒造さん、杜氏は知る人ぞ知る黒瀬さんです。
そして、プロデュース されたのが、「田んぼの四季」を連載いただいた農家のこせがれさんこと、下浦さんでした。酒米としての需要が田んぼを守ることにつながります。
つむぐは、引き続き醸造されるそうですので、まだの方はチェックしてみてください。おいしいに決まってますよ。(宣伝)

同じく4月は2度目のアースデイに参加。
2022アースデイ6
畑活デビューガイドの師匠、羽間農園さんもさとびブースに来てくれました。
2022アースデイ8
部員くんの藤井健太さんもお手伝いくださいました。ありがとう。
2022アースデイ9
恵古箱のめぐちゃんが、立ち寄ってくださり、11月のマルシェにお誘いいただきました。

次の夏号が出るまでに、陽楽の森講座が始まりました。
チラシやパンフレットを作らせていただきました他、個人的にもぜひ聞きたい方がたくさん登壇されるのでほぼ毎回通っています。来年3月まで続きますよ、おすすめです。


youraku_omote

ちなみに、(さとびに関連する人でいいますと)1月は「特集自然にも人にもやさしい家」で執筆いただいた伊藤立平さん、3月にはドタバタ連載の谷さんも登壇される予定です。
詳しくはサイトをご覧ください。https://toyouraku.com/lectures

陽楽講座の始まりと同時に、映画「杜人(略称)」の上映会の応援もしました。
杜人
主催したのは、さとびで「大地の再生」について連載してくれた西尾和隆さんだったから。
というより、さとびは環境再生に多いに賛同しているからです。さとびでも、もっと取り上げたいと思っています。


2019年から、ぽつりぽつりとお話会に呼んでいただくようになりました。
毎回寝れないくらい緊張しますが、ほんとうにいいトレーニングになっています。
奈良でも、自然や環境を大切にすることに取り組んでいらっしゃる方がいらっしゃいます。
それぞれの活動が、見えないところで相互作用が生まれるといいですよね。

 驚いたことに、奈良県フォレスターアカデミーで編集部あなんが講師をやらせていただきました。千載一遇の機会。学生のみなさんは、将来有望な方ばかりで、驚きました。アカデミーで教育を受けた方がデビューされ実践され、それが奈良の森づくりのスタンダードになってほしいと望んでいます。(自分がお役にたてたかはどうかは天におまかせします)。
奈良県フォレスターアカデミーにて
学生さんたちとの、ちょっとふざけた一枚です。



2022年7月発行 vol. 50 夏号 の特集は「奈良の水マップ」
 
さとびvol.50表紙


奈良県民なら、それも奈良盆地に住まうのであれば、知っておきたい吉野川分水の物語。わたしたちがお世話になっている農水のほとんどが大迫ダムから来ていることを取り上げました。
大迫ダムの底には入之波地区が沈みました。現在は少し下流に、さらに巨大な大滝ダムがあります。
後の世代は、すでに出来てしまっているダムとどうつきあっていくのか、考え続けることになると思いました。

奈良県南部では、地域の川から取水する簡易水道が使われているところがあり、下北山村の例を紹介しました。地域の水を住民が飲む、それが地域の環境への関心を保つことにつながるのではないかと思います。

ワークショップ始まり。

夏号が出たあと、さとびこ編集室の初の試みとして、クレメンツかおりさんとコラボして「季節の雑草キッチンセミナー」を開催(夏から秋までは、アンジュールさんにて)。

718雑草キッチン1

718雑草キッチンびーがんオムレツ
雑草のトリビア。作る面白さ、食べる楽しさ。
ご好評いただき、企画した編集部も喜びました。ワークショップ活動は、これからも企画していきたいと考えております。ご興味とマッチすることがありましたら、ご参加お待ちしています。

陽楽の森プロジェクトを伝えるフリーペーパーの編集もお手伝いさせていただきました。さとびを作るのとよく似たモードで関わらせていただくことができ、ありがたいことでした。
陽楽の森通信vol.1
このペーパーは、今年の秋にも2号が出ました。来年には3号が発行される予定です。



そして秋号の取材も進めました。
D44A855B-3C0F-4157-94BB-E5E44B10B85F
高槻バイオチャーエネルギー研究所の島田さん。 すでに1年前に取材の内諾はいただいていましたが、実際に特集化するまでに大きく飛躍されました。今だったら時間を割いていただけたでしょうか、と思うほどです(汗)。

2022年10月発行 vol.51 秋号 特集は「炭はサーキュレーション」
IMG_8257
だんだん記憶に新しくなってきますね。

 自然に近づく、という言葉をわたしは連発していますが、どういうことか意味が通じますでしょうか。たとえば、このように炭を活かすということもそれにあたると思うんです。

生まれて、育って、命を全うすることが、自ずと次の命(機能、役目)を産んでいく。そこに切れ目がなくて循環していく。

そんな自然のルールにあてはまることが、自然に近づくコツだと思います。草が枯れて菌が働き土となって次の植物の肥やしとなるのもそうですよね。ここでは 竹や木が、一度は不要なもの扱いされても、重油などを使わない方法で炭化することで燃料や電気など次の役割に変わっていきました。
また、炭は二酸化炭素を土中に固定し、菌の住処となることで土壌改良効果もあります。自然も喜ぶし、人も喜びます。炭の他にもサーキュレーションさせられないか、探してみませんか。



秋号が出た後には、4月のアースデイでお誘いいただいたマルシェ「かつらぎ恵み市」に出店しました。

恵み市4
1日中雨だったのに、多くの来場者があり、主催者の恵古箱さんの人とのつながりの深さが感じられました。 来年も開催されるようであれば、また出店してみたいです。今度は晴れますように。部員さん藤井くん、大変お世話になりました。

雑草キッチンセミナーも回を重ね、冬の会まで進みました。
雑草キッチン22冬


残すところ、大トリの春。雑草たちが一斉にかわいい花を咲かせる季節の雑草キッチンが今から楽しみです。
すでに満席となっておりますが、5月ごろに初めて参加の方のための雑草キッチンを企画中ですので興味のある方はどうぞご参加くださいね。最大10名程度の定員を予定しています。


最後に、先述しましたとおり、来年のTE to TEのご案内ですね。
(今年の雰囲気そのままです。覚えてもらえるかなー)

TEtoTEおもて


TEtoTEうら

近鉄・JR奈良駅からバスがあります。少し不便ですが、それだけにのどかなロケーション。森のねんど造形作家・岡本みちやすさんの世界観でいっぱいの古民家で開催されるTEtoTEへぜひ。


ここでちょっと、横道それます。

さとびと直接関係ないですが、今年は北京オリンピック、東京オリンピック、サッカーワールドカップとスポーツのビッグイベントが続きましたね。サッカーはついこの前でしたので記憶に新しく、ドイツやスペインに勝てたのには感動しました。それと、さともだち(さとびつながりのお友達)の中にはサッカー通の人がいまして、その人たちの感動ぶりにこちらが嬉しくなったりもしました。

ちょっと寄り道をしてしまいました。戻りますね。


特集タイトルをもって、さとびの各号の紹介をすることが多いので、
今年の連載や企画記事をあげておきます。


連載

 
フォトエッセイ これからのこれから /都甲ユウタさん(フォトグラファー)
森のねんどギャラリー/岡本みちやすさん
奈良の地酒と「小さな酒屋」の物語/川口充勇さん(帝塚山大学教授)
十四代目林業家ドタバタイノベーション奮闘記 /谷利茂則さん(谷林業)
風は奈良から〜さとびごころ×と七つの風 /ホスト三浦雅之さん(プロジェクト粟)
田んぼの四季/農家のこせがれさん-vol.48まで
季節によりそう暮らしと食養生 /三瓶歌奈子さん(菜食ダイヤ)-vol.49まで
季節によりそう味と香り /吉水純子さん(QusuyamaLLC)-vol.50から
山と今日から始まる物語/谷茂則さん(大和森林管理協会)
GOMIGEN最前線/北井弘さん(ごみ減量ネットワーク)
愛菌家みなみの日々是好菌 /草野みなみさん
地域の居酒屋考察録/登和哉さん-vol.50から
身の丈しごと研究室/戸上昭司さん(身の丈しごと研究家)
さとび的読書さんぽ/嶋田貴子さん(読書さんぽナビゲーター)
 




企画記事

あたかも村のヒーロー戦隊!地域の困りごとを解決する「かみきた〜孫の手会」/小谷雅美さんvol.48
人工林の皆伐跡地に広葉樹の森を育てよう/杉本和也さんvol.49
プランターから始めるハーブガーデン/クレメンツかおりさん監修vol.50
里山を知ろう放置された里山の価値を生かすには/川波太さんvol.51
村の自然と歴史を守る 幸せの人美杉に暮らす/若林浩哉さんvol.51



こうしてみると、いかに多くの方に関わっていただいてきたことでしょう。いつも編集部のわがままにお付き合いくださり、ありがとうございます。感謝いたします。編集部はそのお返しができているのでしょうか。何かできることがありましたらお声かけくださいませ。



今年のさとびは編集部から出ていく機会を増やしました(取材以外でも)。
自然と調和するライフスタイルを読者のみなさんと共に学べるようなワークショップをこれからも考えていきたいです。さとびが出会ってきた方たちの中に、先生や師匠にふさわしい方たちがたくさんいらっしゃいます。少しずつ、講師になっていただけるようご相談させていただけたらと思っています。




来年も4つの活動を柱にしていきます。(1.企画編集 2.うれしさと学びのある場づくり 3.身の丈しごと研究室、4.畑活推進(^^))
身の丈しごと研究室はまだ、有志で検討委員会を作りかけている段階ですが、これからの時代は組織に依存するだけでない身の丈しごとを持つことが大切になってくると思えてしかたがないため、研究室活動をしていき、いつか講座が開たらなと思います。さとびの身の丈しごと講座にぴったりな方が参加してくださる日をイメージして。。。

今日も1日が終わろうとしています。
今来年1月の冬号発行を控えつつ、編集部の2022年も終わりたいと思います。

みなさま、よいお年をお迎えください。
定期購読のみなさま、サポーターとして応援してくださったみなさまには特に
今年一年の感謝を申し上げます。
これからも、さとびとつながっていただけましたら、とても嬉しいです。

**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。

オンラインショップはこちら。

あなた(&法人様)の「さとび」を作りませんか。
さとびこ編集室にお手伝いさせてくださいませんか。ご相談ください。

**************************************************************************










 





このエントリーをはてなブックマークに追加

昨日の記事を、部員さん(厨房大将のほう)が、シェアしてくれましたが、
相変わらず(当ブログ開設は2014年)ひやっとしますね。
なぜでしょう?(チキンなのか?)

当ブログは、ご訪問くださった方が、ふらっと読んでいただけたら本望です。
あとは、「さとびを作っているのはどういうヤツなのか」という方に、怪しいものではございませんという意味で書き残しておこうとか、あるいは、ありがたいことに関心を持ってくださった方へのお便りのようなつもりで書いております。が、シェアしてください!というプロモーションの機能は、あまりないんじゃないかと、いいのか悪いのかわかりませんが、自覚はしています(^^:)。

2022年ももうすぐ終わるんですね。
次の投稿では、今年を振り返ってみよう(自分のためにも)と思っていますが、今日はもうすぐ最終チェック段階になるさとびづくりの様子をお伝えします。

 

さとびの企画は1年から2年前に決まっています。

種のレベルまでいうと、何年も前になりますが、土に種が落ちるのがそれくらい。発芽するまでに時間がかかるというか。その間、意識して情報を集めたり、検討を重ねたりして、半年前には確定しています。

入稿は発行月の前の月の初旬(原則)

だいたい、連載に関しては発行月の初旬から入稿をお願いしており、下旬には校了することが多いです。中には最後まで入稿されない方もあり(誰でしょう)、特集の仕上げと重なると編集部がオーバーフローすることもありますが、凌いでいます(^^:)

全体に言えるのは、企画やコンセプトを編集部からお伝えし、方向を固めてから、出来上がるまでに、「どうかけばいいのか、行き詰まっている」という場合には編集部が相談にのったり、逆に書き手さんから「こうしたらどうだろうか?」と提案していただいたりして、いっしょに作り上げていく記事も多くあり、それがまた、さとびらしいのかなと思っています。

こうしたやり取りの中で、ライターさんと編集部の信頼関係も育っていき、
また次の展開へとつながることもあります。

例えば、クレメンツさんは、旧さとびごころ時代に阿南が編集会議に提案して連載をお願いしたのがきっかけで、取材のたびに対話を重ねていく中で、「ワークショップをやりましょう」という展開になりました。

今回も、いったんは出来上がったかな?という段階を過ぎてから、取材相手やライターさんを交えて意見交換をして、いっしょに作りあげた記事が含まれています。

今回の特集(森を選んだ生き方その後、というテーマです)では、取材対象の久住さんを、いつもはコラム「身の丈しごと研究室」を書いていただいている戸上さんにお願いして書いていただいています。
森を選んだ生き方その後


校了が見えかけたとき、久住さんから、こんな希望が届きました。




「読者にあまりキレイなところだけを見てほしくないのです」

わたしは嬉しかった。久住さんらしい。

さとびは林業のプロモーションを目的とするというより(そういう気持ちはもちろんあります)が、
林業が現場としている森林、国土、風土、環境に一人でも多くの人が、「考える機会」を持ってほしいという願いから企画をしています。

今、森林は忘れられていて、その影で、将来的に深刻な影響を与えるかもしれないようなことが起こっています。直接影響を受ける人たちだけでは、大きな力にはかないません。そもそも、そうならないような土壌を作っていかないと、いつも弱い立場の人や、ものを言わない自然が負担を被ることになりますし、めぐりめぐって税金が高くなるなどすれば庶民の生活が圧迫されるのではないでしょうか。

森と名がつけば、なんとなくおしゃれ。なんとなくいい感じ。それが森林が持つ力だとも思います。
人が何故森という言葉に惹かれるのか、そこにも現代人の心のニーズがあるような気もします。
そんなふうに、今これほどに「森」が愛されているのに、その一方で森林が泣いています。
これがわたしには不思議でなりません。

ですから、森を守る仕事でもある(はずの)林業について知っていただけたら、風景としての森林、憧れとしての森林のイメージの中に少し現実的な見え方も混じっていくのではないかと思えまして、森林関係の記事をしばしば企画しています。それには、「キレイなところだけを見せる」だけでいいのでしょうか。

久住さんの意見を受けて、戸上さんが書いてくださいました。
 



林業はシゴトだ。が、ビジネスかと問われると筆者は答えに窮する。なぜなら見据える未来が、他業種ではあり得ないほど長過ぎるからである。シゴト=ビジネスという時代において、現代林業家たちは両者の狭間で悩み苦しんできただろう。林業のビジネス化を模索する動きもある一方で、森林の根本価値に向き合う者もここにいる。「何のためにシゴトをするのか」林業からその問いが聞けなくなった時、我々は大切な何かを失うのかもしれない。


さとびに関わるみなさんとの関係を、さとびに育ててもらっております。
雑誌は、読者と紙面を介しての間接的なコミュニケーションを産みますが、さとびづくりでの現場では、リアルな信頼関係や学びが生まれているように感じます。このような方たちが、地域の将来を担ってもらえることは編集部の希望の光です。

課題は写真。 

さとびづくりをしていて、いつも課題に感じるのは、編集部が写真を撮ることが時間的になかなかできず、ライターさんにご協力していただくことが多い(それも嬉しいのですけど!)ということ。
本当にいつもすみません。みなさまのおかげです。
ひとえに、専門のカメラマンさんにお願いする予算が取れないということです。ボランタリーに撮影をしていただいたこともあり、感謝、感謝です(すでに数名の方にお世話になっています)。

さとびの写真の場合は、実物と違うほどに仮想的な美しさを求めているわけではないのですが、やはりその場の一番いい感じのものを収めてあげたいという思いはあります。そんな気持ちで関わっていただけるような方たちとも、プロアマを問わずに繋がっていけたらと思っています。そして、早くお礼がお渡しできるようにならないとダメだなと思います。
 
来年からのさとびは、もう少し写真を増やしたい(前にも書いたような…)のですが、どうなることでしょうか。ドタバタ奮闘記さとびこ編集室バージョンも、続いていきそうです。



**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。

オンラインショップはこちら。

あなた(&法人様)の「さとび」を作りませんか。
さとびこ編集室がお手伝いします。ご相談ください。

**************************************************************************



 



 



 
このエントリーをはてなブックマークに追加

今年は寒波が来ているらしく、例年よりも寒いクリスマスになりました。
そんな日でも、奈良は昼間に陽が差せば、少し暖かいのです。
故郷の冬は厳しかったので、暮らしやすいところだなあといつも思います。

さとびvol.52 冬号も、だいぶん形になってきました。クリスマスイブも、クリスマスも、さとびを作り出してからはありません(笑)。

次号から表紙を少しイメチェンします。
編集後記にも書いたのですが、愛称のさとびをロゴにして加えました。
若い頃からつながりのあるデザイナー「Design Office ROUXデザインオフィス ルゥ」さんにお願いしました。

Satobi
既成のフォントにはない、どこか温かでトロミのあるところがいいなあ。
新年からお目見えしますので、どうぞよろしくお願いします。

2018年から、自分で企画編集をして、自然にも人にもの視点でいちから奈良を見つめ直すような気持ちで取り組みました。森、農、川、暮らし、縄文、街、微生物、土、取り上げたかったことを、「読者に喜んでもらえるかどうかわからない」という少々の不安もありましたが、「これで届かないなら、それでもいい」と思って作りました。

5年間の間に、定期購読してくださる方やサポーターになってくださる方も少しずつ増え、大きな赤字にならずに続けてこれました。

さとびづくりをする上で、ベースにあった言葉が「Close to nature(近自然)」です。人間は、自然を壊すだけの存在なのかとほとほと悲しくなっていた若い頃、自然にも人にもという両立の思想を与えてくれました。
closetonature
 
そう、人間が自然に近づけば、自然を豊かさえもできるんですよ。壊すだけの存在ではなかった。(いや、そもそも人間は自然にはかなわないのですが、人間が壊す範囲において困るのは人間なんですよね) 
きっと、離れすぎて、見えなくなってしまったせいで、おかしいことをおかしいとも感じなくなった人が増えているのが今なんだと思います。悪気はなくても。



フランク・ロイド・ライト(1867-1959)というアメリカの建築家の言葉に次のようなものがあります。 


Study nature, love nature, stay close to nature. It will never fail you.



わたしはスイスやドイツのほうで、近自然が進んでいると思ってきましたし、考えてみれば日本の本来の文化こそ近自然だと思いますし、こうしてアメリカでも思い至る人がいるということは、世界中の人がわかちあえる概念なのだと思います。

これが、まさに、わたしがさとびで伝えたいことにバッチリでしたため、キャッチフレーズとして引用させていただきました。

わたしの言葉でいうと、「自然に倣えば、大きく間違うことはない」ということ。
いったいどうすればいいのだろう?と、フリーズしそうになったとき、自然の原理原則から考えてみると、道がみつかることが多いのです。

さとびは、自然に近づくすばらしさ、大切さを、あくまで地域に根ざして、伝えたり、いっしょに考えたり、なんなら生活の中に実装していけるような情報を届けるマガジンになっていきたいと思うんです。
そういう気持ちを、6年目からは素直に表明することにしました。

(読者さんが減るか、増えるか、全くわかりません。ブルブル)

自然にも人にもやさしくありたい人とつながり、競争よりも協調できる場を作れたら、きっと精神的も安定できて、いいパフォーマンスができて、お互いに暮らしやすいのではと思うんです。そういう夢をもって、さとびを続けていきたいなと思っています。


やさしさ、という言葉はあまり安直には使いたくないのですが、
これを深めていくことは、これからもっと大切だという思いはあります。

これに関して、次号の中で、クレメンツさんがコメントしてくださった部分をフライングですがご紹介したいと思います。

コラムの中の、「プランターで始めるハーブガーデン」のコーナーです。
小さな文字で記載していますので、気づかない方もあるかもしれません。

冬のハーブガーデンは、今どうなったのか、という写真とともに。
ハーブは、一見すると冬枯れて元気がないように見えますね。
そこに添えられた言葉をかみしめました。

冬のハーブプランター
 


 
土の下ではしっかり根をはって養分を蓄えています。
寒い風や雪にも耐えることで、来年の春には力強いハーブへと育ちます。
私たち人間も厳しさを体験することで、力強くもやさしくもなりますよね。 
寒い日には、あたたまることも大切です。
けれど、寒さや厳しさに耐えることで、強くやさしくなれる、そういう大事な意味もあることを、思い出させてもらえました。

本当のやさしさは、そういうところから生まれるんだと。

さとびも、厳しい寒さの中でも地中に根を張るマガジンとして育っていきますね。

さとびvol.52 (2023.winter)は来年、1月10日の発行です。
ぜひ読んでみてください。

**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(企画編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。

オンラインショップはこちら。

あなた(&法人様)の「さとび」を作りませんか。
さとびこ編集室がお手伝いします。ご相談ください。

**************************************************************************




 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加

今年のさとびは、イベント活動を増やしました。
以前からちらちらと、行っていましたが、初めてシリーズで行ったのが「季節の雑草キッチンセミナー」です。

雑草キッチンセミナーについて(ここから始まりました)
 

 


vol.46の特集「薬食同源 奈良」で監修していただいた
クレメンツかおりさんを講師に、季節ごとの雑草料理のセミナー
「季節の雑草キッチン」セミナーを開催します。
(雑誌の企画ですから、野草、薬草よりも雑草という言葉を選びました。)
 

雑草の中には薬草がたくさんあり、しかも、驚くほど美味しいものがあります。でも、選び方を間違えたら毒になる場合もあれば、使い方や料理の仕方によっては、 薬効も消えてしまいます。そんな雑草の知識とレシピ、料理法やコツを、自然療法の「プロを育成するプロ」であるクレメンツさんから教わります。
最後は食べてお話しましょう。

 
夏から始まり、今回の冬で3回目(番外のフィールド編を含めると4回目)。
毎回10人程度が集まり、モットーである「うれしさと学び」のある時間を過ごしています。
リピーターの方も多く、お知らせする前に満席になるようになるとは、願ったり叶ったりです。
おかげさまで、もう少し枠を増やし、より多くの方にお伝えできないかと考えられるようになりました。この件は、また別途、お知らせいたします。

さて、12月になってまもなく、宇陀市にある古民家で、冬の雑草キッチンセミナーは始まりました。
今回は、一年の終わりと新しい年の迎え方を学ぶ、「キッチンでつくれる門松づくり」。

雑草キッチン冬-1
 

門松は家庭では見かけなくなりましたし、お正月飾りも購入することが多いもの。
最近は、ワークショップで手作りすることもできそうですね。わたしも参加してみたい。

そこで、クレメンツさんおすすめの作り方を教えてもらったのですが、本当に教わったことは、それ以上のものでした。作り方以上に、意味。意味にこもっている精神。

それが一番価値があったと思います。


準備していただいた竹と松

雑草キッチン冬-3

雑草キッチン1

庭から南天を調達してきたクレメンツさん。植物を持つと、とにかく嬉しそうな人。
雑草キッチン11





教わったこと


1.門松の意味。なぜ斜めにそぎ切った竹なのか。なぜ3本なのか。高さの比率の理由は?
なぜ松なのか。 なぜ梅なのか。松竹梅以外の飾りであっても、これらの意味をわかったうえで加えられています。

「我が家はこちらにございます」「感謝と祈りをお送りします」そんな神さまとのコミュニケーションのための受信機・発信機のようなものでした。奇数や、7.5.3などの数字にも意味がありました。



2.意味をくみとったうえでの、小さな門松づくり。先生が、道具をすべて揃えてくださっており、感謝しかありません。

3.忘年会をかねて、先生手作りのランチ。プラントベースなのに、驚きの旨味の秘密は、やさいやきのこの軸や芯で出汁をとってあること、玉ねぎ塩麹や味噌を入れること。みなさん大満足のようすでした。

4.オプション講習として、香り玉(これはヨーロッパの風習を日本風の柚子を使ってアレンジしたものです)、お屠蘇の作り方。

できあがったミニ門松、香り玉 、お屠蘇に入れる(漢方以外の)スパイス類をお土産に持ち帰りました。梅はまだ咲いていないため、実を表す南天がつかわれました。

雑草キッチン冬-10
 

それでは、参加者の方がSNSで感想を書いていらっしゃいますのでご紹介いたします。

J.F.さん
雑草キッチン冬-6 

 
門松作りに行って来ました😀
ミニということでアレンジフラワーのような可愛いらしさ💕写真の門松は私の作品ではありません(笑)
なぜ松竹梅なのかとか、いつ頃飾ればいいのか等、その意味も詳しく教えていただきました。
松は根っこつきなので、上手に育てたいな。
からだに優しくて美味しいお食事もいただきました✨
ゆるやかな時間を楽しんだ贅沢な1日でした。


J.F.さんの香り玉
雑草キッチン冬-7


〜柚子のミイラ作り(笑)〜
門松作りの続きで、「香り玉」を作りました。
柚子にクローブを刺して、シナモンパウダーを振りかけます。
どちらもミイラ作りに使用されるくらい抗菌作用があるので
柚子は腐らずに縮んでいくそうです。
なので、毎年作るとどんどん増えていくんだそうな(笑)
魔除けになるとのことで窓辺に飾ります。


M.Kさん
雑草キッチン冬-2

雑草キッチン冬-3

雑草キッチン冬-4




雑草キッチン冬-8



さとびこワークショップ
季節の雑草キッチンセミナー冬
講師 精霊の森 
   クレメンツかおりさん
門松 香玉 お屠蘇 づくりに参加させていただきました☺️
わたしは午後は、外せないことがあったので、門松だけ作り失礼しましたが、久しぶりに時間を忘れるほどの豊かな時間を過ごさせていただきました☺️
門松のなぜ?
松竹梅?なぜ松?竹?梅?
竹はなぜ3本?なぜ先をそぐ?
なぜ753?
なぜ奇数?
???
そして、門松は12月の中旬に飾る。
🧐🧐🧐年末にしか飾ったことなかった😥
わたしは歳だけとってるけど、知識不足😰に愕然😰
来年からは学び直しだな。
やりたいことが見えてきた。今頃?いや、幾つからでも始められる。
参加させていただき、ほんとうによかったです。
クレメンツ先生の笑顔に、初対面なのにずーっと癒やされて、穏やかな気持ちになれました。
参加できる機会を作っていただいた阿南さん❤️ありがとうございました。

はやくも新年を迎える心の準備が整ったかのような。


雑草キッチン12




お屠蘇は、大晦日にお酒の中につけて、元旦に若い人から順番にいただきます。
わがやは二人暮らしなので、わたしから?になるのか?
子供さんがおられたら、飲まずに口をつけるだけでもいいので子供さんからどうぞ。
若い方の気をいただくという意味もあるそうです。
雑草キッチン冬−9


お屠蘇には漢方薬としての植物も含まれており、これはワークショップでは扱えません。それ以外の・シナモン(⇒抗菌)、花木山椒(⇒抗菌 体温を上げる)、菊花(⇒健胃、抗菌)、ちんぴ(⇒気力アップ)をいただきました。

その他、記憶に残ったこと。 

蓮根団子が大好きなわたしは、ランチの中に含まれていて大喜びでした。
蓮根をすりおろして水分をきり(水分はお出汁に入れます!捨てないで)、ゆでた百合根を中に入れて丸めたものを、お鍋の最後のスープの中で温めるだけ。煮崩れやすいので、混ぜないのがポイント。

自然のしくみや意味、効果を暮らしに活かしていく方法について、みなさんが興味がおありで嬉しく思いました。雑誌では、どうしても「情報」しかお伝えできません。その「場」の空気、非言語で伝わるコミュニケーション、やはりワークショプならではのものがあると思いました。


年末年始は不思議な時間です。
いつもと同じように「日が暮れて、日が昇る」だけなのに、元旦は何かが違いますよね。気が変わるといいますか。この大切なタイミングを、今年はいつも以上におごそかに過ごしたいと思いました。




次回の雑草キッチンセミナーは、いよいよ花いっぱいの春です。
今回のメンバーさんだけですでに満席となっておりますので、
ご興味のある方のために4月か5月に設定いたしますので、ぜひご参加ください。
ブログ、FB、インスタグラムでお伝えします。 




自然に寄り添う知識や知恵が得られます。
食べられる雑草について理解が深まります。
雑草が生きる環境についても知ることができます。
おいしい料理の実演を見ることができます。
参加者でいっしょにランチすると、最高に楽しい。
そんな雑草キッチンセミナー、ご参加お待ちしてます。

おまけ
オプション講習を受けたみんなで記念撮影(^^)
雑草キッチン22冬
 

初めての方向けの開催日につきましては、来年になってからご案内いたします。

**************************************************************************
ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

さとびをお読みになった方からの、はげましや感想をいただきますと編集部が元気になります。お待ちしています。

オンラインショップはこちら。

あなた(&法人様)の「さとび」を作りませんか。
さとびこ編集室がお手伝いします。ご相談ください。

**************************************************************************



このエントリーをはてなブックマークに追加

雑草セミナーの報告をするはずでしたが、さとびづくりを頑張っており
次回の投稿までお待ちください。
(言い訳)


vol.52 制作中



お酒の記事を作っていると、飲みたくなりますー。

この取材で購入したのが、「TE toTE」という、なんともシンクロ的な名前のお酒でした。 
TE toTEは編集室が実行委員にもなっているプロジェクトの名前。

使い手さんと作り手さんをつなぐマルシェを通して
捨てたくないものと人のつながりを作るプロジェクトです。

ちなみに、全部飲みました!すぐなくなりました!

年末にむかって、冬号づくり頑張ります!

TEtoTEお酒


 
 
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ