さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

2022年10月

サポーターの方には、ちらりとお知らせしたことですが、
2018年に当方(さとびこ編集室企画編集・オフィスエルインク発行)で作るようになってからのさとびのコンテンツを一覧できる冊子をつくりました。

いえ、まだ仕上がるまでには数日かかりますが、手元にもうすぐ届きます。

catalog-coverのコピー

こんなふうに、コンテンツページだけを一覧。
どんな表紙だったかと、特集について手短かに説明を。
(縄文の奈良は絶対にしたかった特集だったなあ。続編もしたい)
catalog-sampleのコピー



もともとは、自分のために欲しかったものです。
編集活動をしていると「あの記事は何号に載っていたんだっけ…」
と、あとあと調べたくなることがしばしば。そのたびに、片っ端からバックナンバーをめくって確かめるのでした。

コンテンツページだけをプリントしておけばいいのですが、つい、
それより見たほうが早い、、、と。

でも、こんな冊子があったら、何号だったかを確かめて、目的のページを開くことができて楽しそうだなと。

せっかくなので、お世話になっている方にお渡ししようかと
少し印刷した次第です。B5サイズ。24ページです。

11月13日(日曜日)の葛城でのマルシェで
実物をご覧いただけます(興味をもっていただければ!)。 



作ろうと思ったのは、まだ初夏の頃だったかと思います。
「秋号がでたら満5年だなー」
「5年分の一覧を作ろうかなあ」


5年前は手探りで、「わたしはどう作ろうとしているのか?」と、自分でも見えないところがありました。
「自然にも人にもやさしい」 しかない。
もうそれしかない。

という気持ちは確実でしたけれど、一人でどのように活動していけばいいか、
編集によってどう表現するのか
なかなか定まらず毎号苦心しました。さみしい思いもしました。
 
5年続けてみると、「楽しみにしてるよ」「お気に入りのマガジンなんだ」と
おっしゃってくださる方が出現し、、、まるで夢のようです。
量より質。いい言葉!
作りながら、初めて杉浦さんに会いに行った日に始まり、ひとつひとつの取材に
わたし自身が育てていただいたなあと、しみじみ感謝の気持ちが湧いてきました。

 

小部数なのでけっこうコストがかかりまして、冊子版を無料でお配りするほどの経済力が今のさとびにはございませんが、PDF版はどなたにでもお送りしますので、ご連絡ください。
お持ちの号以外にも、どんな記事があったのか、ご覧になってみませんかー。(メールかSNSでお願いします)

バックナンバーであっても、今年からは在庫切れになった時点で増刷するようにしましたので、今後は品切れはございません。

だれかもらってくれるかなー(笑)。

 

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ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
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編集部の活動記録でもありますが、個人的にも刺激になる活動でした。
サポーターでもあり、TEtoTEの運営ベンバー仲間でもあるnomichiさんと

大阪・北加賀屋で開催された「北加賀屋2022AUTUMN アジアブックマーケット」へ。
北加賀屋2022オータムアジアブックマーケット
初めて降りる北加賀屋の駅。
奈良市民になってから28年、大阪へはめっっっっっっったに出向かなくなっています。

北加賀屋は地下鉄四つ橋線・住之江公園のひとつ手前の駅で、海の近くでした。
マンションもあれば、商業ゾーンもあれば、倉庫もある。混沌とした街なみ。
会場の名前が素敵です。「名村造船所跡地」。

いかにもかつて繁栄していた名残をとどめる大きくて古錆びた建物に、
新鮮なコントラストを放つタペストリー。
名村造船所跡地
この1階から3階までが会場です。コロナが一時よりも収まり、人出も賑やか。
1階はカレーやビールなどの飲食ブース。2階はおしゃれな手仕事ブースとライブ会場。そして3階にはずらりと本のブースが並んでいました。

書店だけのマーケットではなくて、雑貨や飲食がいっしょにあるからこそ、楽しいのですよね。
造船所跡地とあって、なかなかの規模。雑貨と飲食を楽しんだら肝心の書店を回る頃には結構疲れるくらいの広さでした。疲れるけど楽しかった。

TEtoTEのような小さなマルシェをやる身にとっても、勉強になるところはたくさんありました。
ほとんどの出店で、お揃いの什器が並びます。組み立て式で、便利そうで、美しい。
お揃いのブース枠
中でも、このお店には惹かれましたー。アルミウエアのお店なんですけど、雑貨もおしゃれにディスプレーされています。昭和のかおり、アルミウエア。
アルミウエア店舗

アルミウエア1

アルミウエア2

あれこれ欲しくなりましたが、モノを減らしたいので、がまんの末、洗濯バサミを買いました。
子供の頃、おばあちゃんが洗濯物を干していたのは、アルミの洗濯バサミでした。
今はプラスチックが多いですが、紫外線でポロポロ劣化しますよね。
これからはアルミです。なつかしく、可愛く、プラごみにならず、軽く、しっかり挟めます。

奈良からも出店している方があり、こぎん刺しを現代風にアレンジして雑貨をお作りになる作家さんとお友達になりました。

こぎん刺し1

こぎん刺し2

 
こぎん刺しとは、初めて聞いた言葉ですが東北の刺子は知っています。
こぎん刺しは青森県津軽に伝わる刺子の技術のひとつだそうです。
わたしは、うっすらとした知識しかなく、布をリペアして服を長く着るための技術ではないかと思っていましたが、もっと切実な理由がありました。

中川政七商店様のサイトから、説明をお借りします。 

本州の最北に位置する津軽は、綿の栽培に適さず、藩では麻の栽培を奨励した。さらに、農民は木綿や高価な色染めの着物を着ることを禁じられたため、彼らは麻布を藍染したものしか身につけられなくなった。しかし、目の粗い麻生地は津軽地方の厳しい冬を過ごすのには向いていない。

そこで農民たちが、温かい空気が少しでも服にこもるようにと麻布に刺し子を施しはじめた。麻の布は繊細で、作業着などに使うとすぐに擦り切れてしまうため、それを繕う意味もあったという。


 必要に迫られて作る美しいもの。そんな背景を大切にしながら、北欧風とも感じられる現代的なセンスでおしゃれな雑貨に変えてしまうdeerplusさん。民俗博物館からそのまま出してきただけでは、やはり、現代ではどうしても使えません。大切にしたい伝統は、本質を変えることなく現代風に進化してこそ、残っていくのだと思います。感動した思い出としてわたしもブローチを買いました。(写真の中では、丸いトレーの上に並んでいます)

 
おなかがすいたら、飲食ブースでタイカレーとチャイ。
もうひと頑張りしようと3階へ。 


書店コーナーには、かつてさとびで連載してくださったルチャリブロの青木さんの本が並ぶ、夕書房さんもいらっしゃいましたのでご挨拶してきました。(それなのに、購入を見合わせましたこと、ごめんない!)
青木さんの連載はこちら
satobi35-24-25


 
書店や出版って、今の時代、志がなければできる事業ではないと思います。
さとびも全く収益にはならず、本業があるおかげで継続できていますし。
だからこそ、愛おしいー。出版する人のモチベーションが少しわかるー。

帰りのカバンが重くなるから本はやめておこうと思いながらも、少し、買ってしまいました。

マルシェの魔力?

3階で感動したのは、京都の印刷会社さん。紙の量り売りをしてくれました。どんな紙でも100g100円。
高級そうな、やわらかな手触りの、感じのいい紙。印刷の端切れです。本来なら捨てられるもの。
それをこうして量り売りしていただけて、嬉しくて。(紙の下針売りは『紙博』で見かけてから気にはなっていたのですけど、買うの初めて)。

とても感じがいいので、大切は人へのメッセージカードに使おうと思います。楽しみ。

現地集合したnomichiさんとは帰りの電車はご一緒できまして、TEtoTEの相談などもできて、
有意義な1日になりました。

モノはいらない。もう足りています。でも、モノにこめられた形のないものを味わいながら手に入れるのはとても楽しい。「買う」だけが目的でないお買い物。TEtoTEでも、そうありたいと思います。


次のTEtoTEは来年2月12日。森のねんど研究所を会場に行います。
本年は喫茶と雑貨アンジュールさんで、コロナを気遣いながら「小さなTEtoTE」 として開催し、
みんなで楽しい1日を過ごしました。
来年も、小さいことに変わりはないですが、「会ってみたいな作り手さんに。話してみたいな使い手さんと」のコンセプトを大切にして、行列のできないマルシェをモットーに開催しますので、興味を持っていただけましたら嬉しいです。

さとびこ編集室も出店しますし、阿南セイコがプロでユースのほうで雑用をしております。


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秋らしい日が続いています。
食べ物が美味しくて、美味しくて。食べすぎ注意です。


昨日2022年23日は、奈良が渋滞していたそうです。
奈良市の競技場に、14000人の人が集まったから。
キングカズが奈良に来たから。
奈良でJをめざすサッカーチーム、奈良クラブの
勝負の一戦だったから。


 ここまで来るには、地域リーグで優勝して、地域決勝で優勝して、JFLに昇格し、そこで定められた結果を出さなくてはなりませんでした。

奈良クラブが地域リーグで頑張っていたころ、わたしはすでにさとびの前身である「俚志(さとびごころと読みます。今のタイトルはここから)」の編集委員をしていましたので、
「スポーツで地域を元気に」というコンセプトで特集を企画して、その中でとりあげ、
記事を書きました。なつかしいなあ。



2012年(vol.9  春)のことです。うわー、10年も前!!!
奈良クラブ1

奈良クラブ2

サッカーといえば、ワールドカップとオリンピックしか見なかったわたしが
矢部次郎さん(奈良クラブの創設者・近年まで定期購読してくださっていました)と出会うことによって、 
地域リーグって何?から始まり毎週試合に足を運んでは
夢中になって応援していました。楽しかった。

サッカー地域リーグの地域わけ

サッカー地域リーグの地域分け

(画像はウィキペディアより)



「地域」に根ざそうとするスポーツチームが勝ったり負けたりすることで
日常に大きな刺激を与えてくれるんだとわかりました。

部員さんが NPO法人奈良クラブ時代に理事をしていた時期があり
まだ予算の少なかったクラブのHPをお手伝いしていたこともありました。
あれからいろいろあったことも、今となれば思い出かな。



一番の感動は、地域決勝といわれるJFL昇格をかけた戦いでした。
上記の地図の中のピンク色が当時奈良クラブがいたカテゴリー。
ここで優勝するのが大変で、その先に、全国のそれぞれの地域代表と戦うのが、これまた大変で。
(大変なのはチームですけど) 
Jリーグに行くために避けては通れない大きなターニングポイントの現場にいたこと。
活動の中で、今でも親しくさせていただけるような出会いを授かったこと。 

あの感動の拡大バージョンを、会場にいたみなさんは味わっていらっしゃったことでしょう。

わたしは、畑をしたり打ち合わせをしたりの1日でしたが、
IMG_8391
畑から連れて帰ってきたミント(増えすぎないように注意しなくちゃ)


ネットで結果を見て、少なくとも集客条件をクリアできたことを知って
「よかったねー。おめでとう」と心でつぶやきました。
試合結果は引き分けだったそうですが、負けなかった(勝ち点を得た)のは大きいし、
観客動員数が課題だったこの時点でキングカズが所属するチームとの対戦だったということも
奈良クラブに女神が微笑んだということですよね。


わたしはわたしの、地域リーグを今戦っています。
戦う相手は常に自分でしかありませんが(笑)
( → 外の敵とは戦いたくないタイプ)
 


夢を叶えられる人ばかりではありません。
それでも、夢を叶えることに価値があるのは、
夢を掲げて進むプロセスが楽しい(=苦しいも含めて)から。
そして
叶えられなかったドラマを内側にたくさん、たくさん含んでいるから。


夢を叶えることができた選ばれし人たちは、
そのドラマを背負ってますます、輝いていってほしいなあと思います。







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さとび読者メンバー(定期購読の方)、そしてサポーター様へ

いつもさとびをご愛読くださり、ありがとうございます。
あっという間に10月も後半にさしかかり、年末が気になる頃になりました。
毎号、さとびをお届けする際に、有効期限を迎えた方に
個別にご案内を同封してまいりましたが、「有効期限はいつまで?」ということが
おわかりになりにくいところがございました。

そこで、 

来年からルールを変更することにいたしましたので
お知らせします。

更新を毎年1月とします。

読者メンバー 2500円(送料込み)複数年OK
サポーター 5000円(送料込み)複数年OK



【今まで】

お申し込みいただいた号から1年間

【これから】

お申し込みしていただいた年の1月から1年間
(1月発行の冬号にさかのぼってのご登録となります=ご登録時までに既刊の号をお送りし、以後は最新号の発刊の都度お届けします)

あるいは、年度中はお好みの号を個別にお求めくださり(送料は別途となりますが)、2024年からの定期購読をお申し込みくださいませ。2024年度のお申し込みは、2023年秋より受付開始させていただきます。

更新がわずらわしい方へ。複数年分の更新も受け付けております。その際は、
読者として何年分 または サポーターとして何年分 ということを
必ずご連絡くださいませ。

例えば、5000円のご入金があった場合、 読者として2年分???、サポーターとして1年分???、
というふうに、編集部が混乱いたします。ぜひ、メールでお知らせください。

info★office-l-ink.com (★を@に変えてご送信ください)


すでに、2023年途中まで有効の方へ

2023年につきましては、同年秋号までの更新料として減額してご請求させていただきます。旧有効期限をお迎えの際に、お一人お一人ご案内をいたします。
2024年からもぜひ更新していただけますようお願い申し上げます。 

また、おわかりになりにくい点などがありましたら、同様にメールにてお問い合わせください。
留守のため電話には出られないことがございますが、メールは毎日チェックしております。

 

さとびごころは、2023年から6年目が始まります。来年の企画についても、水面下で準備をしております。年を重ねるごとに何かいい変化をしていけるよう、常にアンテナをはって学び取材し企画してまいります。どうぞ宜しくお願いいたします。

 


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毎月1回、王寺町畠田のKuberu2階で行われている陽楽講座。
正しくは、「陽楽の森から考える 新常態の輪郭」ですが、このブログでは陽楽講座と呼んでおります。

陽楽の森プロジェクトについてはこちら
https://toyouraku.com

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左はコーディネーターの家中教授、マイクを持って挨拶中の主催団体代表の谷茂則さん。
谷さんは、いつも「十四代目林業家ドタバタイノベーション奮闘記」を連載してくださっている、あの谷さんです。


5回目となる10月15日の講師は環境土木研究家で実践者の高田宏臣さん。
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この講座の企画段階から楽しみにしていました。
さとびつながりの人たちにも会場でたくさん出会いました。
「風は奈良から」のゲストにお招きした大地の再生インストラクター・西尾さんもご参加。
西尾さんは高田さんのワークショップにも参加されていて、すでにお知り合いの様子。
わたくしが、高田さんへのごあいさつに「さとびごころ」をお渡しすると
「これ、めっちゃいい雑誌なんすよー」(聞こえました?)と、口添えしてくださったんですよ。
西尾さん、ありがとう! 

2011年ごろから、インターネットで見つけた高田さんの考えや取り組みついての記事を読み、
自然に近い土木をなさる方だなあと気になっていました。
やがて、西尾さんから大地の再生というものがあるとお聞きして、理解していくと、二つが似ているなあと感じるようになっていったわたくし。
のちに、高田さんも大地の再生を普及されている矢野さんから学ばれたことを知って納得でした。

環境は目に見えている部分だけでなく、地下水や空気の循環を含めた土中環境によって
山や森や川や道や家にいたるまで、あらゆる環境が生き生きとしてくること。
近代の土木技術はそこを考えずに環境負荷を与えすぎてしまうこと。
環境を痛めずに人間にとっても暮らしやすい状態を作る技術体系と知見を先人はすでに持っていたが、今は忘れられている。もういちど、そこから学び現代に取り戻すことで、水の濁り、生きものの数、地滑り、ナラ枯れ、植生の矮小化などが改善されていく。 

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高田さんが実践されている環境土木と
現代の事業的土木を比較してみてください。

環境土木の可能性の大きさを想像してみてください。
こんな土木が奈良県のいたるところに広まったら、どんなに素晴らしいでしょう。

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「自然にも人にも」を考えるさとびごころにとっては、まさに共感できることでした。これまで取り上げてきた「自然に近い森づくり」「壊れない道づくり」「自然栽培」「菌ちゃん農法」などと重なるものを感じます。自然本来の力を活かすには、自然を知ること、知るためには近づくことだと、やっぱり思います。逆にいえば、離れてしまったことにも気づかないくらい、それが当たり前になっているともいえます。高田さんは研究と実践の中から、次々と先人(2000年前からの)の技術体系や知見を示してくださいました。
本誌でもご紹介できないか、検討中です。

大地の再生の西尾さんに続くような人が奈良からたくさん生まれてほしい。 
そのためには、まずこんな技術があること、効果の出ている事例もたくさんあることを知ってほしい。
(伝えなくちゃいけないってことかな)
理解する人が増えれば、発注する人、取り入れる人が出てくるのではと思います。

(と思っていたら、西尾さんのワークショップが11月に吉野であるみたいですね)
 


興味のある方は、高田さんの著書『土中環境』や『よくわかる土中環境』をお読みになってみませんか。

最近発売になった著書(『よくわかる土中環境』)を会場で購入し、記念にサインもいただきました。
IMG_8322
会場に来られた多くの方が購入されていました。
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本を覗き込んでいらっしゃるのは、伊藤立平さんです(特集「自然にも人にもやさしい家」で執筆くださいました)。


前日に陽楽の森内を視察され、講演の中で「これは全国的にとてもよくある事例。荒れているけれど、変わっていける」というお話もありました。
高田さんのご指摘によると、陽楽の森は、古墳に似ているとのこと。弥生時代には、低地は水害が多くて住みにくく、高台の麓に集落ができて、その近くを田んぼにしていったとのことです。山に溜池があるのは、今でいうダムのような目的ではなく、ここに湧水を導くことで山の水の動きをつけ、森全体、田んぼ全体の生命力を作っていました。高台の周辺の地下には、まわりの山からの伏流水があり、掘れば水が湧いてきました。田んぼの溜池を作るために土を掘って盛ったものが古墳。決してただ墓作りのために奴隷のように働かさせたのではなく、田んぼを作り豊かな地域を作るために、みんなが合意して協力した結果だったとのことです。天皇の墓、と認識されがちな古墳ですが、稲作の土木技術(富山和子さんの『お米は生きている』にも出てきますね)、環境を調整する知見のたまものという側面があったようです。

高田さんの説明を聞くと、グーグルマップで陽楽の森を見るだけでさまざまなことがわかるものだと気付かされました。

今後は、もしかしたらこの現場でワークショップが開催される日がくるかもしれません。
王寺に再び高田さんが?
そのときは、きっとご案内すると思いますので、本で読んだことをリアルに感じていただけますよう、ぜひご参加ください。

それとですね、このプロジェクトから生まれたフリーペーパー「陽楽の森通信」があります。
都市に取り残された元里山を開かれた場所へと変化させていく陽楽の森プロジェクトについて、周辺のみなさまに動きをお伝えするもので、編集にわたくしあなんが関わっておりまして、次号では記事も書いていますので、よかったらお読みください。次号は11月20日ごろの発行です。


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