さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

2022年05月

現在のあなんは、何年も何年もかけてだんだんこのように出来上がってきました。
炭に注目したのは、例によって、もっとずっと若い頃。。。お客さまから炭の販売促進について相談を受けたことがきっかけ。その方は、炭をアピールするために、あらゆる効果を説明してくれました。雑誌づくりができるなどとは、思っていなかった時代です。

炭

 

マンションの湿気に悩んだ昔の話

さまざまな炭の効果のひとつに調湿作用があります。
わたしの家の寝室は、南北に長い形をしたマンションによくあるように、一番北側(玄関ドアのすぐ近く)にあります。
室内気候というものがあり、南向きの部屋で暖まった空気が、北へ流れたとき、温度差があると結露して湿気に変わる。南側のリビングで過ごすことが多く、冬は、ぽかぽか暖房した南と夜まで人のない北の温度差はさらに大きくなります。あきらかに、北側の寝室はいつも湿気が多く、得にベッドを置いている隅のほうに集中し、ひどい時にはふとんが湿気で重く感じられる状態でした。クローゼットの服もカビてしまいます。

新築のマンションは、10年間、コンクリートの水分を吐き出し続けるそうです。それもあって、購入した頃はクローゼットには何も収納できない状態でした。湿気とりがいくつあっても足りないのです。
それがおさまったと頃になっても、北側の部屋の湿気は続いていました。室内気候の影響もあると思います。
 

「体に良いわけない。これはどうにかしないと」
 

そこで、試してみたのが竹炭。夫の知り合いの方が、竹林整備のために竹炭をお作りになっていると聞き、わけてもらいました。それを箱に入れて、ベッドの下の隙間に並べました。

それだけが原因だったのか。断定はできませんが、体感として過ごしやすくなり、ふとんがずっしりすることはなくなりました。
(その後、窓枠の結露のほうは、エアコンを買い替えたこともあって水をかけたかのようにびしょ濡れにならず、普通に結露する程度。ある程度は仕方ないと思っています)

エアコンばかりに頼るよりも、炭を置くことで改善できたのではと思っています。

通気性の悪い家の湿気に悩む知人

そんな話を知人に話したことがあるんです。その方の家も、周囲を建物に囲まれて通気性が悪いせいか、大変な湿気に悩まされていたそうです。
内装全体を珪藻土などでリフォームすると、きっと、かなり違うと思われましたが、すぐに取り掛かれる話でもなく。そこで、炭を置いた話をしてみたのです。再び出会った時、その話を聞いて実行されたとのこと。どれくらいの量を、どのように置かれたのかまでは聞けませんでしたが、衝撃の言葉がありました。

「湿度計を置いているんですけど、いつもは80%くらいだったのに、今は60%になっているんです。ありがとう!」

いやいや、実行されたあなたがすごい。わたしもびっくり。うちの場合は、湿度計で測ったりしていませんでしたので、本当に効果があるんだと嬉しくなりました。知人の家族の方からは、「なぜかこの頃、家のあちこちに炭が置いてあるのが変だなと思っていた」とか、「家に入ったときの感じが、なんだか違うと感じていた」というコメントもありました。よかった、よかった。
調湿効果を感じるほどの炭の量は、わたしの経験では、チョロッと置くくらいではおまじないにしかならないということ。おすすめとしては、スペースが許す限りまとまった量を通気性のある箱(見えない場所であれば段ボールとか)やカゴに入れて、じゃんじゃん置くこと。ちょうどわたしが、ベッド下のスペースに敷き詰めたように。

同じような考えで家を建築する際に、基礎工事として炭を埋め込む工務店もあります。酒蔵さんでは、蔵の床下に炭を埋め込んだ結果、微生物が元気になりお酒がおいしくなったという例もあります。炭の力は、あなどれないですよね。

自然の作用を活用すると、費用が安くすむのも魅力です。エアコンで人工的に気温や湿度をコントロールすることはできますが、電気代がかかり続けるわけじゃないですか。わざわざ人工的な空間を作って、人工的にコントロールして一生お金がかかるよりも、自然の作用について知識や情報を集め、マンション暮らしであってもなくても、できることから実行していけば、お財布にもやさしく、体にもやさしい未来が???見えますよね(笑 

秋号では炭について取り上げます(秋号の宣伝がしたかったわけではなかったのですけどー)。このほかにも、まだまだ炭に関する注目ポイントをストックしています。果たしてわかりやすく編集できるか、秋号でチャレンジしていきますね。

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上記の記事でご案内していた、ホテル尾花さん(さとびお取り扱いスポット)での上映会。

2回上映から3回上映に増えました。

13時からの枠が追加されています。
まだまだお席がございますので、この機会に「大地を再生」する方法があること、実際に取り組んでいるひとがいることを知っていただけたらと。

ご案内はこちら↓↓↓↓ これに13時が加わります。


日時 2022年6月18日(土)
   15時からと17時からの2回上映。(あなんは17時に参加します)
 
場所 ホテル尾花(https://obana.nara.jp)猿沢の池のすぐ近く。ならまちセンターの目の前。

料金 おとな1500円・中学生以下無料(当日お支払い)

定員 各回30人まで


お問い合わせ 09088284089または superkazutaka@gmail.com
  

主催の西尾くん(さとびごころ連載「大地を再生しよう」筆者)からのメッセージ。
 
「今の土木行政では、山が荒廃し、川が荒廃し、海が荒廃していく」。
 
これからは、その逆、山や川や海や、そして人の健康や思いやりのある心までもを再生していく時代です。
 

大地の再生ドキュメンタリー映画 杜人 
奈良市で上映会開催します!
上映館でのロードショーは、想像以上の大ヒット!
 
大地の再生関係者でなくても、心に響くものがあったのだと思います。
僕自身も自然栽培での農作業から、スイッチが切り替わったように環境再生の仕事にのめり込んでいます。
 
実際に今の土木行政では、山が荒廃し、川が荒廃し、海が荒廃していく。森は海の恋人ですからね。大地の再生施工していく場所を増やしていくと、山が元気に!川も元気に!海も元気に!

 
こういった状況には、公共事業として取り組む必要があります。この事を一緒に思い描く人が、一人でも多くなると現実化が早くなります。
 
僕たちで一緒に森を育てていく仲間の輪、上映会を通して広げていきたいと企画しました。
大地の再生がなんなのか、うまく言葉にしにくい所があります。この点について、映画ではうまく表現出来ています。
この機会にぜひご覧ください。
30年前、わたくしも川を再生する河川工法の技術があることを知ってから、あまり実例が増えないことを見て、公共工事の壁が高くて厚いと感じてきました。世の中を見る限りなかなか変化がないように見えても、こんなふうに再生をテーマにした映画がヒットするということは、「一緒に思い描く人」が増えてきているのでしょうか。

西尾くんたちは技術をもって施工する立場です。でもそれだけでは実現しません。工事を発注する個人や公共団体、自治体、それを望む住民がいないと。少しでも興味を感じたら、チケット代もお手頃ですし、便利な場所ですし、予約してみませんか。



関連情報として。。。

 
西尾くんも連載の中で触れていた高田宏臣さん(『土中環境』筆者・地球守代表)が奈良(王寺町)で講演される情報もありますので、環境の再生に関心のある方とともにご一緒できれば嬉しいです。

下記のチラシ内、10月をご覧ください。
youraku_ura

詳細とお申し込みは、主催者さんのウェブからどうぞ。



 
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前回の記事に引き続き、高知県香南市のしあわせみかん山へ行ってきた件を
もう少し書きます。

高知県香南市は、ここ。
みかん山地図
地図で見ると、海に近い場所ですが、現地では里山の中にありました。

しあわせみかん山と名付けられたその場所について、もう少し説明しますね。
1964年に先代の所有者が雑木林を造成し、2haの段々畑に3000本の温習みかんを栽培していました。
しかし2007年に後継者不足で周囲にSOS。2011年に東京出身で農業も林業も未経験、自然が大好き、田舎が大好きな女性が継承し、無農薬栽培でみかんを作ることにしました。これが「しあわせみかん山」活動の始まり。詳しくはこちらにあります。

わたしが参加申し込みをしたときに連絡先となっていたのは、この女性でチームのリーダー、岩間由奈さんです。東京では放送関係の専門学校で学んだそうで、情報の整理も、受け答えも、さすがに明瞭です。



現在のしあわせみかん山は、 2018年からスタートした10年ビジョンの実現にむけて、これまでに、植物調査、いきもの調査、自分でなおせる道づくりなどが行われ、再生計画に基づく活動をされています。今回の土の学校もその一環です。

朝から小雨が降っており、戸外での活動は難しいかも、と思いながら到着しました。街から離れた山間の道路から、歩いて登ったところに作業小屋。その上がみかん山のようです。
少し肌寒くもありましたが、小屋で火を焚いてもらえてほっとしました。みかん山_6857

最初に自己紹介。田村さんや、リーダーの岩間さん、チームのデザイナーの方、長老格の歴史調査担当のおじいちゃん(80代とのこと。元気!)など、すぐに打ちとけました。

黒板の中には、わたしたちの名前も。
嬉しいですね、迎えてもらえたような気持ちになります。 
みかん山_6840


最初にみかん山のことを説明していただきましたので、およその事情が呑み込めました。
HPやチラシをチェックしてから参加しているのですが、現地に来てみると脳のチャンネルが変わってしまうので、あらためて説明してもらうことがとても大切だということがわかります。



みかん山_6842

みかん山_6843

みかん山_6841

上記の写真に、「見試し」という言葉がありますね。その中に「小さくやってみる」という言葉があります。
これは近自然森づくりにも出てくる考え方で、わたくしあなんも共感しているものです。
何かを変えるとき、今あるものを一網打尽にして全く変えてしまうのではなく、小さくやってみて検証しながらより良く変えていく。わたしはこれを「シフト」と呼んでおります。それが自然にとってもダメージが少ないですし、人間も自然に学びながら変化を起こしていけると思うんですよね。

画像に戻りまーす。
 

みかん山_6844

みかん山_6846


自己紹介の画像の中で、黒板に書いてありましたように、みかん山には幼木園と成木園があります。
幼稚園と言い間違えそうになりますけどね。でも実際に幼い苗を育成し(苗の幼稚園のよう)、成木園に移植する方法をとっているそうです。

このあと、現地ツアー。気がかりだった雨はやみ、時折太陽が顔をのぞかせる天気に変わりました。

小屋の前にも畑があります。これは、土の学校が始まる前に育てていた生育に苦労していた苗を、田村さんの指導のもと、元気な苗に変化させているところのようでした。わたしも取り入れてみたいソルゴーが緑肥として?土を植物で耕すため?植えられています。
(ソルゴーは、2メートル以上にもなる稲科の植物。)
みかん山_6849

ツアーしながら、「幼木園」と「成木園」の概念がだんだんとわかってきましたが、最初は連れていかれれるがままについていく感じでした(笑)

ただ、みかんの栽培というものだけを見るのではなく、みかん山という環境全体を見て計画していく、というスタンスはさすがの「自然により近づく農空間」だと、そこは明確に伝わってきました。

白いシャツの部員くん。
Gパンの田村さん。

みかん山_6851

下の写真は、苗木畑。ライ麦が混植してあります。

なぜライ麦?と田村さんに聞いてみると(薄々予想はしつつ確認のため)

ライ麦は深く根を張る植物なので、土を耕してくれるそうです。できあがったライ麦でパンを焼くのだとか。
食べたいです!(またか)

そして、茎や葉っぱの部分は大切な草マルチになるのですね。 

みかん山_6853

下の写真は、苗の足元にある草マルチをどけたところ。細く白い根が70センチ近く苗の外側に伸びています。

みかん山_6854

自然の力を活かして栽培するには、地上部の前に根っこ。
ここまでしっかりと根を張ることで、将来元気なみかんの木に育つことができる。
根っこの伸び方を見て、方法の正しさを確認できたようで田村さんも少しハイテンション。

みかん山_6855 2

このことは、果樹だけでなく野菜の栽培にも通じます。
草マルチの下で、土の微生物の活動も活発に行われていることでしょう。


また、田村さんおすすめの天然素材のマグネシウム(たしか硫酸マグネシウム)を成分とした農業資材のことが印象に残りました。お豆腐を作るときに使う「にがり」もマグネシウム。現代人に不足しているミネラルです。これが光合成にとって重要な役割を果たすといいます。
葉緑素がいくらあっても、マグネシウムが不足すると光合成ができないそうです。田村さんが用意してくれていたマグネシウムは、不揃いな形の結晶で、水に簡単に溶けます。それを3日に1度程度葉にスプレーすることで健康な緑色を取り戻すとのことでした。ただし、専門家の田村さんの目利きがないと、どんなときに使うべきかはわかりにくいですね。葉の色が悪いとき、光合成が不足していると考えられるときに使うそうです。


そして、耳寄りな余談も!
田村さんのお知り合いで強烈な肩こりに悩んでいる人に、このマグネシウムをお風呂に入れて使ったら?と勧めたところ、翌日嘘のように治ったそうですよ。これは不思議なことではなくて、体の中には電気が流れているので水溶性であるマグネシウムが皮膚から吸収され体内のバランスを整えると考えられます。温泉の効果もこれですね。

わたくしもマグネシウムを摂ることで、さまざまな体調不良が改善する情報を得てからは、にがり(こちらは塩化マグネシウム)を常備しており、花粉症的な症状やかゆみなどにいいという体感があるため、今や、マグネシウム推しでございます。
マグちゃんで知られる金属とは違い、結晶の粒です。

昔の野菜にはミネラルがちゃんと含まれていました。現代人がミネラル不足になるのは、野菜の栄養分が変化してきていることも関係があると考えられます。
やはり、安心安全で栄養価の高い食べ物は自分で作ることができるよう、畑活スキルを持っておくのがいいのではと思います。


生活の知恵的な、マグネシウムのお話はここまで。






お昼は、直火とお釜で炊いたごはんで、岩間さんお手製のカレーをいただきました。
お釜でごはん
長老の火おこしはお手のもの。お釜で炊くと早くておいしいと聞きすが、確かに!!

岩間さんいわく、カレーは重ね調理で作ったそうです。鍋の中にきのこや玉ねぎなどの水分の多いものから順に重ねて、上のほうにニンジンなどの根菜類をおき、ゆっくり弱火で調理。最後にカレールーを足して出来上がりとのこと。お鍋をセットして、事務的な仕事をしながら作れるんだとか。これは使える!

午後は、農空間のデザインの仕方について講義がありました。
課題解決型の、デジタル処理を用いた方法。
わたしはよく理解できなかったのですが、同席していた部員くんはツボにはまったようで、食いついていました!!(卒業論文で調査した方法に通じるものがあるそうです)

みかん山ではこれまで、木村秋則さんなど有名な方をはじめ、いろんな方に相談にのっていただきながらも、あまりうまくいかなかったそうです。
これさえやればOKという方法は、どこにもないのだと思います。ここでうまくいかなかった方法も、別のどこかでは大きな成果があがっているかもしれません。大切なことは、学びながら実践しながらというスタンス。そして仲間ができて、初めて前に進んでいく。
ここは、「自然により近づく農空間」に理解と情熱を持つ人たちのつながりが、動かしているのではないかなあと感じました。

最後に、テーマとは関係ないですが、この土の学校のプロジェクトも、この日1日のワークショップの進め方も、きちんとテーマを持って運営されていて、「わたしだったらこんなふうに出来ないなあ」と思うような有意義な進行でした。さとびは、ワークショップ活動はまだまだこれからですが、いつか、こんなふうに有意義な1日を作れるようになりたいと感じた1日でもありました。

お世話になりました田村さん、みかん山のみなさん、ありがとうございました。
またいつか、みかんの木に会いにいきたいと思います。 
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フォレスターアカデミーでの仕事が終わった翌々日、午前4時に出発して高知県へ向かいました。

香南市のしあわせみかん山で行われる土の学校へ参加するためです。
講師は、『自然により近づく農空間』 の著者で、土壌医でもある田村雄一さん(合同会社TAMファーム代表)。
わたしが30年前に出会って以来、自分の成分になっている「近自然」の考え方を農空間で実践されている方です。

しあわせみかん山


近自然河川工法を全国に普及されていた福留修文氏(故人)のもとで働いていらっしゃった経験があり、その後佐川町のご実家の農業を継承して畜産と野菜栽培を複合的にされています(ちなみに佐川町は植物学者牧野富太郎の出身地。高知市内には植物園もあります)。

運転手を買って出てくれた部員くん(藤井健太くん)の記事がこちら。次号の夏号では、もう少し詳しく体験記を書いてくれる予定です。部員くんには、田村さんの本を課題図書?的に読んでもらっていました。わたしより、しっかり読んでくれていたみたいでした(笑)

しあわせみかん山


高知県香南市の「しあわせみかん山」へ行ってきました!
車で日帰り、片道320km!(笑)
生態系ピラミッド(とりわけ土壌環境)を意識した、
環境調査に基づく農空間づくり。
現地で触れることができ、勉強になりました。
「自然により近づく農空間づくり」著者の田村雄一先生にもお会いできました。
本で読んだころから気になっていたので、
GISを使ってみかん栽培に最適な農空間を『デザインする』ワークでは、テンション爆上がりでした
(笑)
移動中も含めて、自分のやりたいことへの考えを深められて、有意義な時間でした!

私事ですが、福留先生のおっかけか?というほど、「近自然」なるものをもっと知りたくて夢中になっていた時期がありました。それは、河川改修の方法にとどまらず、環境と文明の調和にとって不可欠な考え方だと思っていました。その後、近自然森づくりなるものがあることを、わたしは佐藤浩行さんとの出会いによって知ることになります。さらに福留先生の弟子にあたる有川さんという方がいらっしゃり、下北山村で魚道の改修の設計を担当されることを知ったわたしは、高知に飛んで行き(有川さんの研究所も香南市にあるんですよ!)、さとびでの執筆をお願いしました(バックナンバー見てくださーい)。そして、今回、とうとう農空間の実践者に出会うことになりました。

川、森、農、そして暮らしへ、地域へと、近自然(いつもいう通り名前はどうでもいいのです、自然と調和する実践を支える考え方として)がつながってゆくことへの夢が、わたしを動かし、さとびを作らせています。

それは、「自然か人か」ではなくて、「自然も人も」。
両立の考え方。調和の考え方です。
考え方を現実に反映させるには知識やノウハウが必要。
わたしはこれがまだまだ足りていないと感じています。
一部の人たちに留まっている印象があるのです。
一部から、少しでもその周りへと広がるために、自然に近い未来には希望や喜びがたくさんあることを伝えていきたいと考えています。 縄文に立ち返るのも、そのためです。

ですけど、30年前とちがって時代は変わりましたね。ある意味、危機が顕在化したぶんだけ、自然の大切さが認識されつつあります。今が頑張り時だと思います。

 

田村さんは、



「農空間というのは、環境から農を考えるということです。土壌や根っこ、風、水、光、目に見えていない部分を考えること。普通は作物だけに注目しますよね。そうじゃなくて、環境を整えてやれば作物は育つということなんです」

 

とおっしゃっていました。わたしは内心で手を叩きながら聞きました。

部員くんも、長時間の運転の甲斐があったようで、ほっとしています。
(「部員くん」=藤井健太くん、部員さん=阿南雅昭さんを指すことにしました)

セミナーの現場となったしあわせみかん山も、大変面白いところで、衝撃的(わたしだけのですが)だったことに、なんと代表の岩間由奈さんのご主人がまさに、西日本科学研究所(福留先生が設立された会社)の社員さんであり、このみかん山プロジェクトにも同研究所の元社員さんたちが仲間として関わっておられるとのこと。おまけに、田村さんと、自伐型林業の推進者である中嶋建造(NPO法人自伐型林業推進協会代表)
さんはお知り合いで、「よくうちに来て愚痴ってたなあ」って。
ここって、近自然みかん山??? 

IMG_6867



しあわせみかん山のその後を見るためにも、また香南市に行かなくちゃ。ああ、交通費が嵩みます。
でも、生きている間に行けるところには行きたいあなんです。編集活動の肥やしといたします。

みかん山で見たシーンについては、次の投稿で書きますね。日々の畑活にとっても大いに参考になりました。





 

 
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2022年、5月18日から19日にわたり、奈良県フォレスターアカデミーにて
「広報の理論と実践」なるテーマのもと、講師役を仰せつかりまして、あなんが行ってまいりました!

フォレスターたる人は、森林の重要性と価値について広く知ってもらう必要がある。そのために広報の手法について学ぶ。

というものです。

最初は、講師として適任な方が他にもいらっしゃるのではという恐れ多さでいっぱいでした。
けれど、選んでいただいたことを受け止め、少しでも貢献できるようにというただそれだけに集中して、取り組みました。

校長の藤平さんが「さとびの取材や編集において、心がけていることや体験談などをざっくばらんに」話してくれたらとおっしゃってくださっていましたので、とにかく等身大で、体当たりでした。
 

さとびをご存知の方がたくさん、ほかの講師のみなさんの中にもさとびで執筆くださる方がたくさんあり、慣れないお役目でしたが始まってしまうとお陰さまで楽しく?精一杯取り組みました。(ヘロヘロになりつつも)

講義の中では「取材して書くという」実習にもチャレンジしました。プロライター出身の方も2名含まれていますので、この実習をするのは、わたしにとってもチャレンジ。

「書くのは苦手です」と言っていた方も含めて、みなさんがいかに「書ける人」か、よくわかりました。
この体験を、将来情報発信をする必要があるときに、思い出して欲しいと思います。

お一人お一人にドラマやエピソードがあるのが感じられ、できることなら全員にインタビューしてみたい気持ちになりながら、「講義中にそれはあかんやろ」と自制していました(笑)

もっと、さとびの体験談を話せばよかっただろうか?などなど反省点も湧いてきていますが、有能なみなさんの力を信じて、今後は応援する側にまわります。 

2日間のミッションを終えたら、学生さんの中にお友達ができて、嬉しくなって思い出に撮影したのがこれです。

奈良県フォレスターアカデミーにて



フォレスターの卵のみなさんは、想像通りといいますが想像以上にといいますか、賢くて、熱意があって、素直で、素晴らしい若者たちでした。

17人の学生さんのうち、来年の春、7人が公務員として巣立って行きます。どこかの町や村で、アカデミー卒のフォレスターたちが、誰も歩いたことのない道を歩み始める。

奈良県フォレスターアカデミー。持続可能な森づくりをテーマに専門家を育成する機関としては全国初と聞いています。
特集「いつまでも豊かな森」(vol.47)の中でさとびライターでもある佐藤浩行さんは、近自然森づくりの考え方を伝え続ける活動をしてきた中で、広域行政で教育を担う動きにつながらないかと期待されていました。学校の設立にも陰ながら尽力された方でもあります。
このアカデミーの設立を検討が始まったときは、胸が高鳴ったといいます。

けれど、あたらしい試みにはいつも何か課題や問題がつきまとうものですから、一期生が赴任したり就職してからが本当に問われることでしょう。実務においては経験豊富な方がたくさんいらっしゃる中、ニューカマーのフォレスターとしてどんな役割を全うしていけるか。誰も歩いたことのない道をつける人たちを思い、わたしも、いつまでも繋がりを大切にして、心のエールを送り続けたいと思います。

で、とりあえず飲みましょうという話になりました(笑)



アカデミー様には貴重な機会をいただきまして、感謝しています。ありがとうございました。 
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