
『わがや電力』がわが家に
先日の記事でご紹介したテンダーさんの著書『わがや電力 12歳からとりかかる太陽光発電の入門書(やわらかめ)』を取り寄せました。ヨホホ研究所さんからに直接購入を申し込むようになっています。そこだけはさとびに似ていますが、発行部数がとんでもなくて12000部とのことで、すさまじい収入になっているみたいです(あ、話がそれてしまう)。電力の自給に興味のある方には、ぜひともおすすめしたい一冊です。
電力の自給については、311ショックを機に激しく興味を持ちました(メガソーラーは本末転倒だと考えております)。いつかは実現したいと妄想しながら、自宅マンションの規定で「ベランダにソーラーパネルの設置が禁止」されているため、「そのうちそのうち…」と後手後手になっていたところ、「12歳からとりかかる」ですとか(やわらかめ)というタイトルに導かれ、理科が不得意であったわたしにも読めるかもしれない…と思い、「まずは基礎知識だけでも得ておこう」と購入。やはり、こんなご縁ができたということは、そうしなさいというメッセージであると受け止めました。
さて、ページを開くと…。ソーラーパネル、バッテリーなどの言葉はさすがに理解していますが、「チャージコントローラー」や「シガーソケット」、「インバーター」などの意味、そしてあらためて「ボルト(電圧)」、「アンペア(電流)」、「ワット(電力)」、「直流」、「交流」という日常用語でありながら、実はすぐに???(わたしだけだと思います。みなさんは大丈夫だと思います)となってしまう数字の関係、いよいよ実装!という手順、どれもひとつずつ、12歳の読者の立場にたってわかりやすく、順を追って説明してありました。
わがや電力づくりなら、免許が不要であることも初めて知り、電力のことは専門の技師さんでなければダメ!という先入観から解放されました。
テンダーさんとは、どんな人?低支出、低収入、低負荷で暮らす人
この本を方ぼくは…と、著者自身による紹介によりますと(本の初版は2015年)、
鹿児島県の山奥で、電気・水道・ガスを契約せずに、年間の家賃は1万円の「てー庵」という家に住んでいる。低支出、低収入、低負荷の家、という意味だ。てー庵では、調理も暖房も薪から、風呂のお湯は太陽熱、水は山水を引いて使っている。
パソコンを使い、ウェブや執筆、デザインの仕事をしたり、無人島でキャンプをして、サバイバル技術や先住民技術を教えている。と、あります。今となっては、「低収入」かどうかは謎ですが、低負荷の暮らしをされていることはまちがいないと思います。そして、ダイナミックラボを運営することで、そんなあり方を広めようとしておられるのですね。
都市や町で暮らしていても低負荷にできる
山奥で山水を引いて(かつてテレビの密着ルポで見たのですが、たしかに自分で引いておられました)というところが、たまらなくうらやましいですが、これは都市や町ではできることではありません。けれども、低負荷のアイデアはいくらでも見つかりそうです。
テンダーさんは、熱利用ならまずは電気よりガスのほうがロスが少ないことを指摘しています(ご自身は薪)。とてもわかりやすいので、転載させてください。
元々の燃料が持っているエネルギーを、火力発電所は35%から45%、原子力発電所は33%しか電気に変換できない。半分以上のエネルギーは捨ててしまう上に、できた電気をもう一度熱に変えるとき、さらにロスが出る。かたやガスは、元々のガスの持っているエネルギーの80%以上を熱に変えることができる。
それなのに、電気ストーブ?ホットカーペット?電気ポット?どうしても電気でなくても生活できそうなものにまで電気を使っていないでしょうか。
できることは何でしょう。今すでに与えられた条件の中で、もっとよくする余地というのはいつでも、あるんだと思うんですよ。電気そのものを、節電したり。
山水を引くことはできなくても、毎日使う水を節水したり。
方向性として「低負荷」であるなら、人それぞれ立ち位置が違っていても、現在の位置で可能なことをとにかくやっちゃえば、全体として必ずシフトするはずです。
テンダーさんのマインドに触発されてみる、という意味でも、さしせまって電力自給したい人に限らず、一家に一冊、あったらいい本ですよ。わが家でも、音響マンでもある部員さんに(音響の結線ができるならわがや電力もつなげるんじゃないかと)わがや電力を作ってほしいなあ(手伝うから)。
いつか鹿児島のデンターさんに会いに行こうと思います。もしかしたら、奈良に来ていただけるチャンスがないとも限りません。そのときは、ぜひ、ぜひ、さとびマインドな方々にご参加いただけたらと願っています。