さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

2021年06月

次号は46号。夏号です。
いつもより、進捗が遅れ気味で、、、やや焦っています。
未だに取材中のものもございます。
未だに入稿していない人もいます。
間に合うのでしょうか。

(いいことか、悪いことか、もし遅れても
いつものことだと思われてしまうかもしれませんが、、、)

頑張ります。あともうひと頑張り。
(仕事も頑張ります)


更新を忘れているのではございません。
下書きだけなら3本も!書きかけ中なんですけど、
書き上げるのには、時間が必要です。

(けっこう時間を使って書いたりしてるんですよ)

(誰が読んでくださっているのかわからないのに)


明日はきっと、更新できると思います。
今日は5分でアップします(笑)。
  
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梅雨ですが、それほどじっとりしていないように感じます。
過ごしやすいです。もうすぐ、猛暑がやってくるんですね。
梅雨の晴れ間のある日、上北山村へ出かけ、漁業組合長の中崎さんとお会いしてきました。

昨年から部員が鮎釣りを始めましたので、弟子入りです。

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山の神様にごあいさつ。
よろしくお願いします。

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鮎は、縄張りに入ってくる鮎をやっつける習性がありますので、それを使って釣ります。
餌ではなく、友鮎をゲット。中崎さんが分けてくださいました。水槽の中に、飼っていらっしゃるのです。水槽内には、山から引いた水が循環しています。

案内していただいた川の美しさといったら。

これより上にダムも民家もない清流。川の水が飲めるほどです。
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河岸に大きな欅。昔の人が植えたそうです。

「欅は横に枝を伸ばすでしょう。その枝の範囲と同じくらい広く根も伸ばす。
その根で河岸を守ったんだね」(中崎さん)
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わたしが川に見とれながら、本を読んだりぼーっとしている間に
師匠の中崎さんは30匹以上、弟子の部員は、せいぜい11匹、鮎がつれました。
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師匠から10匹近くおすそ分けしてもらい、
家に帰った時には、あたかもたくさん釣れたような風景が。

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釣りたての鮎は、臭みもなく、旨味があり、とても美味しいです。
ありがたみがあるから、いっそう美味しく感じるのでしょう。
ごちそうの条件は空腹と感謝ですね。

当日は塩焼きに。
二日目はからあげに。

さとびごころがお世話になっている登酒店様で購入したアイスブレーカーと。IMG_3993

お気に入りのコップで、ロックで飲みました。


上北山村は、吉野林業で有名な川上村を南に越したところにあります。
分水領である伯母峰峠を越えると、雰囲気が変わります。
杉や檜だけでなく、今なら鮮やかな緑色の樹木が増えてきます。
縄文人も食べたであろう、トチノキも。

中崎さん「上北山村は、山の傾斜がきついのと岩が多くて土が少ないから植林できないところが多かった。植えたかったんだろうけど、植えられなかったんだよ。そのぶん、土砂崩れも少なかった。
山がまるまる人工林になっていないから、緑が綺麗だよ」



上北山のさらに南東には下北山村があります。その先には北山村。
どこから見て「上」なのかというと、熊野が基準。

「ここらは、奈良県だけど、本当は熊野なんだよ。言葉も違う」

現在の県境で線引きできない文化圏を感じます。

人口は減り続け、小学生と中学生を合わせても10人くらいです。
村内には坂本ダムがありますが、集落の周辺はコンクリート護岸が少なく、
昔ながらの石積み護岸がたくさん残っています。
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左が中崎さん(ちょっとおすまし顔)。剣道で鍛えられた体と心をお持ちで、鮎釣りの身のこなしは青年のようです。




静かな村で助け合って暮らす、中崎さんたちの取り組みを
いつか紙面でもご紹介したいと思います。












 

 
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今年5月の四国九州巡りの続きです。

愛媛県の八幡浜市で、レトロな銭湯ゲストハウスに泊まった翌朝、国道九四フェリーで大分県へ移動しました。いつもの癖で、その地の縄文時代を知りたいわたし。
旅の動線からあまり遠くない場所にあった「大分県埋蔵文化センター」内の「豊の国考古館」へ行きました。
ここでは、縄文時代よりももうひとつ古い旧石器時代の展示をゆったりと見ることができました。幸い、フラッシュを使わなければ撮影はOK。ありがたいです。すべてを記憶するのは無理ですから、所々を撮影しておかないと、なかなか、お土産話ができません。

豊の国考古館


日本の旧石器時代の始まりは、いつごろ?

日本では、約4万年前から人が住み始めた痕跡があるそうです。縄文時代の始まりは16000年前からなので、2万4千年くらいの間、原始的な生活が続いていたんですね。少し前までは、この旧石器時代の暮らしが縄文時代であるかのような誤解があったと思います。

この時代は、移動生活ですし、気候もずいぶん違って寒冷ですし、かなり厳しい暮らしだったことでしょう。いわゆる氷河期です。氷河期というと、年がら年中雪に閉ざされてていたかのようなイメージがありますが、そういうわけではないみたい。当時は大分県でありながら北海道や東北のような気候だったそうです。夏は快適だったかもしれませんね。一年中寒かったら大変じゃないですか。よかった、よかった。
 
さとびごころ45号をお読みいただいた方にはおなじみの話ですが、日本列島はもともと大陸と陸続きでした。2万3千年前のあたりでは、対馬海峡のほうだけが大陸から離れていたそうです。(この、大陸から離れる途中の感じ、ごらんください)2万3千年前の日本列島





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何を食べていたんでしょう。

定住していた縄文人の主食は堅果類。旧石器人も、移動の民ですが堅果類は食べていました。肉食100%じゃないですが、哺乳類は貴重な食料。
旧石器時代の哺乳類

ナウマンゾウ、なんて、捕まえるの大変ちゃうんかな。と、いつも思います。大阪のほうでも、ナウマンゾウは歩いていたらしいですね。

権力者のいない暮らし

縄文時代の遺跡からは武器が見つかっていない、という話に感動したのですが、それは旧石器時代からのなわらしの続きだったのかもしれません。この時代の人たちは、「俺が捕まえてきたんだから、俺のものじゃ!」とは思っていないのです。



「世界各地の民族誌によれば、旧石器時代同様の生活を送る人々は共通して集団維持のために食料を平等に分配する習慣があります。しかもこうした社会には権力者がいません。旧石器時代の遺跡からは権威を示す遺物は見つかっておらず、このことからも旧石器時代は互恵・平等の社会であったことが推定されます。」
 

旧石器人は遊動生活


「集団を維持するため」、、、、。自分のためには、みんなのためを思う必要があった、そんな必然性の存在をわたしたちは、忘れてしまったのでしょうか。現代は、所有や権利がはっきりしていますけど、まだ、かすかに、どこかに、そんな必然性がうっすらと残っていると思います。時には、あたかも新しい概念のように、提唱されていたりもします。

本誌が「自然にも人にもやさしい地域」を願うのは、「自然にやさしく(尊ぶでも、感謝するでも)あることが結局は人間を豊かにし、豊かで余裕があればまた、人はやさしくなれる」という風に考えているからです。文明が自然から離れてしまったのなら、近づけばいい。だから近自然というキーワードには反応します。

そうすべき!それが正しい!というよりも、そのほうがお互いのため、というスタンス。合理的でもあります。それでいて、冷たくはない。いつも「ありがとー!」がある暮らし。いいなと思う。


旧石器人たちは、強者が獲得してきた動物や、目利きの人が採取してきた植物を、どんな気持ちでわかちあっていたのでしょうか。きっと、まったく当たりまえにやれていたのでしょう。わける側は、恩着せがましくもなく、もらう側は、卑屈にもならず、場面が変わればその立場も変わり。すべてはお互い様でしかないことを本能的に知っているような。


こんな状態から、どうやって今のようになったのか、どう考えれば、どう行動すれば、安らかで豊かで楽しくやっていけるのか。旧石器時代の人たちに、相談できたらいいんですけどね。
「なにやってんの、あんたたち、自然を痛めつけても自分の首がしまるんじゃない?」と言われそう。
「せやけど、便利ですごいね」とも?


道具は石器

旧石器時代の道具は、有名なのがサヌカイトや黒曜石です。奈良県のみなさんは、ラッキーなことに二上山博物館(香芝市)で、詳しい展示を見ることができますよ。石器がどんなふうに作られたか、使われたか、いったいそれで動物の肉が切れるのものなのか。切れます。よくわかりますので、興味のある人はぜひ!

展示はいよいよ縄文時代へ

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縄文時代といえば、東日本が中心です(近くでは福井県の鳥浜貝塚が注目株)。有名な土偶や土器はみんな、そちら方面から出ています。
西日本の縄文は後期以後のものが多く、土器のデザインもすっきりしてますね。

(縄文時代は、草創期、早期、前期、中期、後期、晩期に分かれています。後期というと4400年前くらい)

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今でも生活工芸品として使いたくなるような土器。


土器を見て年代がわかるくらいになれたらいいな。幾度も博物館へ行っているうちに、なんとなく掴めてきているよな気がしますけど。。。


36号で紹介した山添村の土器、覚えてくださっていますか?
草創期の欄にあるものと共通していますよね。

後期にある土器は、奈良盆地内でよく見る土器と共通するものを感じますね。

縄文土器の編年

縄文カレンダーは今でも参考になります。

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大分県では大野川に遺跡が多いようですね。
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アクセサリーが美しくて。カシャ。ひと珠削り出すのも大変な作業。

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石には何かありますよね。
ただ、見た目が美しいというだけでなく、身に付けたくなるほどの何かを感じたのでしょうか。

ゆっくり見ているうちに足が痛くなってきました。
部員がいません。先に出たのでしょう。



部員が出てしまった後も(部員は読むのが早いのと、あっさりしてますので)、わたしだけ、いつまでも見ていました。ですが、次の目的地も待っていますので、このへんでおしまいにしましょう。

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また九州に来ることがあったら、竹田市や豊後大野市など、大野川の上流のほうを訪ねてみたいです。
(ちなみに、竹田市は阿南家のルーツ) 


九州へはまだついたばかり。これからどこかでランチを食べて、次の目的地である熊本県八代市へ向かうのです。





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こちらからどうぞ

36号は在庫切れになりましたが、2023年4月現在増刷版がございます(600円)。

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今日は雨がちな1日でした。
夏号の原稿が集まってきており、編集部のほうで遅れているところを焦っています。

毎号毎号、「作れるんだろうか?」と、2回くらいは思います。
が、作ってきたので、きっと作れるはずです!

次号から新連載が始まります。
帝塚山大学の河口充勇教授の「奈良の地酒と『小さな酒蔵』の物語」。
端正な文章です。ぜひお楽しみに!


地酒特集は今まで2回やりましたけれど、おかげさまで完売しています。
さとび読者のみなさま、お酒好きの人が多いのでしょうか。
コロナウイルスもやっつけますので、どんどん飲みましょう。
そんなときに、この連載をいっしょに読んでいただくと、
お酒がいっそう美味しく、奈良の「人」や「自然」がなお愛しくなることでしょう。

発行にむけて引き続き頑張ります。







  
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今日は奈良県内の場所によっては、雨が降ったり降らなかったりでしたね。

編集部は部屋の配置がえをしていました。
何をするのも集中できず、このまま一日を終わるのは虚しいなと思いまして、
前から考えていた位置に机の場所を変えました。少し、リフレッシュです。
(配置替えは、しょっちゅうです)

夏号の特集が思ったように進まず、焦っています。
準備してきたつもりですが、思うとおりにはならないこともあります。
頑張ります。

このブログは、訪れる方の数のわりには閲覧数があるので
複数ページをお読みいただいているようです。
ありがとうございます、雑談ばかりですが、、、続けて読んでいただいたら
編集人の性格がばればれになることと思います。






さて、今日は、畑をやり始めて
明日の天気、1週間先までの天気を気にするようになりました、というお話です。

通勤する方も、洗濯物を干す方も、毎日天気は気にしておられると思いますし
わたしもそのつもりだったのですが、
畑をしていますと、苗を定植するなら、次の日から雨のほうがいいかなとか、
じゃがいもやたまねぎを収穫するなら数日晴れが続くタイミングがいいなとか、
もう6月だからあれを植えるにはもう遅いかな、などなど
今までとは違った気になり方をしています。

鼻先人参、という言葉がありますが
季節の採りたて野菜を食べたときの「おいっしーーーーーい!!」という感動が
ちょうど「鼻先人参」になりまして、何かと気に掛けることが負担にならず
後のお楽しみとリンクするのです。
畑活2年生です。
ニンニクと部員
当分はニンニク食べ放題。なんて、幸せ。(モデルは部員です。部員はちっとも写真を撮ろうとしません)


今はまだ、何を作ってもほぼ初めて。
じゃがいもだけがやっと、2回目の体験となりました。
わたしのFBのタイムラインは、きっとFBの計らいなのでしょうけれど
(わたしが何に興味を持っているのがよくご存知ですから)
畑活をしている人の投稿だらけでございまして
まるで世間で急に多くの人が畑活仲間になったかのような錯覚を覚えます。


最近の夢は(いつも夢ばかりですが)一人でも多くの人が
畑活を始めて、農地がいつまでも生き生きとした地域であり続けることです。
耕作放棄地が、次々と畑活ビギナーたちの人気スポットになっていき
人々は、とれとれの美味しさや、作物の成長の感動や、体調がいいという実感や、土に触れるヒーリング感や、雑草の美しさや、虫や鳥のちゃっかりしている態度に気づくことなどなどを通して
暮らしが楽しくなり、心身ともにヘルシーになっていく、、、イメージです。

おすすめです。
いえ、おすすめするまでもなく、おそらく、わたしたちが後発隊ですね。
これをお読みになっていらっしゃる方は
もしかしたらずっとずっと先輩なのかもしれません。
(さとびのブログに来られるような方ですから 笑)


わたしの息子たちがいつか、畑活に目覚めることがあったら
(今のところ、その可能性は低いですが)なんでも教えてあげられるよう
まずは我々が経験して、楽しんでおくのです。
胸を手をあてて考えるやりたいこと×もたらされると想像できる素晴らしいこと×楽しいこと。
それを死ぬまでに何回できるでしょうか。
つい近所の畑に行くだけでも、その1回になるんですよね。

季節がめぐること、晴れたり、雨が降ったりすることが
食べること=生きることと繋がっていると
思い出させてくれます。







四国九州の旅が保留になったままでございます。
明日は書けるかな???




 
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