人生は楽しき集い「カガリ火」を編集発行される菅原歓一様とお会いしました。
ソーシャルやローカルという言葉が流れる以前、30年前から、「地域づくりは面白い、地域を学び、地域で遊ぶためのヒューマンネットワークマガジン」として、全国を取材され出版元となって活動されてきた、さとびごころ の大先輩のような方。
編集「あるある」話で盛り上がったり、さとびを作る思いを熱く語ってしまったりと、楽しいひと時でした。紹介してくださったのは、さとびのライターでもある小原いおりさん。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
…と、いう風にFBでは、シンプルに書いてしまいましたが、ここでは少し細かいことを書かせてくださいね。
さとびごころの創刊前、元発行人の大浦さんから「雑誌を作りたい」と相談をお受けした時
「定期購読している雑誌」と見せていただいたのが「カガリ火」でした。その頃、カガリ火は大きなピンチの時だと聞いていました。
同じころ、菅原さんが奈良に来られるとのことで、奈良市内のカフェで有志に声がかかり、わたしも誘われて参加しました。
(少し話が逸れますが、記しておきたいこと。その時初めてお会いしたのが松原さんという野迫川村の意欲あふれる若い職員さんでした。その直後から、さとびごころ にコラムの連載をお願いしたばかりでしたのに、事故で亡くなられたことは、今もさとびの関係者の心にずっと残っています。奥様は、今もさとびをお読みくださっています)
その方に、再会できることになったのは、さとびでライターをしていただいている小原いおりさんが、菅原さんと懇意であり、さとびごころ のことを紹介してくださったためでした。前日の夜は、小原さんも一緒に食事をしました。翌日、小原さんの会社「株式会社HERS」にて、一晩あけたざっくばらんな雰囲気の中、菅原さんはレコーダーのスイッチを入れました。
もしかしたら、カガリ火でさとびをご紹介いただけるかもしれません。このような雑誌にご紹介いただけるなら光栄ですと同時に、照れくさく恐縮なのですが、その時には素直に喜び、お知らせしたいと思います。皆様のおかげで成り立っている雑誌です。。。
それを別として考えたとしても、お会いできたことは、何かの引き合わせのようで、嬉しく思いました。
30年前から地方に注目し、「有名な人は取材しない」というポリシーのもと、地域というのは、有名になりたい人によってではなく、無名であっても志のある人によって元気づけられたりイノベーションが生まれたりすることを伝え続けていらっしゃると思います。その動機に共感します。
有名になることは、時に必要なことで、喜ばしいことでもあります。しかし、そこに巣食うように「ズレ」が生じてしまいがちなことも、冷静に見なくてはなりません。有名性が、本当の意味でポジテイブに生かされた時は、それこそ素晴らしい。
菅原さんも、わたしも、視点がずれないようでありたいというスタンスなのでしょう。互いにそれを確かめたような気がしました。
地域には素敵な人がいます。
自分のことだけでなく、なぜかみんなの幸せを考えてしまう人。そして、工夫し、行動する人。それを早い段階で認め、支援する人がいて、やがて、まわりの人の賛同を得て変化が生まれていきます。
さとびごころ の取材をしていると、そんな方たちに出会います。
菅原さんご自身も、ほかならぬ、そんな方のお一人でした。
経費のかかる出版活動を一人で切り盛りされており、その取り組みに対して 「広告効果と取引するつもりのない広告費」が集まるそうです。それでも、菅原さんの自己負担はあるそうですが。
さとびの運営にも興味を示され、「どうやって運営してるの?」と、逆に聞かれました。そこから、色々な赤裸々話(笑)。さとびはトントンを目指して頑張っており、博打は打たず、黒字にもなりませんが(赤字を一人で支えていると必ず潰れることは身を以て体験していますので)、大きな赤字の出ない範囲で継続し、その「範囲」を少しずつでも広げていこうとしています。
そして、出会った人や取り組みが「自然にも人にもやさしい」という琴線に触れるものであった時、さとびは取材して伝えていきます。読みものが伝える可能性を、やはり信じているのです。
「もっと営業してごらんなさい。協賛してくれる人がきっといると思うよ」
と励ましていただきました(涙)。頑張ります。
菅原さんが発行されている雑誌
「地域づくりは面白い、地域を学び、地域で遊ぶためのヒューマンネットワークマガジン」カガリ火
http://www.kagaribi.co.jp
【余談】カガリ火の広告で、「馬路村」を知り、美味しくてファンになり、のちに実際に訪ねることになったのでした。