2018年の1月に発行したvol.32(ちなみに特集は地酒で味わう奈良)の中で
森林からはじまる村づくりを決意した若者を紹介したことがあります。

vol.32北さん森林からはじまる村づくり
https://satobigokoro.org/archives/819 




本誌では、生態系の豊かな自然の上に、初めて人間の文明も成り立つと考えてまして、
日本の自然を特徴づけ、独特の風土を生んでいる源は森林であると考えています。
その森林を支えてきた林業が衰退し山村の人口も高齢化と減少を続けています。 
そこで、林業界以外の人たちに、広い意味で森に関心を持っていただきたいとの思いから、
森に関する記事は毎号掲載しています。

そんな中で出会ったのが、上記の記事に登場してくる下北山村でした。
これ以来、北さんとは友交が続き、ほぼ毎月のように訪れています。

取材当時の北さんは、村役場の職員として自伐型林業に注目し、林業に関心のある地域おこし協力隊を募って活動を始めようとしていました。
そして、そんな彼らから「ユンボも動かせないような人に言われてもなあ」と、言われないためにも、ライフワークとして林業に取り組もうとしていました。
まだ、薪を割ってみた、くらいでしたけれど。

あれから3年。 

思ったようには進まないことのほうが多かったかもしれません。
林業から離れる人、村から去っていく人もありました。

その間に、北さんは猛烈に林業について学びました。
さとびの読者であれば、ご存知のはずの岡橋清隆さん(vol.42特集でインタビュー)や後継者である岡橋ー嘉さん(vol.25企画記事で紹介)を村の取り組みとして指導者に迎え
自伐型林業の代名詞ともいえる「壊れない道作り」のレッスンを開始。



自伐型林業 小さな林業とも言われ、環境負荷が少なく、大きな資本を必要としない生業としての林業。作業道を切り開きながら支障となる木を伐採し、出材したり道作りの素材として自然に返します。

ある日、「僕、山を買いました」というのです。
運良く、そのような巡り合わせがあり、手続きを経て、自宅の近くの山を購入することができました。
その山に道を通すことが、今彼の週末の活動になっています。
村に来たついでに師匠や友人が手伝ってくれることもあります。

わたしは、購入したばかりの森を見せてもらったことがあります。
捕まりながら歩かないと危なっかしい斜面に、かつて植林され、放置された杉や檜が立っていました。
さらなる昔にはどんな使い方がされていたのか、
あちらこちらに(山水を引いたようにも見える)石積みの跡もありました。

あの森はどうなっているんだろう。

そう思っているわたしの気持ちが通じたかのように、先日村を訪問したとき、案内してくれました。
よじ登るようにしか歩けなかった斜面に、踏むとやわらかい土の感触のある道ができていました。

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自伐型林業で採用されている作業道「壊れない道」は、なめらかで、スニーカーでも歩けます。かつて、岡橋ー嘉さんに案内してもらった道を思い出させる「歩きたくなる道」ができつつありました。

道作りは、一歩間違えれば土砂崩れの原因になるかもしれません。この山の下には集落があります。
ルートの選び方、伐採する木の選び方と使い方、残す木の選び方、水の流れへの配慮、法面の処理、採算性、、。学んできたことを自分の山で実習です。仕事にもつながり、楽しくもある週末フォレスター活動。

わたし「この道ができたら、上まで歩いてコーヒーを飲みながら、しばらくそこにいたいわ」
北さん「コーヒーは鉄板ですよね」

「僕、山を買いました」の道作りも、森から始まる地域づくりも、まだまだ途中段階です。
いっしょにコーヒーが飲める日を楽しみにしています。

この森は私有地ですので、みなさんに「どうぞおこしください」とは言えませんが…
若い世代が地域づくりを夢見て林業に取り組むひとつの風景として
ご紹介いたしました。

この日は、ほったらかし家というゲストハウスに泊まりました。
その話は、また別の記事に。