さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

タグ:ごみ減量

みなさんのご家庭では、ごみの日までにどれくらい溜まっていますか。
編集部のある奈良市では、週2回の燃えるごみの回収日があります。
今では、うっかり忘れそうになるくらい、ごみを出すことが少なくなりました。
ごみゼロとまではいきませんが、明らかに減ったのです。
 
そんなふうに編集部あなんの意識を変えてくれたのは、さとびの創刊時からずっとお世話になっているフリージャーナリストの北井弘さんに、ごみ減量のための情報発信をしていただき、編集しながらその情報に触れずにはすまなかったからではないかと思います。

ごみの問題は子供の頃から意識していました。大量生産、大量消費、使い捨て、そして大量のごみ。いつか日本がごみ列島になるんじゃないのかと。でも、実際には?ごく普通に暮らしてきたのです。
「知っている」と「やっている」は、とかくかけ離れてしまいます。そこで!
 
わかっているけど、めんどうかな?難しいかな?と、思っていることでも、それをワクワクとやりこなしている人との接点を持つことで、いい意味で影響を受けることができます。さとびがこの連載を北井さんにお願いしているのは、毎号毎号、「ごみを減らしてみようよ」というメッセージを伝え続けることが大切だと思っているから。

全国の事例をよくご存知の北井さんは、ごみ減量の最前線に関する情報を伝えてくださいます。

今回は、長崎県対馬市。

どこにあるか、ご存知かと思いますが、グーグルで見てみましょう。https://goo.gl/maps/QSKe9MzopMszMR7D8
対馬市
奈良からは、はるか遠いですねえ。

ここの海が今どうなっているか。衝撃の事実をお伝えします。



対馬市の海洋プラスチックごみは日本全体の問題
北井弘(ごみ減量ネットワーク主催) 



近年、この島がにわかに全国の注目を集めています。それは、“日本一海洋ごみが漂着する島”としてです。南北に永井地形が、海流と冬の季節風に乗って日本列島へと流れていく海ごみをキャッチする“防波堤”となっているのです。


対馬市写真

一見したところ、普通の海岸。でも、これ、発泡スチロールの粒が堆積しているんです。



美しい白砂の海岸のように見えますが、実は細かな発泡スチロールの粒々が何十センチも堆積したものです。

地域の子供たちが清掃活動。清掃はいいことですけど、自分たちが出していないごみを清掃する必要はないはずなんですが。。。
対馬市写真2


原稿を読みながら、「もっとごみを減らしたいなあ。海が泣いてる。地域も泣いてる」と痛切に感じました。

そんな対馬市では、スタディーツアーをしているそうです。
課題を逆手にとるなんて、面白い!
 
わたしたちも、地味にこつこつと「どうしたらごみが減って、自分たちも楽しく暮らせるかなあ?」ということを日々の暮らしの中で小さくチャレンジすることで、世の中の気運となって、ビジネスや政治にも影響を与えるようになったらいいですよね。

詳しくはvol.52 の GOMOIGEN最前線をぜひお読みくださいませ。


編集部のごみ減量

1.編集やデザインをしていると、紙のごみが多いので、まずは裏紙としても活用し、両面を使ったら古紙としてストック。たまってきたら地域のリサイクルへ(小さい紙ごみは普通に燃えるごみにしてます)。
 
2.生ごみは100%コンポストへ。ごみを減らしながら、畑(土・自然)と体の循環づくりになるところが面白いです。堆肥としては十分に発酵させないと逆効果になるらしいので、1年くらい寝かせてから土に帰しています。畑に直接生ごみを置く(畑の土に入れちゃだめですよ)人もあります。自分なりの方法を見つけるといいですよね。とにかくコンポストが効果絶大で、燃えるごみが減ったのはこれが原因です。
 
3.そもそも捨てなくていいように、長く使う覚悟のものだけ買う。使い捨てのものを買うときは、しっかりと意識して、どうしても仕方がないときだけにする。プラスチック製の使い捨てものは、もう買わない。植物性素材のほうが見た目もよく、長く愛用できます。

4.これはまだ徹底できていませんが、食品トレーはスーパーへ返すと、「その他プラスチックごみ」が減ります。

5.惣菜、弁当、加工食品を原則として買わない。これも大きい。お昼にお弁当を購入して食べていたときは、あっという間にごみ入れが溢れかえっていました。手作りすることが増えると、いかにそれが多くを占めていたかがわかります。今はお弁当を買うより、素食(粗食ではなく)でいいから自炊するほうがいいなと思います。


めんどう臭くありません。ごみが減るのが楽しいのです。みなさんも楽しいアイデアがあったらぜひ教えてくださいね。

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ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

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人にも自然にもやさしい暮らしに欠かせなくて、誰でも取りかかれるのがごみ減量。
そう考えて、さとびでは長らくごみ減量をテーマにした連載をしています。
執筆はフリージャーナリストで、自らごみ減量ネットワークを主宰されている北井弘さんです。

前回から、「昨今のごみは減っているのか?」ということを教えていただいています。

vol.47ごみ減量


法的な整備や経済の低成長や人口減少の背景もあって、ピークの2000年に比べると約22%減っているそうですが、このたびのコロナ禍の影響はどうだったのか?というのが今回の記事です。
vol.47の GOMIGEN最前線、ぜひチェックしてみてください!


 

ごみ減量ネットワークは、大阪ごみ減量会議の参加団体でもあり、11月にはこんなイベントにも関わっていらっしゃるとか。

http://osaka-gomigen.net/ごみ減量連続セミナー「ごみ問題最前線」を開催.html
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『ギフトエコノミー買わない暮らしのつくり方』の翻訳者、服部雄一郎さんも登壇されるんですね。

服部さんといえば、女性誌にもしばしばとりあげられていますよね。マスコミもサスティナブルを無視できない時代になってきました。もちろん、この連載でも過去に服部さんの翻訳された本『プラスチックフリー生活』が紹介されています。公式サイト「サスティナブルに暮らしたい」は、当ブログでも紹介したことがありますが、ごみ減量につながりながら、センスよく暮らせるアイデアがたくさん載っていますので、ぜひぜひご覧になってみてください。

奈良のごみも、減るといいですね。

自然素材から作られたものであれば、土に還り環境も汚さない(豊かにさえする)のですが、現代社会ではそうもいきません。だからこそ、減らすチャレンジを楽しみましょう。いつか、そんなアイデア満載の特集を作りたいと思っていますが、来年かな?再来年かな? 気長に待っていてくださいね。

編集部がごみ減量のために心がけていることは、そもそもごみにならないもの、つまりずっと愛用するものを使うこと。「本当に好きなもの・美しいもの」を適切な価格で買うほうが毎日がしあわせです。作り手さんの応援にもなる。消費者が何を望むのかをマーケットにメッセージすることにもなる。
もうひとつは生ゴミをなくしたこと。コンポスト生活には大満足しています(畑活とリンクしてから楽々で、楽しくなりました)。
これらはみなさんにもおすすめしますし、みんなでやっていきませんかと申し上げたい。

あとは個人的マイルールといいますか、だんだんとそうなっていき、定着していることは、合成洗剤類とスキンケア化粧品類を買わなくなったこと(重曹、クエン酸、手作り石鹸、マグネシウムなどを使っています)。 服は流行よりも「好きかどうか」と「似合うかどうか」を考えて、長く着る。できるだけ自然素材の服を着る(静電気がなくて快適です)。それから、加工食品や惣菜を買わずにうちで作ること。これ、効果絶大。いかに、食品包装類のごみが多いことか。かつて、忙しいからとコンビニ弁当を食べていたときのプラスチックゴミの多さといったら!すぐにごみ袋がいっぱいになってしまったものです。
誰でもできそうなことを本当にやる…一歩先ゆく人たちを見習いながら、シンプルでナチュラルな理想の暮らしを、ひとつづつ叶えていくのを楽しんでいます。

リデュース、リユース、リサイクル。ごみを減らして美しく暮らしましょう。

 
これまでのvol.47 紹介








 

 

 
 
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本誌で「GOMIGEN最前線」を連載中の北井弘さんのガーデンを訪問しました。

フリージャーナリストで花好き、庭好き、家庭菜園好き、料理好きな北井さん宅の初夏の花たちをご覧くださいー。

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北井さん宅は、お知り合いから託された古民家。8年たって、幼かった苗木たちも人の背丈を越える高さに育ってきました。庭も畑もざっくりと手入れされているので、

「入らないで!触らないで!」ってことは、ありません。 
庭の中には小道ができてます。楽しく気軽に散歩できます。

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花と野菜を育てながらのライター生活。巣篭もりと、出張のいいバランス。素敵な暮らし方ですね。

畑も雑草ありき。奈良ではカラスノエンドウは終わりましたが、伊賀市にある北井ガーデンではまだ咲いていました。雑草といっしょにイチゴが育っていました。

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もうすぐ赤くなりそう。
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わたしたちも、イチゴを育てて食べてみたくなりました!!(来年こそはチャレンジしよう)

お手製の豪華ランチもご馳走になり、草花の苗ももらいました!ありがとうございました。

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覚えている範囲内で、料理の説明;よもぎとブロッコリーのフリッター、白身魚のフリッター&自家製トッピングソース、かぶのソテー、サラダの中にはビオラの花、菜の花、カラスノエンドウも一節。



来月は紫陽花が見頃になるそうです。お土産には、vol.44でご紹介した美吉野醸造さんの「花巴」をお持ちしました。「飲むのが楽しみだな」と言っていただけて、ほっ。


食後は、ごみ焼却場のタイプの違いについてなど教えてもらいました。
「ごみの焼却は、オペレーションが重要なんだよ」

オペレーションとは何でしょう。  

私ゴトで言いますと、家の整理をしたときなど、ごみ焼却場に直接持ち込むことがあります。燃えるゴミのコーナーでは、覗き込むと怖く感じるような深いプールにポンポンとごみを捨てます。酸っぱいような匂いがしています。これはきっと生ゴミから発生していると思うので、みんなが生ゴミを減らす(コンポスト!)と臭いが減るだろうなあと思いますよね。

これらのゴミは、まんべんなく燃えるように攪拌されます(すごい規模の攪拌!)。燃え易いもの、燃えにくいものが混ざっていますから、均一に近くなるように攪拌が必要なのだそうです。その後コンベアに乗せられて焼却されます。コンベアは金属製の網状のもので、ごみの中に燃えにくいものが混ざっていると、この網の部分にカスがこびりつき、燃焼効率が下がるため、取り除く必要があります。それは人が手で行なっているそうです。大変な仕事ではないかと想像しました。
このような、ごみをうまく燃やすための調節すべてがオペレーション。
わたしたちは、ただ捨てるだけで、その先のことに関心を持つ機会が少ないですが、税金を払っているとはいえ、ありがたい行政サービスを受けているから日常を送ることができているんですよね。

市町村によってゴミ焼却のタイプが異なりますから、それに合わせたごみの出し方ができるよう、住んでいる町のゴミルールを守ることも大切ですね。 分別が細かい市町村と、そうでない市町村がありますが、焼却施設のタイプの違いによるものだそうです。


桜井市の例(ごみ処理のステップが紹介されています)


   


次号の「GOMIGEN最前線」では、「ごみって減ってるの?」という話題で書いていただきます。

vol.46もお楽しみに。

 


来月は紫陽花が見頃になるそうです。北井さんは、いつでもウェルカムな方ですので、訪ねてみたい方がいらっしゃいましたら、ご紹介しますよ!


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さとびごころをオンラインでもお求めいただけるようになりました。
こちらからどうぞ

在庫切れのバックナンバーも、PDF版(¥300)でご購入いただけます。

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レジ袋が有料化になり、エコバッグを持つ人が増えてきましたね。

我が家でも、レジ袋をごみ袋として再利用していましたが、日々の買い物で発生するレジ袋の方が多く、どうしても溜まってしまうので時々捨てていました。近年は、エコバッグ暮らしが定着し、収納スペースもすっきりしています。

レジ袋製造会社の社長さんが悲鳴をあげていらっしゃいましたことや、エコバッグも化学繊維でできていれば、どうなんんだろう?という意見もありますが、、、。みなさんはどうお考えでしょうか。

今回は、いちはやくレジ袋提供禁止条例を施行した京都府亀岡市のケースを、フリージャーナリストで、ご自身もごみ減量ネットワークという団体を主宰し、ごみ減量の現状に詳しい北井弘さんが紹介してくださいました。
亀岡市写真⑥市内スーパー(マイバスケット)
写真亀岡市提供 

なお、この連載では毎回、ごみを減らすひと工夫も同時に紹介していただいています。今回は、「ヘチマの種お送りします!」。

へちま


プラスチックごみへの意識が高まり、エコ的と思われていたアクリル毛糸で編んだたわしが実はマイクロプラスチックの原因になっているということが知られるにつれ、昔ながらのヘチマたわしを使う人が出てきています。北井さんは、ヘチマを「自分で育ててみませんか」と、種を無料で送ってくれるんだそうです。vol.45の発行に先駆けて、こちらでもご案内いたしましょう。

kitai@utopia.ocn.ne.jp  

まで、ぜひご応募くださいませ!


北井さんのお知り合いに、「サステイナブルに暮らしたい」という人気ブログのオーサーで、翻訳家の服部雄一郎さんという方がいらっしゃいます。

 

こちらのブログ、写真も美しく、文章もポジティブで、具体的なアイデアもたくさんあり「ああ、わたしもサステイナブルに暮らしたいですー!!」と思わせてくれる素敵なブログです。
ヘチマの記事は、こちら でございます。
(わたしは、石鹸置きにとてもいいなあと思います。実は、実際に使ってみたけど、合わなかった、という人もわたしの近くにはいます。へちまも一つの方法ですので、使ってみて、気に入ったら続けてみたらいいんじゃないでしょうか。通常のスポンジであっても、何も考えないで使うのと、少しでも洗剤を減らす食べ方、暮らし方を考えながら使うのとでは、きっと違うでしょうし。)

 



服部雄一郎さんの本も、この連載で紹介していただきました。書店はもちろんですが自然食品を扱うお店などでも取り扱いがあるようです。
奈良市ではかんとりーさんに並んでいるとの情報が(下記の写真)。服部雄一郎さん訳

どちらも、装填がおしゃれですよね。

(何事も、「おしゃれでないと届かないよなあ」と、反省させられます。編集長のセンスに限界があるらしく、さとびはあまり、それほど、「おしゃれ!」な雑誌ではございませず、すみません。いつも読んでくださるみなさん、本当にありがとうございます。)





もしも、この世界の生産物が、自然の状態からあまり化学的に変化させないで生産されていたなら、ごみはないはずです。すべては土に還ることができ、それが無害だからからです。石油も自然のたまものですが、それを化学的に合成してしまうことによって、自然に還るのにとてもとても長い時間がかかり、その間に不自然な物質を発生させてしまいます。生物たち(人間も含め)は、それに順応できません。

 
発明された時点では、「素晴らしい!」と思われたものでも、歴史の中で検討してみて、「やっぱりよくないね」とわかったときは、変えていきましょう。

わたしは、ごみを減らすのと同時に、そもそも土に還るのか?を考えて、せめて暮らしに必要な道具などは、自然に近いものを、しかも、ちゃんと気に入ったものを選び、長く使うことが原則になってくると考えています。それは同時に、体にもいいものであることが多い、たぶん、100%そう言えるのではないでしょうか。
プラスチックが出現する前の暮らしはどうだったでしょう。木、竹、草、石、土、自然にあるものを使って、上手に暮らしていました。難しい知識なしに今の暮らしにもすぐに取り入れられるものもありますが、次々と失われています。
本当は、科学技術こそが、自然にも人にもやさしいか?を哲学として発展してくれたら、世界がしあわせになるように思うのですが。


土に還すため、コンポストもやっています。生ゴミが無くなりました!
世界はともかく、自分の暮らしは自分で変えられます。今できること、楽しいことから、実行です。
みなさんは、ごみ減量、意識されてます?
 


 
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