さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: vol.48

最近、投稿が追いついておりませんが、先日陽楽の森へ行ってきました件を報告します。

陽楽の森、というなんともいい感じの名前は、誰が名付けたやら、もともとの地名なのです。
奈良県北葛城郡王寺町畠田地区にある、住宅開発から取り残された形で残る元里山。

元、と書いたのは、里山は人の生活とリンクして存在していたものだと思うから。
食糧や燃料や材料をそこからとりながら維持管理されてきた生物多様性豊かな場所。
こんな場所は、もう今の日本では絶滅危惧ゾーンだと思います。

例によって、この陽楽の森も、今ではほとんど価値がないとされています(わたしはそう思いませんけど)。薪も使わず、竹も使わず、炭も作らず、かつてのあたりまえだった生活はこの時代には全く合わなくなりました。つまりは人がそれを望まなくなったから、そうなりました。

この森一帯の所有者の一人(多数の所有者がいらっしゃるそうです)である谷林業さんの谷茂則さん(さとびの連載通称ドタバタの筆者です)が、
里山に人が集まると森が喜ぶんだと言い、売り飛ばずことなく生かそうとされており、自らが理事をつとめる大和森林管理協会(谷さんのもうひとつの連載「山と今日」はこちらからの発信)とともに、模索が続いています。
どのような森ならば、自然も残り人も嬉しいのか。
それをさぐるプロジェクトが陽楽プロジェクトだといえます。最近は、「チーム・めだか」という団体もできて、注目に値する講師を招いた講座などが行われています。
そんなこんなで、編集室とは長いおつきあいが続いています。

陽楽の森のふもとにあるのが、薪ストーブ販売のKuberuショールーム兼事務所。
エネルギーの未来が議論される時代に、もう一度薪を活かした生活を興して、林産物のニーズを作っていこうという事業です。このKuberuさんにお邪魔しました。

vol.48 「特集 焚き火がうれしい」では、無理なお願いを聞いていただき、ご協力いただきましたー。
(最高に楽しい取材でもありました)

さとびvol.48


vol.48特集1

 

事務所は、お留守の場合も多いのですが、幸いスタッフの川端さんが山の中でお仕事中。
川端さんは、上の画像、右下の写真の左側の方。DIYの達人。Kuberu事業を預かる小島さん(写真右)のサポートをされ、薪販売の対応もしているそうです。

陽楽の森でロケして、取材しました。
vol.48特集3

薪は、昔のような生活必需品ではなくなっても、なぜか人が求めてしまう「焚き火」の大切なツール。
キャンプブームには、人が「火のある時間」を求めていることが現れていると思います。わたしも大好き。火のある幸福感へのニーズは、ちっとやそっとじゃ、完全に消滅なんてしないと思います。ガスや電気しか知らない世代でも、わくわくして喜ぶのですから。

自然にやさしい方法で行われる林業の現場から直販、もしくはそれに近い形で流通すれば、環境も、林業にたずさわる人も、火に癒される人も、みんながメリットを得られますよね。(輸入ものの薪よりも、地域産の薪を買ってくださーい)

 

お仕事の手をとめて、ストーブに火を入れてくださいました。

くべる1
 

火が燃えます。いいなあ。
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子どもたちがおさない頃、アウトドア遊びに連れ出しては焚き火をしたり、アウトドアクッキングをして楽しみました。なつかしい。
孫ができたら(当分、見込みはないですが)、じいじとばーばが焚き火で何か焼いて食べさせてあげたいです。
 

Kuberuさんは、薪やストーブの関連商品も販売されており、森関係の情報が集まるようで、
くべる4

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さとびでしばしば執筆いただいた杉本さんが、Studio Morizzoとして販売されているサウナウィスクのおしゃれなフライヤーもありました。(杉本さんはデザイナーでもあられます。なんて多才な方なのでしょう)

当編集室も関わっている「陽楽の森通信」も。
くべる6

陽楽の森周辺に近頃人の出入りがあるみたいなんだけど、どうなってるの?と思われた方はぜひご一読ください。

そして、さとびごころも置いてくださっています。
(陽楽の森に関係のある号だけですけど、ぜひぜひ)野菜の無人販売のように、貯金箱にワンコイン入れてくださいませ。

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小島さんとはこの日はニアミスでした。とてもご多忙とのことで結構なことです。でも忙しすぎて体調を崩さないようにしてくださいね。

Kuberuさん、ありがとうございました。これからは、陽楽の森の整備も進んでいきます。今は土の乾燥が気になりますし、竹ばかりが繁茂していく状態。。人の手が入るにあたり、環境再生のエッセンスも加わっていくはずです。編集部は、このゾーンの環境がどんなふうに良い方向へ変化していけるか、定点観測していきたいです。そのたびに、Kuberuさんを訪ねることでしょう。
これからもよろしくお願いします!

次回は、雑草キッチンセミナー「冬」を開催した件を報告しますね。


このブログはFB,インスタグラムで投稿したことを、すこし詳しく書くことが多いです。SNSでご興味をもたれましたら、ブログへもご訪問歓迎です。そして、じっくりお読みになりたいということでしたら、雑誌のほうもお手にとってみてくださいませ。


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ご訪問ありがとうございました。100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン編集部からのお知らせや関連する雑談を投稿しています。

さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
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陽楽の森通信vol.2

さとびづくりをしているご縁で、フリーペーパー編集のお手伝いをさせていただいています。
通称「ドタバタ」や、「山と今日」の連載でおなじみ、谷茂則さんが代表をされています「チームめだか」さん発行の「陽楽の森通信」。年2回発行で、このほどvol.02 が出ました。

谷さんの所有林を含む、奈良県北葛城郡王寺町にある陽楽の森(住所では畠田)に関わる人たちや、近隣の住民のみなさんにむけて届けられ、陽楽の森プロジェクト(都市の中に残された里山の再生につながる現代的な活動です)を伝えています。

実際の地名でもある「陽楽」は、もともとは薪炭林。住宅開発から取り残されるかたちで、いい意味で里山の姿をとどめていますが、かなり荒れてもいます。一時は「チャイムの鳴る森」というイベントを通じて多くの人が足を運び、それにともなって整備も行われましたが、数年たつうちに再び藪化が進行。

そんなおりに、陽楽の森講座で高田宏臣さんをゲストに迎え、環境再生というアプローチと出会い、今度は一般社団法人どすこいさんらを中心に、「みんなでつくる=みんつく」という再生活動が始まろうとしています(わたしもスケジュール合う限り参加するつもりです)。今回の号では、どすこい代表のゴリさんこと、鈴木宣仁さんの手記がトップ記事。鈴木さんは、発達障害のこどもたちのデイサービスを陽楽の森で展開しています。
陽楽通信vol.2-sp_ページ_2-3


 

vol.02の今回は、わたしも記事を書きました。
谷林業の若手でありつつ一番の古参である前田くんにインタビュー。若干ハタチで入社して間もない頃から知っているだけに、エールを送るような気持ちになりました。今は頼もしい森林整備担当者です。

陽楽通信vol.2-sp_ページ_4-5

前田くんの笑顔を激写しました(いつもまじめな表情が多い人笑)。

昆虫写真家の伊藤ふくおさんのエッセイや、薪ストーブのKUBERUの紹介も。
(KUBERUさんには、vol.48 2021autumn 特集 焚き火がうれしい ですっかりお世話になりました)

陽楽通信vol.2-sp_ページ_6-7
陽楽講座のお知らせでは、あの!内山節さんがいらっしゃるというお知らせも載っています。
(貴重な機会だと思いますので、内山さんファンに届いてほしい情報です)



中心になって企画編集しておられるのは鳥取大学地域学部特任教授の家中茂先生。わたしは家中先生の相談相手となったり、編集デザインをさせていただいています。ほぼ、さとびを作るのと同じようなエネルギーでやらせていただけることをありがたく思います。

この通信は、もうしばらくしたら陽楽のサイトでも公開されると思います。vol.01はすでに公開されています。その他の情報もあわせて、詳しくはサイトをご覧ください。

編集に関することと、さとび的なコンテンツしかできないバカですが、
お手伝いさせていただけることがありましたら、お声かけください。

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さとびvol.48


今回の特集のテーマは焚き火。
安全に楽しく焚き火ができたら、あとは美味しいものを食べたり飲んだりして、それから問わずがたりの話なども始まったりして。
今回は誌上で焚き火気分を味わっていただけるかもです。


薪ストーブ販売店のKuberuさんにご協力いただきました。ありがとうございました。


特集の見出しをピックアップ!

vol.48特集1

vol.48特集2

vol.48特集3

vol.48特集4

今回は、企画記事がございます。

[企画取材]  《自分たちの地域は自分たちで守る》 あたかも村のヒーロー戦隊!高齢者の困りごとを解決する「かみきた〜孫の手会」 小谷雅美 (上北山村在住) + 編集部
 
孫の手会定例会議にて
じゃーん。上北山村の孫の手会のみなさんです。
みんなが、苗字でなく、下の名前で呼び合う幼馴染なのに、元のお仕事をうかがうと、強者ばかり。
そんなみなさんが故郷愛をもって、地域の課題に取り組むさまを、地域おこし協力隊としてこの村にやってきた民宿100年のおかみ、古谷雅美さんにレポートしていただきました。


高齢化と人口減が進む小さな村、上北山村。
このままじゃだめだ、、、という思いが発起人である富室さんの中にはありました。
だったらどうする?立ち上がれ。
それが孫の手会です。どんな状況でも、自分たちの手がある、取材を通してそう思わせられました。




いつもの連載も、お楽しみください。駆け足でご紹介します。

《PHOTO ESSAY これからの、これから》//////////////// No.10 ウソじゃないよね? by 都甲ユウタ(フォトグラファー)

毎回人気です。編集部が出会う人の中で、この連載のファンの人率が高くなっています!
発達障害の我が子を見守る父親の目線は、くすっと笑える温かさに満ちています。

連載《奈良の地酒と「小さな酒屋」の物語////////////////
第3回 西の京地酒処きとら(奈良市)  by河口充勇さん(帝塚山大学文学部教授)

奈良酒好きの人に贈りたい、河口先生の小さな酒屋取材。今回は、唐招提寺の近くにあるきとらさんです。
時代の変わり目に、不思議に出会い、きっかけをもたらした幾人かの人たちがいました。
酒蔵とともにお米づくりをする人が増えていますよね。その先がけとなる取り組みについても伺っています。

まだまだ続く小さな酒屋の物語、次回もどうぞお楽しみに。

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《森とともに生きる》//////////////// 十四代目林業家 ドタバタイノベーション奮闘記 第22回 by谷 茂則さん
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物語は、恋豚こと、恋する豚研究所に谷さんが乗り込み、目から鱗のインパクトを受ける段階を迎えています。
現在の取り組みである大和森林管理協会につながる隠されたドタバタをぜひお読みください。

 
《風は奈良から〜さとびごころ×七つの風》 #07 半農2Xに向かって進む//////////////// GUEST 入江透さん HOST 三浦雅之&阿南セイコ 

風は奈良から48入江くん2
この連載初のルーキー登場!以前ゲストにお迎えした近畿大学の北村先生の教え子さんでもあります。
このたび、宇陀市にて薬膳カレーのお店を開業すべく、レザークラフト職人活動ともども、張り切っています。

《田んぼの四季 冬》 //////////////// ほったらかしではない!冬のたんぼ by農家のこせがれさん 
IMG_7268一年を通じて田んぼの四季をお伝えしてきたこの連載も、今回がいよいよ最終回。冬は農閑期ともいわれたりしますが、農家の方々はその間どのようにして過ごしているのでしょう?田んぼを活用する先人の努力が農村文化として引き継がれてきたことも振りかえっていただきました。

 
季節によりそう暮らしと食養生-冬- ////////////////
第7回  by 三瓶 歌奈子さん
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毎回美しい写真とともに、東吉野村での暮らしぶりと季節の食養生をお伝えいただいています。
今回のレシピは菊芋とカブのポタージュ。もう、美味しそうでしょう?!
実は、次回で最終回になるのです。
残り少ない連載を、どうぞお見逃しなく。


《GOMIGEN最前線》////////////////
#13 激変する古紙輸出事情  by北井 弘 さん

ごみげん


今年度、北井さんらが中心となって「ごみ減量最前線」をテーマに開催されている「ごみ減量連続セミナー(全5回)」より、今回は第3回「日本の古紙・廃プラリサイクル市場の変化」についてご紹介いただきました。左は、講師の古紙ジャーナル社の本願貴浩社長。実は本社は奈良だそうで、びっくりです。
右は、最終回となる2月4日の「コロナ禍とごみ問題」講師の原田禎夫さん(大阪商業大学准教授)です。
セミナーに関するお問い合わせは 北井さん kitai@utopia.ocn.ne.jp まで! SATOBI COLUMN//////////////// 愛菌家みなみの日々是好菌(第12回)草野みなみさん     
身の丈しごと研究室 #08 戸上昭司 さん
さとび的読書さんぽ 嶋田貴子さん も健在です。ぜひお楽しみください。


さとびごころは、自然にも人にもやさしい社会を地域に根ざして考えるローカルマガジン。
今、誰もが口にするSDGs やサスティナブルは、人々の暮らしや生き方に反映されてこそ近づいていけるものと編集部は考えます。そんな方ために、お共となれる雑誌を目指して発行しています。
興味のある方は、お取り扱いスポットでお手にとってみてください。
または、編集部までお問い合わせください。



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今年もあと残すところわずか。多くの方が仕事納めされて、心に区切りがつく時ですねえ。
編集部は、毎年この時期は発行直前で落ち着かない時を過ごします。

しばらく更新がとだえましたが、余裕のなさが表れていますね。
(とはいえ、晩御飯はちゃんと毎日家で食べてしっかり寝ていますけど)

寒さがこたえるこの季節に暖かさをお届けする、次号の特集は「焚き火がうれしい」です。
この企画を考えた当初(2年くらい前)は、冬キャンプをテーマにしようかと思っていました。
でもよく考えてみると、キャンプそのもの以上に、焚き火にフォーカスしたいと思うようになりました。

さとびで連載していただいている大和森林管理協会のご理解のもと、同協会が運営されているKUBERUという薪ストーブ販売店に全面的にご協力いただき、紙面で焚き火会をするようなコンテンツになっています。

焚き火の心得や注意点、初心者がつまづきやすいところをおさえた焚き火の手順とコツ、そして焚き火にまつわるコラム等で構成しています。(コラムでは、わたくしも書きました。ちょっと真面目に書いています。はずかしい)

取材では、わたくし初体験となるヴィーガンハンバーガーや焚き火焙煎コーヒーもいただき、
取材とは思えない楽しい時間を過ごすことができました。
(まとめるのは大変なんですけど、取材はいつも本当に楽しいです)
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

焚き火取材1

焚き火取材2

焚き火の魅力と、火のある暮らしの豊かさを考える記事を作りながら、
火を見ているとなぜか幸せな気持ちになってしまうなあ…と改めて感じました。

(そのせいか、みつろうのキャンドルを買ってみたりして。キャンドルライト、久しぶりだなあ) 

楽しくて、読み応えもある内容となっていますので
ぜひお楽しみに。

年があけましたら、vol.48のご紹介を始めます。
今回の連載やコラムも、どれもみんな超おすすめですよ。

さとびごころvol.48 2022.winter  どうぞ宜しくお願いします。
そして、皆様、どうぞ良いお年を。
  



 


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