さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: vol.35



農業や林業の世界では、高齢化と後継者不足のことが心配されています。
跡を継ぎたい人がいない。若い人は都会で就職。
その一方で、外部から農業や林業に転じてきた人たちには、
「儲かるから」「安泰だから」という以外の動機で取む人が多いように思います。

大きく儲かることや、安泰であるかどうかを横においても
「これがしたい」という人たち。
険しい道のりでも、乗り越えようとする人たち。
杉浦さんも、その一人です。

取材したことの全てが原稿になるわけではなく、
載せなかったことの中にも心を動かされた部分があります。

なので、さとびごころは杉浦さんや
「杉浦さんのような人たち」にエールを贈りたいと思います。

関心をもつこと。購入すること。人と話すこと。
なんでも、無理なく楽しくできることをやるだけでいいと思う。

当日のメニューには、杉浦農園の野菜がふんだんに取り入れられました。
「これ、すっごいおいしい!」「全然ちがう」の声も会場のあちらこちらで聞こえました。


お酒の会にご来場くださったみなさんに、これきっかけに、
杉浦農園さんのことを知っていただけたら
嬉しく思います。

共催いただいたぷろぼの食堂さん、ありがとうございました。
次は、杉浦農園マルシェ(?)をしましょう(^^)




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35号(2018秋)でご紹介した杉浦農園さま。
発行後、FBページでご紹介いただき、ありがとうございました。

杉浦農園さんのシェア

杉浦農園さまのFBページはこちら


32号の特集「地酒で味わう奈良」での出会いから、今回の特集につながりました。
ちょこっとご紹介しています。
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あれから一年です。リスタートしたばかりの頃でした。

一人で無農薬栽培をされていると聞き、「一人で?」と驚きました。
無農薬栽培に取り組む人たちと出会ってきましたが
人出不足に苦しみつつ人には言わずに頑張っている人が多かった。
杉浦さんも我慢強く努力されていました。
援農のしくみが農家にも都会に住む人にも
喜びをもたらすのではないかと、この特集を企画しました。


来年から2年目が始まります。
さとびごころのある人に、届きますように。
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編集部のあなんです。
11月になり、朝晩が冷えるようになりましたね。
先月末、35号の特集で紹介している「美しい多地区の田園風景を楽しむ会」さん主催の稲刈り体験に参加してきましたので報告します。
近鉄笠縫駅から南西方面に徒歩15分くらい、多神社のあるところが多地区です。わかりやすい営農組合の建物が建っています。ここが集合場所。楽しむ会の拠点でもあります。
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農村の将来を考えて、都会で暮らす人に農に親しんで欲しいとの思いで開かれている体験イベントだけあって、会場には会の取り組みを示す展示もありました。

あなんの稲刈り体験としては、10月初旬の杉浦農園の稲刈りボランティアにも参加してきましたので今年2回目。杉浦農園は、実際の収穫を手伝うものでしたが(どれだけ役立てたかは?ですが 汗)、こちらは体験を主にしてます。

 この地区では、ほとんどの稲刈りはすでに終えているのですが、イベントのために稲を残してくれているのでした。参加者は都会から情報を得て集まった家族連れや関係者をあわせて100名ほどのにぎわいでした。オリジナルのピザ釜があり、薪やオガライトが燃えていました。(暖かいので、ついつい近づくわたし)

ここで、稲刈りを全くしたことのない人のために、説明がありました。

稲は田植えのときは、小さな苗ですが収穫の頃には大人が一掴みできるほどの束になります。これがごはん一膳分なのだそうです。「農家が丹精こめて育てているので、それを知って食べてもらえたら嬉しいです」と、代表の大倉さん。
一束を掴んで、カマを手前に引くようにして刈ります。ゴシゴシしなくても大丈夫。手間に引くのがコツだそうです。10束程度をまとめて縛り、はざかけしていきます。

さあ、いよいよ一人ずつカマを貸してもらい、田圃へ。農家のおじさんやおじいちゃんたちは先生です。婦人会のみなさんは、後ほどみんなが頂くおもてなし料理の準備中。素人ばかりの参加者たちの稲刈りは、きっとプロの方からみると不揃いだったり刈り残しがあったり、問題だらけだったかもしれませんが、そこは「体験」が主目的なので何でも教えてくれました。

わたしが「へー」と思ったのは、束の縛り方。縛ったのは初めてです。なわで巻いて結ぶのかな?と、思いませんか?やってみると、ちぎれたりなわの長さが足りなかったり、うまくいかないんですよ。
おじいちゃんが教えてくれました。その手際の良さに感動。くるっと巻いて、両側をひねりあわせ、さらにねじって巻いた輪にねじ込むのです。それをかざかけする。
「これで、落ちてけーへん」。
なるほど!しっかりしています。
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見よう見まねの稲刈り体験。なんとか進みました。
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予定時間がくると、そこで修了して、こんどは再び会場に戻って、おもてなしです。
このおもてなしの準備を考えると、ありがたさがじわじわきます。(自分でもイベントをしたことがあるわけですが、あんなことも、こんなことも必要だっただろうなあと想像してしまう)
新米のおにぎり、当地でとれた小麦で作った団子の入った団子汁。自分でつくって焼いてもらうピザ。おなかいっぱいになります。参加者の多くは、子どもさん連れのファミリーなので、大人も子どももわくわくしていました。
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各テーブルにサーバーが置いてありますよね。
この中には、あったかい麦茶が入っていたのですが、その香ばしい美味しさにプチ感動!
「どこで買えますか?」と、思わず聞きました。
多地区の特産品は、道の駅で買えるものも多いので、おそらく道の駅ではないかと予想したのです。
しかし返事は「売ってないんです。イベントのために、頑張って煎ったんですよ」。
なんと。ご苦労様です。ありがたいです。いっそう美味しく感じました。ペットボトルの麦茶しか飲んだことのない人に、一口飲ませてあげたい味でした。

とある少年の戦利品。
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かえるくんですよー。

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大事に育ててくれるかな?

わたしも最後に、おいしいものをいただきました。
新米おにぎり。ごはんつやつや。
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団子汁。鶏肉のつみれいり。出汁に工夫がなされていたそうです。これがまた、美味しくて、帰り道に同じような材料を買って、その日の晩ご飯で真似してみました。(味は真似できませんでした )
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一日、あたたかいおもてなしをしていただき、大変楽しいひとときを過ごすことができました。

今、おしゃれなマルシェが流行しているように感じます。それは、かわいいものが好きなあなんも、嬉しいことです。

でも、この日は、ガーランドも、黒板に書いたチョーク文字も、カフェも、ライブも、何もなくて、ただ地元の方のあたたかいおもてなしと、野菜や特産品が並べてあるのと、生きものに出会える田圃があるだけの、だからこそ心のあたたまる思いのするイベントでした。

なわの括り方を教えてくれたのは、昔の農法(牛で耕したり、草や糞を肥料にしたりする)を知るおじいちゃんでした。今はコンバインがしてくれます。こんな知恵もイベントを通して伝えられて行くのが、嬉しいと感じました。

多地区は、車の運転ができないあなんでも電車で行ける、近くにある田舎。

現代という時代にあわせて、変化するところは変化するとして、太安万侶の時代から続くこの地の田園風景が受け継がれていってほしいと思いました。そして、次は、多神社にお参りにいかなくちゃ(まだ行ってないの?ってつっこまれそうですが)と、思いながら帰ってきました。





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35号ができあがり、ほっとしたのもつかの間、
郵送や配達を頑張りました。
一部を残しておりますが、ほぼ完了いたしました。

書店やお取り扱いスポットからご購入の場合は
もうすこし時間がかかるかと思いますが
ぼちぼちと、並ぶことでございましょう。
お見かけになったら、お手にとってみてください。

陳列いの一番は、ぷろぼの食堂さん。
35号プロボ食堂へ

フリーペーパーと間違えて、お持ち帰りされる方があるらしいとのことで
一冊ずつ袋に入れることになりました(笑)

薄いので、誤解されるのでしょうか。
100ページくらいを目指して頑張ります。
(遠い目標)

どの記事も渾身の書き下ろしです。
読者の皆様、次の号がでるまで、ゆっくりとお読みくださいませ!

さとびごころは、「読みたい人」に届けるためもあり、
また経費をまかなうためもあり、有料にしています。
お金を払ってまで手にしてくださったお一人お一人に
いつも感謝しながら制作しています。
ありがとうございます。

32号から登録お申し込みの方は、更新の時期となりました。
ぜひ引き続きよろしくお願い致します。

HPでは、ひとつ前の34号がお読みになれます。

さとびごころは、今年はこの号が最後になります。
あっという間に、年末がやってくることでしょう。
リスタートから1周年を迎えます。
一年の流れが、だいたい分かり、
「もっとこうしていきたい」という案も
いくつか見つかりました。
少しずつですが、進んでいきますので。


来年1月、冬号では2年前から「出番待ち」をしていた
縄文をテーマに取り扱います。
ぜひ楽しみにしてください。








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さとびごころ35号(2018 autumn)ができました。

これから順次、お届けしてまいりますので
よろしくお願いいたします。

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 [特集 農がつなぐ人と土]
   
05 ひとりでやらなくていい。あきらめない無農薬栽培。
----杉浦英二さん   
小原いおり (フリーライター)

10 農村地域は博物館!大人や子どもたちに農地の多様な価値を伝えたい
----美しい多地区の田園風景を楽しむ会
阿南セイコ  (さとびごころ編集部)


[企画取材 山村の朝市]

12 下北山村の「土曜朝市」が5年の間に創りだしたもの  
寄稿 :小野晴美さん(下北山地域おこし協力隊 NPO法人サポートきなり)

[連載]

02 森のねんどの物語 「捨てられない割り箸を」2 文 :みちやす×編集部

14 《森とともに生きる》
十四代目林業家 ドタバタイノベーション奮闘記 第10回 谷 茂則

16 《地域ブランド大国ドイツ》 
第11回  地域ブランドを支える知のインフラとしての博物館 柳原伸洋

17 《自然の声に耳をすませて》 vol.02 秋の雨音 クレメンツ カオリ
 
18 《種生む花》 #02 家族野菜のこと 三浦雅之&陽子

20 《あすならもり便り》 03 森林経営管理法とどう向き合うか? 杉本和也

24 ルチャ・リブロ的土着人類学研究室   (最終回) 青木真兵

26《GOMIGEN最前線》
#01サルベージパーティーでフードロスを楽しく解決!  北井 弘(新連載

[SATOBICO TIE UP] さとびごころ×ぷろぼの(新企画
 
22 無農薬よもぎ栽培事業は、僕にとって偶然ではない仕事。
塚月聡一さん(社会福祉法人ぷろぼの)   
小幡直子(奈良新聞記者)

[コラム]

27 明日の下北山村考察録(最終回!) 北  直紀 | 吉野の会便り 中東洋行 
28 醤油小噺 片上裕之 | 京終かいわい散歩 大浦悦子   
29 さとび的読書さんぽ 嶋田貴子
30 一問一答 構成  阿南セイコ
SATOBICO GOODSのご案内  2019カレンダーセット

31 編集後記・さとびごころが読める場所
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