さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

カテゴリ: 健康になる食

こんにちは。あなんの雑談のコーナーです。
このカテゴリーは、文字通り雑談で、こんなことを考えていますとか、こんなことに注目していますといったお話をすることで、さとびが生まれる背景のご紹介になるかもしれません。
でも、さとびに取り上げる以前の、わたしの個人的なコメントになります。

なので、ちょっと気ままにつぶやきますね。

さとびづくりをしていると、自然栽培や有機栽培をしている知り合いが増えますが、日本全体でみる「なんと、1%にも満たないのか!」と残念な気持ちになったことがあります。

最近のデータでは、それが少し増加しているようです。とはいえ、0.6%ですけど。

日本の有機農業の取り組み面積について
クリアに読みたい方は、こちらをクリック

>日本の有機農業の取組面積は過去10年で約5割拡大。
>近年、有機JAS認証を受けてる農地の取組面積が拡大傾向。特に北海道や普通畑、九州の茶畑の麺s系が大きく拡大。


有機農業とは、(禁止されている)農薬や化学肥料を使わず、遺伝子組み換え技術を使わないものということで、環境保全型農業になります。

有機栽培だけでなく、慣行栽培であろうとなんであろうと、わたしは農業に感謝しています。その中で、輸入に依存している農薬や化学肥料の使用をできるだけ減らす方向へ少しでもシフトできたら、それが認証であろうとなかろうと関係なく素晴らしいと思うのです。

日本は、世界で否認されている農薬が使われていると聞いたことはありませんか。
ネオニコチノイドに関する報道をご存じでしょうか(TBSが報じました)。
また、ウクライナの影響で化学肥料が高騰しているとか。(あ、そういえばうちのガス代も11月から跳ね上がるらしいです)

こんな時代だからこそ、自然に近い農業が見直されていくことを期待しています。

有機栽培や自然栽培は、収量が減ると言われていますが、一方では、豊かな収穫をあげている有機栽培農家さんもあります(ポイントは土づくりのようです)。そうした先人の取組に学べば、可能性はあるのではないでしょうか。

わたしも畑活をしていますが、こんな「ど素人」でも農薬も化学肥料も使わず育てることはできています。収量は少ないですけど、家庭菜園だから大丈夫。でも、産業となるとそうはいかないのは想像できます。なんとか、志ある人から、少しずつシフトの波が起こりますようにと願っております。


小さな動きは、農林水産省のデータには反映されないのではないでしょうか。実際には、0.6%以上の面積が存在するのではないかと、勘ですけど、思います。
体は食べものでできている。食べものは農地でできている。農地を守れば、体を守れる。自然や環境を思って栽培される農家さんが作られたものを買うこと、食べること、また自らも育ててみること、さらには、雑草キッチンセミナーでお伝えしていることですが、野草が生きる環境を守ること。
誰でも自然を守る方向で関わることができると思います。 

補足

農薬のこと。
このエントリーをはてなブックマークに追加

9月になりました。秋号の制作、アクセルを踏むときです。
頑張れー。(自分に言っています)

8月の出来事として、クレメンツさんに教わるスパイスカレーキッチンセミナーをしましたことをご報告します。

クレメンツさんは、vol.46「薬食同源奈良」をはじめ、普段からお世話になっている自然療法を普及する活動をしている先生です。拠点は薬草の里、宇陀市ですが、奈良まで出張していただいています。

 カレー出来上がり

FBでも写真レポをしていますので、ご覧ください。FBアカウントをお持ちでない方もご覧いただけます。


スパイスカレーと聞いたら、辛いカレーを想像される方が多いと思いますが
辛いスパイスはペッパー、ジンジャー、マスタードなどの一部に限られており
香りや色を活かすもののほうがずっと多いのです。

そんなスパイスのほとんどは薬草たち。植物が害虫を寄せ付けないよう身を守るために作り出した成分を、人間がいただき健康に役立てます。

ですから、クレメンツさんのスパイスカレーは、刺激が少なくコクと旨味と甘味のある基本のルーです。これに好みに合わせて、辛味の強いスパイスを増やしたり、甘みのあるリンゴを加えたりと、アレンジすればOK

小麦粉を使わずにトロミを出すのも、クレメンツさんのカレーの特徴です。
ですから、小麦アレルギーの方にも安心。 



料理というものは、レシピの通りに作れば作れないことはないのですが、
やはりライブで実際に自分の目で見て、自分の耳で聞くことで得られるものが多い。
ブログで全てをお伝えするのは限界がありますが、いくつかポイントをシェアしますね。



ターメリックライスにもスパイスを
ターメリックライス

シナモンやクローブなどが入っています。食べる前に取り除きますよ。

基本になるスパイスが、シナモン、グリーンカルダモン、クローブ。
基本のスパイス

シナモンは、手でポロポロと崩しておきます。

まずは、この基本スパイスをオイルで温めて成分を油に移していく、というのが最初の大きなポイントでした。(こんなことするんですねー)スパイスには脂溶性の成分があるので、このようにしないとせっかくの成分をちゃんと摂れないそうですよ。

スパイスの成分をオイルに
油が沸騰したら、火から離して加減をしながらぐつぐつ。
このスパイスの成分たっぷりの油を使って、玉ねぎを炒めます。


ここで重要なポイントだと先生がおっしゃることが。

オイルの最後の一滴まで、スクレイパー(へら)を使って丁寧に集めること。

なんだそんなこと?と思われそうですが、一滴のオイルにもたくさんの成分が抽出されて含まれているため、この手間を惜しむかどうかは味に関わるそうです。(洗い物も楽になりますね)

油分を制限している方もあるかもしれませんが、油分は大切な栄養素です。ただ、原料や製造工程によっては質の悪いものもありますので、そこはちゃんと選ぶのがおすすめ。



ルーの基本は、玉ねぎ。一人当たり1個強(玉ねぎのサイズにもよりますが)が目安。
粗みじんに刻んで、茶色く色づきとろとろになるまでじっくり炒めます。
この日のために、先生があらかじめ完成した玉ねぎベースを作って持ち込んでくださいました。
先生がこのように事前準備してくださることに対しては、いつも感謝にたえません。
知識や実演の伝授だけでなく、最上級の素材を集めて用意してくださることや、このような水面下のお仕事も含めての受講料だと思います。
 
この玉ねぎベースは作り置きしておいたら、スープやソースなど、いろんな使い道がありそうだなあと思いました。

カレー作りの中で、一番時間がかかるのはここだけと言ってもいいくらい。



これにすりおろしたニンニク、しょうが、完熟トマト、さまざまなスパイス(ガラムマサラ以外にも何種類ものスパイスが入りました)を加え岩塩で味を整えます。
スパイスたち

 
クミンなどの香りを楽しむスパイスは、最後のほうに入れましょう。香りの中に有効な成分が含まれているので、飛んでしまうのはもったいないことなのです。


カレーができたらトッピングの野菜を調理します。この日は、ひもとおがらし、ぼっちゃんカボチャ、ミニトマト、きゅうり(緑色の小さな実)、ピーマン、ドライのブルーベリーです。

カレーの素材となる野菜
 
素材となった野菜あれこれ

前もって、和チャイの準備のため、スパイス成分を抽出してくださいっていました。
和チャイ抽出
ほうじ茶、甘酒(宇陀市の酒蔵、久保本家酒造さん製)と合わせて、「和チャイ」の出来上がり。

参加者全員で「いただきます」しました。
スパイスカレーセット

トッピングや具材は、好みでアレンジ。ヴィーガンでない人は、チキンなど動物性タンパク質もトッピングしてどうぞ。


今は薬膳や薬草という言葉が広く浸透してきているのは喜ばしいことだと思います。
できるだけ、きちんとした知識を得て有効に活かしたいものですね。
さとび読者のみなさん、もしよろしければ交流をかねて、さとびこワークショップにご参加なさいませんか。お待ちしています。

これからの時代は、いかに一人一人が「普通に暮らしているだけなのに、それがそのまま健康につながっていく」「医療費がかからない」ような食のありかたを身につけられるかどうかが、ますます大切になってくると編集部では確信しています。
自然療法のプロであるクレメンツさんを講師にお招きしているのは、そのためでもあります。
それでいて、やさしく楽しく、なごやかな雰囲気で受講できるこのワークショップ、ほんとうにおすすめです。

撮影をしてくれたSakichan、ありがとうございました。 



次回は10月10日。
季節の雑草キッチンセミナー秋
募集人数10名
受講料 3800円(読者の方)4000円(一般の方)
会場 喫茶と雑貨 アンジュール (奈良市 学園前駅から徒歩すぐ)

すでに数名の方からご予約いただいておりますが、若干お席がございます。
お申し込みをお待ちしています。

編集部(HPのフォーム)、さとびのFB(satobico)、阿南セイコ(FBとインスタグラムもしています)への直接のコンタクトでも受け付けています。お会いできるのを楽しみにしています。



**************************************************************************
100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

オンラインショップはこちら。

**************************************************************************



 
このエントリーをはてなブックマークに追加

セミの声がにぎやかです。
こどもの頃、ラジオ体操に行くといつもこの声に包まれていました。
一生のほとんどを土の中ですごし、たくさんないて、命を終えていくセミ。
子孫がまた産まれてこれる環境が住宅街の中に残されていますように。


畑活をしていると、季節が変わるにつれて
旺盛な雑草も変わっていきます。
初夏の頃に花盛りだったホトケノザやナズナ、シロツメクサ、みんな終わっています。
かわりに元気になってくるのがツユクサ。
夏本番を教えてくれる青く美しい花です。

そのツユクサを食べてみました。
ツユクサ



先日の雑草キッチンセミナーでおいしかったツユクサのおひたしを真似してみたくなったのです。
さとびvol.46では、ツユクサも薬草として紹介されています。
ツユクサ説明vol.46

セミナーでは、栄養を逃さないためにさっと湯通しされていました。

季節の雑草キッチン10
これ、天ぷらじゃなくて(笑)、沸騰したお湯の中につゆくさを入れてるところです。

そして作ったツユクサのおひたし、食べてみると茎のところが固くて食べにくかった!

同じように真似される方のために、書いておきますと
わたしがつんだツユクサは、畑の真ん中で360度直射日光を浴びて育ったものでした。
植物は強い太陽光線から身を守るために丈夫に育ってしまうのかも。

そういえば、クレメンツさんから聞いたことがあります。



野草は、日陰に多い。
 


ツユクサは、どこでも生えてることができ、木陰や建物の近くなどあまり日当たりがよくなくても十分育ちます。もしかしたら、そういう日陰(全くの日陰はだめですけど)気味で育つツユクサの、まだ若いものを詰んできたらよかったのかもしれません。葉っぱの部分は美味しくいただきました。
硬いかな?と思ったら葉っぱだけを食べようかな?

今回は、花が綺麗だなーと思って詰んできたので、次回は、「食べるため」を意識して詰んでこようと思います。

また、クレメンツさんには、フィールドで雑草の摘み方やどこにどんな雑草(薬草)が生えているのかを教えてもらう企画も、面白いかなと気づきました。

興味のある方がいらっしゃいましたら企画しますので、お声かけくださいね。いっしょに、楽しいことをたくさん、たくさんやりましょう。
副読本は、さとびvol.46 薬食同源奈良、ですね。



 

このエントリーをはてなブックマークに追加


季節の雑草キッチン16

クレメンツさんを講師に7/18に開催した「季節の雑草キッチンセミナー夏」のアルバムです。
前の投稿ともあわせてどうぞ。(こちらの写真のほうが綺麗です ^^)


おかげさまで大好評でした。


次回「秋」は10月10日の予定です。
テーマは、「秋の七草を愛でる」。

終了後に、うれしいお声をいただきました。



「素材の力を活かす料理法も、生活に取り入れたいと思います!幸せな時間でした」
「全部おいしくて、とってお楽しかったです。雑草取って料理してみます。次回も楽しみにしております」
「お料理・お茶全て美味しく、野草が身近に感じられるようになりました」
「人の繋がりをとても大事にされているのがとてもよくわかりました」
「なんだか雑草が愛おしく思えてきました」

セミナーの後で、嬉しいお声をいただきました。

編集部では自然にも人にもやさしいあり方のための「学び」と「うれしさ」のある場を作る活動をこれからもしていきます。
「秋」のご予約もすでに数名の方から伺っていますが、満席になってもご要望がありましたら別枠での開催も検討しますので、興味のある方はお気兼ねなくひとまずお問合せくださいませ!
 


ご要望があり(といいますか、編集部が提案したのですけど)、8月28日に急遽「スパイスカレーセミナー」を行うことになりました。残席はわずかですが、ご希望の方がありましたらご連絡ください。
HPフォーム(最後に載せます)、メール、阿南の個人メッセンジャー、なんでもOKです。



(フォト担当は咲ちゃん。ありがとう!)

季節の雑草キッチン1

季節の雑草キッチン

季節の雑草キッチン6
季節の雑草キッチン5
季節の雑草キッチン8

季節の雑草キッチン9-1
季節の雑草キッチン9-2


季節の雑草キッチン10
季節の雑草キッチン10-2

季節の雑草キッチン11

季節の雑草キッチン12-2

季節の雑草キッチン12

季節の雑草キッチン13

季節の雑草キッチン14

季節の雑草キッチン15

季節の雑草キッチン17

季節の雑草キッチン18

季節の雑草キッチン19

季節の雑草キッチン2
季節の雑草キッチン3
季節の雑草キッチン4-1


季節の雑草キッチン21
季節の雑草キッチン22


季節の雑草キッチン20

季節の雑草キッチン21jpg


54075

クレメンツさん、ありがとうございました!



**************************************************************************
100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

オンラインショップはこちら。

**************************************************************************









このエントリーをはてなブックマークに追加

季節によりそう食養生vol.42

42号からの新連載 季節によりそう食養生-夏-

旬の食べ物には、そのとき摂るべき要素が自ずと含まれているものです。旬を問わずに食べ物が手に入る時代なればこそ、体を元気にしてくれる食の知恵を取り戻したいですよね。

夏号からは、「菜食ごはん休日ダイヤ」の三瓶歌奈子さんに、「食で命を養う」ことを感じさせてくれるエッセイ&レシピを連載していただきます。


三瓶さんは、宇陀市の店舗の運営ののち、4月からは食養アドバイザー、ケータリング等の活動をされています。

夏号がおてもとに届くころ、夏の土用(7/19〜8/9頃)に入ります。季節によりそい、食養生してみてください。わたくし、三輪そうめんを確保、スタンバイいたしました!




-----------あなんのメモ--------

宇陀市の人気カフェ「菜食ごはん休日ダイヤ」さんがクローズになると聞いたのは今年の春。

店主の三瓶歌奈子さんから「これからは、料理教室なども考えています」とお聞きしていました。

夏が近づき、お願いしていた連載の原稿が美しい写真(編集部の撮影では、なかなかこうはいきません)と共に届くと、プロフィールには「食養アドバイザー」とありました。新しい活動が始まったのを確認して、嬉しくなっています。。


歌奈子さんは、もともとはグラフィック系の職にあった方。ご自身の体調のことが原因で、食を勉強され、オーガニックレストランで経験を積まれていた頃、3.11が起こります。しばらくののち、やはり体調に不安があったために、移住を検討されました。そして、奈良県の移住体験ツアーをきっかけに奈良への移住となったのでした。仲間といっしょにお米づくりなど、農的な活動もされています。
 

「菜食ごはん休日ダイヤ」さんは、古民家のたたずまいと、センスあふれるインテリアや食器などがよく似合う美しい店でした。これからの連載にも、歌奈子さんのセンスがたっぷりと反映されるのではないかと、楽しみにしています。

歌奈子さん、これからもよろしくお願いします。 





このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ