さとびこ編集室日記|100年住みたいのは自然にも人にもやさしい地域

自然と人のつながりを地域に根ざして考える奈良発ローカルマガジン「さとびごころ」を編集する「さとびこ編集室」より、日々の活動のことやお知らせ、雑談を綴ります。 雑誌づくりを通して、自然にも人にもやさしいあり方をみなさんとともに考えます。

2022年08月

さとび秋号の取材で、広陵町の米惣よしむらさんを訪ねました。

米惣よしむらさんー1

真美ヶ丘ニュータウンに隣接する旧村エリアに位置し、ニュータウンに住まう人々に愛されておられるお店です。


 帝塚山大学教授の河口先生による連載「奈良の地酒とちいさな酒屋の物語」でお伝えします。
米惣よしむらさんー6

 今回も、書けない話?も含めて(笑)、実りある取材ができました。先生の原稿が楽しみです。 

あなんは相槌をうつのと、少しずれた質問をしているだけでしたが、
河口先生の取材は的を得ているものばかりでした。 



米惣よしむらさんー3
取材中の河口先生。


この連載は、日本酒を通して社会学の研究をされている河口先生が、奈良の地酒ブームの背景にあるちいさな酒屋の物語を追うもので、vol.46から始まりこの秋号で6回目になります。

vol.46 第1回 物語のはじまり
vol.47 第2回 酒のあべたや
vol.48 第3回 西ノ京地酒処きとら
vol.49 第4回 もも太朗
vol.50 第5回 酒商のより

いずれも奈良の地酒ファンの間では良く知られたお店ばかりですよ。どの店も配達中心の展開から、大手ショップの出現、日本酒ファンの減少、インターネットの普及など、次々と押し寄せてくる時代の変化に対応し、奈良の地酒を中心に扱うことになっていくなかで、ちいさな酒屋同士のつながりが生まれていきました。
連載を読み解いていただければ、そんなネットワークに気づいていただけるようになっています。

それぞれが自立しながらも仲良し。だけど徒党は組まない。

ヒエラルキーに縛られたこれまでの組織や人間関係から抜け出す、あたらしいつながり方ではないでしょうか。そういう側面からも読んでいただくと面白いと思います。
 

そうそう、過去にあなんが取材させていただいた方の商品が並んでいました。

米惣よしむらさんー5

米惣よしむらさんー4
獣害とジビエをテーマにした特集でインタビューした阪口さんの商品です。ジビエ製造と養蜂をされています。
はちみつは、すぐに売り切れてしまうようですが、こちらで購入できますね!!

聞くところによると、吉村さんは渓流釣り好きの犬好きで、阪口さん(天川村洞川)とは長いお付き合いだそうです。
さとびをやっていますと、意外なつながりに遭遇して嬉しくなります。

 

 
取材が終わると、編集部あなんは、ひさびさに大倉さんの濁酒を求めました。もう、すでに、一口飲んじゃった。注意して開栓しないと、あふれるやつです。うまくできました。

米惣よしむらさんー7濁酒



おいしいなあ♪ 

あ。ここだけの話ですが、河口先生との会話の中で、いつかさとびこ主催の河口先生のお話会をしようではないかということになりました。このごろ、先生は奈良の地酒をテーマにほうぼうから講演を頼まれるそうです。そのたびにさとびのことも紹介してくださっているそうですが、さとびの読者がそのお話を聞けるかというと、そうでもなく。(参加者限定のものが多いため)

だったら編集部で企画して、聞き酒をしたり、ゲストをお招きしたり、美味しいものを食べたり…という独自のお話会をすればいいのではないか!ということで盛り上がりました。まだ妄想段階ですが、実現しそうな気がします。

その時には!!!

奈良の地酒好きなさとび読者の方!!!
ぜひご参加くださいませ!! !!!!!


ではでは、さとびvol.51秋号を お楽しみに。宜しくお願いします!


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9月になりました。秋号の制作、アクセルを踏むときです。
頑張れー。(自分に言っています)

8月の出来事として、クレメンツさんに教わるスパイスカレーキッチンセミナーをしましたことをご報告します。

クレメンツさんは、vol.46「薬食同源奈良」をはじめ、普段からお世話になっている自然療法を普及する活動をしている先生です。拠点は薬草の里、宇陀市ですが、奈良まで出張していただいています。

 カレー出来上がり

FBでも写真レポをしていますので、ご覧ください。FBアカウントをお持ちでない方もご覧いただけます。


スパイスカレーと聞いたら、辛いカレーを想像される方が多いと思いますが
辛いスパイスはペッパー、ジンジャー、マスタードなどの一部に限られており
香りや色を活かすもののほうがずっと多いのです。

そんなスパイスのほとんどは薬草たち。植物が害虫を寄せ付けないよう身を守るために作り出した成分を、人間がいただき健康に役立てます。

ですから、クレメンツさんのスパイスカレーは、刺激が少なくコクと旨味と甘味のある基本のルーです。これに好みに合わせて、辛味の強いスパイスを増やしたり、甘みのあるリンゴを加えたりと、アレンジすればOK

小麦粉を使わずにトロミを出すのも、クレメンツさんのカレーの特徴です。
ですから、小麦アレルギーの方にも安心。 



料理というものは、レシピの通りに作れば作れないことはないのですが、
やはりライブで実際に自分の目で見て、自分の耳で聞くことで得られるものが多い。
ブログで全てをお伝えするのは限界がありますが、いくつかポイントをシェアしますね。



ターメリックライスにもスパイスを
ターメリックライス

シナモンやクローブなどが入っています。食べる前に取り除きますよ。

基本になるスパイスが、シナモン、グリーンカルダモン、クローブ。
基本のスパイス

シナモンは、手でポロポロと崩しておきます。

まずは、この基本スパイスをオイルで温めて成分を油に移していく、というのが最初の大きなポイントでした。(こんなことするんですねー)スパイスには脂溶性の成分があるので、このようにしないとせっかくの成分をちゃんと摂れないそうですよ。

スパイスの成分をオイルに
油が沸騰したら、火から離して加減をしながらぐつぐつ。
このスパイスの成分たっぷりの油を使って、玉ねぎを炒めます。


ここで重要なポイントだと先生がおっしゃることが。

オイルの最後の一滴まで、スクレイパー(へら)を使って丁寧に集めること。

なんだそんなこと?と思われそうですが、一滴のオイルにもたくさんの成分が抽出されて含まれているため、この手間を惜しむかどうかは味に関わるそうです。(洗い物も楽になりますね)

油分を制限している方もあるかもしれませんが、油分は大切な栄養素です。ただ、原料や製造工程によっては質の悪いものもありますので、そこはちゃんと選ぶのがおすすめ。



ルーの基本は、玉ねぎ。一人当たり1個強(玉ねぎのサイズにもよりますが)が目安。
粗みじんに刻んで、茶色く色づきとろとろになるまでじっくり炒めます。
この日のために、先生があらかじめ完成した玉ねぎベースを作って持ち込んでくださいました。
先生がこのように事前準備してくださることに対しては、いつも感謝にたえません。
知識や実演の伝授だけでなく、最上級の素材を集めて用意してくださることや、このような水面下のお仕事も含めての受講料だと思います。
 
この玉ねぎベースは作り置きしておいたら、スープやソースなど、いろんな使い道がありそうだなあと思いました。

カレー作りの中で、一番時間がかかるのはここだけと言ってもいいくらい。



これにすりおろしたニンニク、しょうが、完熟トマト、さまざまなスパイス(ガラムマサラ以外にも何種類ものスパイスが入りました)を加え岩塩で味を整えます。
スパイスたち

 
クミンなどの香りを楽しむスパイスは、最後のほうに入れましょう。香りの中に有効な成分が含まれているので、飛んでしまうのはもったいないことなのです。


カレーができたらトッピングの野菜を調理します。この日は、ひもとおがらし、ぼっちゃんカボチャ、ミニトマト、きゅうり(緑色の小さな実)、ピーマン、ドライのブルーベリーです。

カレーの素材となる野菜
 
素材となった野菜あれこれ

前もって、和チャイの準備のため、スパイス成分を抽出してくださいっていました。
和チャイ抽出
ほうじ茶、甘酒(宇陀市の酒蔵、久保本家酒造さん製)と合わせて、「和チャイ」の出来上がり。

参加者全員で「いただきます」しました。
スパイスカレーセット

トッピングや具材は、好みでアレンジ。ヴィーガンでない人は、チキンなど動物性タンパク質もトッピングしてどうぞ。


今は薬膳や薬草という言葉が広く浸透してきているのは喜ばしいことだと思います。
できるだけ、きちんとした知識を得て有効に活かしたいものですね。
さとび読者のみなさん、もしよろしければ交流をかねて、さとびこワークショップにご参加なさいませんか。お待ちしています。

これからの時代は、いかに一人一人が「普通に暮らしているだけなのに、それがそのまま健康につながっていく」「医療費がかからない」ような食のありかたを身につけられるかどうかが、ますます大切になってくると編集部では確信しています。
自然療法のプロであるクレメンツさんを講師にお招きしているのは、そのためでもあります。
それでいて、やさしく楽しく、なごやかな雰囲気で受講できるこのワークショップ、ほんとうにおすすめです。

撮影をしてくれたSakichan、ありがとうございました。 



次回は10月10日。
季節の雑草キッチンセミナー秋
募集人数10名
受講料 3800円(読者の方)4000円(一般の方)
会場 喫茶と雑貨 アンジュール (奈良市 学園前駅から徒歩すぐ)

すでに数名の方からご予約いただいておりますが、若干お席がございます。
お申し込みをお待ちしています。

編集部(HPのフォーム)、さとびのFB(satobico)、阿南セイコ(FBとインスタグラムもしています)への直接のコンタクトでも受け付けています。お会いできるのを楽しみにしています。



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100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン
さとびごころ(編集:さとびこ編集室 発行:オフィスエルインク)
https://satobigokoro.org/

ご購入、お問い合わせはHPのフォームからどうぞ。

オンラインショップはこちら。

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秋号の特集で、炭を取り上げることにすると決めたのは昨年のこと。

畑活デビューガイド(vol.48)の中でも少し触れていますが
土に炭を返していくことの可能性について関心をもっていた編集部は、
高槻のバイオチャーエネルギー研究所の島田さんと出会いました。

(島田さんはその後、さとびの読者になってくださいました!ありがとうございます!!!) 
 


未利用の植物資源を画期的な方法で炭化させてしまう取り組みを
ぜひ紹介したいと、かねてからご協力をお願いしていました。

そうこうする間に、「季刊地域」に登場され

 


それから今日までの間に、ものすごい変化が起こってしまっています。

島田さんが開発された炭化装置でペットボトルを炭化するプロジェクトに対して
クライドファウンディングで、1000万円を超える支援が集まったのです。


ハワイに日本の炭化技術を!
漂着ペットボトルを炭化し、資源循環させる

クラウドファウンディング


 島田さんのコメントです。

島田さんメッセージ


加えて、最近知ったことですが、コロカルに掲載された天理市内の取り組みに登場しているこのプラントが
どうしても島田さんのものに似ていると思えてしかたがなかったのですけど


コロカル



下記の動画を見て、「間違いないやん」と思った次第です。

「世界を変えると思う」流木や間伐材を効率よく資源化する“現代版炭窯”CO2削減へ熱海の企業が移動式装置を開発【SDGs】


動画の中の、ワンショット

島田さんと天理市長と服部さん


バイオチャーの快進撃はすごいです。

これには、4パーミルイニシアチブ(パーミルは0.1%)も関連していると思います(と、あなんが勝手に思っている)。
(4パーミルイニシアチブをざっくり言うと、土の表層にある9000億トンの炭素を年間ほぼ0.4%増やすことができれば、43億トンの排出分の大半を帳消しにできる説。土に有機物を!)
今、世界がバイオチャーに注目しています。


もう、さとびごころが取り上げるまでもなく、ブレイクされていますよね、島田さん。
ご多忙のところ、ご寄稿いただくのが恐縮です。
島田さん、秋号ではどうぞよろしくお願いします。

そして、これからのご活躍、期待させていただきます!

畑活をするために、土について学んでいくなかで、
微生物、不耕起、炭素循環、焼畑、クロボク土、テラプレタ、バイオチャー、…
さまざまなキーワードが頭の中でぐらぐらしています。
土に関する本


秋号の特集を宣言してしまったものの、果たして、納得のいく特集を作ることができるのでしょうか(毎号毎号、このプレッシャーで胃が痛くなるくせに、それでも作る)。

少なくとも、いまホットな話題の真っ只中にいらっしゃる島田さんに登場していただけることは確かです。島田さんがさとびごころにどんなご寄稿をいただけるか、どうかみなさん、楽しみにしていてくださいませ。










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最近は、中継では見なくなりましたが毎回気になる高校野球。
かつてはかぶりつきで見ていました。
今でも好きです。
なので、今日は編集とは関係ないのですが夏の甲子園のお話。

ベスト8くらいになると、
全員優勝させてあげなくなってしまうセイコさんです。 

今年は、大阪桐蔭が敗れ、
東北初の優勝旗が仙台育英へ。



「雲は湧き、光あふれーてー」
テーマ曲が流れて、表彰式が行われるとき、
甲子園に秋の風が吹きます。

監督さんのコメントに愛がありました。
たくさんの共感が集まっていましたね。


入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。でも本当にあきらめないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。
 例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめないで暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。
https://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GMZQ8QPTIL01M.html


仙台育英1
写真はhttps://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GMZQ8QPTIL01M.htmlからお借りました。


この監督さんは、高校時代、ベンチ入りできない自分の力を知っていて、裏方に回った経験があるそうです。誰も手をあげる人がいなくて、泣きながら自分から手をあげたんだそうです。
だからこそ、ベンチ入りしても出番のない選手、スタンドで応戦する選手、敗れたチーム、その他関係者への思いを忘れることがないのだと思います。

強いとは素晴らしいこと。
優勝というのは、最高に価値のあること。


その優勝が素晴らしければ素晴らしいほど、
敗れることによって優勝というその素晴らしさをともに創出した
全国の高校球児のみなさんが素晴らしいのだと思います。



挫折や、弱さを知っている人しか
わからない気持ちがありますよね。
悔しいだけで終わらずに、糧にした人は
いっそう輝いて見えます。


コロナの感染者数が増えているわりに
感染したからといって死に怯えている人は
すっかり減ったように思います。
治癒されている方がほとんどです。
むしろワクチンの後遺症のほうが心配なほど。
わたし個人は、テレビ報道はあてにならないと思っています。
(単純に信用するのは危険であるというくらいに思っています)

そのコロナに翻弄された世代の、「密な青春」甲子園でした。

仙台育英2
写真はhttps://www.asahi.com/articles/ASQ8Q6GMZQ8QPTIL01M.htmlからお借りしました。
 

一生ものの経験を、これから続く長い人生に活かしてください。
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こんにちは。
さとびのコンセプトにあるやさしさ。

100年住み続けたい地域には
自然にも人にもやさしい
思想と取り組みがある。

ひらがなで書いていますが、

漢字にすると
人を100回愛すると書くのだと、どこかで読みました。

優
 

たしかに。愛が隠れていますね。

恋愛感情という意味でなくて、
たとえば100人の人を愛せるような人は、
自然にもやさしいかもしれませんね。

愛があるとはやさしいこと。
生命を肯定すること。

本当は、愛さえあればいいのだと思うのですが
そんなに単純には伝えられそうになくて、
それをどうしたらいいのかと
毎号毎号、思いあぐねています。


わたし自身が自らを深めることですね。
いつまでも。
ゴールはありません。

ピンクのチューリップ
ピンクのチューリップ 花言葉 優しさ



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