そら豆ができました。
アイフォンの写真には、去年の今ごろ、そら豆を持ってにっこりしている部員さんがおさまっています。今年もおんなじような写真をとっている。そうして、この時期がそら豆の季節だということを実感として理解していくわたしです。
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部員さんは腰が痛いといって、立ってできる作業しかできず(だからお腹をひっこめようよ)ほとんどの作業はわたしがやるしかない。その作業が好き。野菜を観察することができますから。

畑活をするまでは、こんなに毎日のように野菜を食べたりしなかった。
さとびをするまでは、こんなにお米中心の食生活でもありませんでした。パスタが大好きでしたので、迷ったらパスタ!の人でした。(今も好きですけど、頻度を減らしています)

最初は興味。自分の中に生まれた興味を無視せずに知ろうとすると、疑問が生まれ、謎解きのためにまた興味が生まれて、次々と扉をあけていくことになります(学者さんのようにはいきませんが)。すると、同じものを見ても、面白くなったり感動したりするんですよね。これは何にでもあてはまる原理なのかもしれませんね。

わたしは観葉植物さえ枯らしてしまう「育成苦手派出身」なので、野菜を育てるなんて自信がありませんでした。興味があるのに、自信がないから一歩踏み出せず年だけ重ねてきました。
でも、やってみると野菜は自分である程度育つ力を持っていることがわかりました。何もしてあげられなくても、それなりに育ってくれた。形がゆがんでいたり葉っぱが食べられたり、さんざんでした。それでも、光を求め土を求め、水やりは雨だけで、与えられた条件の中で野菜なりに頑張って生きているんです。だったら、野菜が喜ぶように何をしてあげればいいのか、もっと知りたくなります。自分の苦手意識とも素直に向き合ってみることができました。苦手でも、下手でも、失敗しても野菜は怒らない。わたしにつきあってくれるのです。

野菜が本当に(自然の原理に沿って)元気に育つには、肥料を与えない(与えすぎない)ほうがいいと知ったことは、トリビアです。「本当に?」「じゃあ、何を栄養にして育つの?」それが菌だったのです(菌が出す成分)。
化学肥料だけでなく、有機肥料であったとしても、肥料を与えたら根っこはそれを求めてしまう。玄米よりもケーキが好き、みたいな?でも、菌を増やしてあげることができたら、土の中の食物連鎖と共生が始まり、野菜が菌を頼ることによって菌も野菜の根っこから栄養をもらって元気になり、野菜も菌からミネラルなどをもらって元気になり、お互いにうまく生きていくことができて、人間のほうは薬代も肥料代もかからずにお財布にやさしくなれるし、これは丸くおさまる話です。

そういうヴィジョンはあるのですが、実際にやってみると、「これでよかったのだろうか。。。」と思うことの連続で、野菜には厳しい環境を与えてしまったのかもしれません。
元気な野菜は虫が消化できないため食べに来ないそうです。元気な野菜は、土から。わたしの畑活現場は、まだそこには至っていないようで、去年の秋野菜たちは、ちょっとお腹を空かせていたように感じました。そういうメッセージを野菜は送ってくれていたのでしょうけれど、学習中のわたしは「与えないことを試してみる」ということをしていて、メッセージがよくわからなかった。もっと経験をして、野菜に喜んでもらいたい。野菜の声がきける人になろう。野菜だけでなく、野菜と共生する生命のことを理解していこう。わたしが学べばいい。野菜さん、少しお待たせしてごめんね、頑張るよ。


そんな中でもそら豆、えんどう豆は元気に育ってくれて、全然虫に食べられませんでした。「そら豆は、アブラムシがすごい!」 と、よく耳にするのですが、ちゃんと豆になるまでの間アブラムシの姿はなく、てんとう虫が明らかに増えたように思います。(わたしは何もしていない笑)
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とれたて豆で豆ご飯。cooked by buinsan

まだまだ難しいと感じる野菜のほうが多い(キャベツ、人参、だいこん、ほうれんそう)けど、わたしなりの経験から生まれる育て方を身につけていきたい。それって、おそらく誰でもできる、難しくない、頑張らない畑活、感動のある畑活になるはず。

いずれ「畑活実践ガイド」をつくる日にむけて、これらは取材力をつけるトレーニングにもなっています。実践者さんのお話を十分に理解して読者さんに届けるためには、自信がなかった野菜づくりをわたしがもう少しできる必要がある。そういう意味では、半分くらいは「編集活動」の一部でもあります。


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ジャガイモも楽しみ。

どんどん進んでいく耕作放棄地化。他県では、それが外国資本に買われていく話を聞きます。
森と農地は、守りたい。そういう祈りのような気持ちが、わたしを畑活に向かわせているところもあります。山で活動する体力はもうありません(もともとなかった、というべき)が、畑なら、わたしにもできるんじゃないでしょうか。植物や小さな生き物たちと、マンションで暮らしながらも近づくこことができます。



夏になれば暑さで大変ですが、今はまださわやかな季節。貴重なしあわせ時間を、味わおうー!仕事を終わらせて畑に行こう、と考えるから結果的に仕事も頑張れます(笑)

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