当オフィスがさとびごころの発行元になることが決まったころ(楽屋裏では2017年に内定してました)
リスタートしたら是非ともやってみたい!と決めていたのが縄文です。

vol.36で実現しました。

 

このとき、お世話になった松田真一先生の著書が『奈良県の縄文遺跡』 (青垣出版発行 2017年)。

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タイトルのとおり、奈良の縄文遺跡が87箇所も紹介されています。
これをバイブルとして、「縄文の奈良2」 をやってみたくてしょうがいないんです。
先日は建国記念日がありまして、ひとつの国として世界一長く続いていることに
喜びと誇りを感じていましたが、神武東遷どころではない昔から
この奈良でも自然と調和しながら人々が暮らしていたことを思うと胸がときめきます。

この本の面白いところは随所に挿入された13のコラムです。
特別な専門知識がなくても、十分わかるように書いてあり、
奈良だけでなく、先生の研究による全国の事例をひもときながら
縄文文化への理解の助けとなる
楽しいコラムになっています。

その中から、「コラム12 動物の中のイヌ」をご紹介したいと思います。

奈良では 特集でもご紹介した橿原遺跡(橿原陸上競技場のあたりです)から
イヌの出土があります。奈良県では少ないそうですが、
全国には人との関係を知る手がかりとなる出土例があります。

イノシシやシカの出土では、「食べた」「骨などを活用した」ことがわかりますが
イヌの場合は「埋葬」されているのがほとんどなのですね。
(日本でも一部ではイヌを食べていたそうですが、、、ドッキリ)
全身の骨が、きちんと折りたたまれて埋葬されており、解体した(食べた)跡ではないそうです。

それも、成人男性との結びつきが強い。
狩猟犬だったようですね。



ちょっと横道にそれますが、
縄文時代の前はというと、マンモスなどの大型獣を追いかけて
人々は列島にやってきたと言われています。
その後の気候変化で、マンモスなどは絶滅し、
かわりにすばしっこい中小動物が獲物になりました。
特にシカとイノシシ。(今も同じでしょう??)
日本中に森が繁るのも、この頃です。
これにともなって狩猟の仕方も変わり、 弓矢が導入されます。
石鏃という、三角形の小型の石器がたくさん出土し始めます。
「おれ、狩猟してくるわ」と、弓を持ってイヌを連れて
森の中へ出かけていったんでしょうか?縄文人も。 

イヌは、ただの道具として見られていたのではなく、
愛情を持って共に暮らしたと思われるのは、
骨折したところが治癒した骨を持つイヌが見つかっているから。
怪我をして狩猟犬としてはお役御免になった後も飼われていたということ。
珍しい例としては、埋葬された男性がイヌを抱いた状態だったそうですよ。
(名古屋市 大曲輪(おおぐるわ)貝塚) 

今回は、編集部員に無類の犬好き(成人男性)がいるため、
この話を取り上げてみました。

これからときどき、この本のコラムの中から話題を取り上げて
ご紹介していこうかな。
いつか、「縄文の奈良2」ができる日を夢見て!

よろしければ『奈良県の縄文遺跡』、お買い求めになってみてください。