明日なら1

すっかり涼しくなってきましたね。
台風の影響が報道されています。放置された森の木が倒れ、電気の復旧が遅れているなどの
報道もあります。。 林業は「業」である限り儲からなくなったら放置されてしまいますが、
災害のことを考えると環境保全としての林業の側面は放置できないことです。
そんな林業、30年近く森や林業を取材しておられる森林ジャーナリストの田中淳夫さんによると「絶望」なのだと言います。
今回のあすならもり (明日の奈良の森を考える学習会)は、先月出版された同タイトルの本「絶望の林業」をテーマに、田中さんをお招きして9月21日、奈良市で開催されました。あすならもり には、さとびごころ 編集部(オフィスエルインク)も、協力しており、毎回レポートを掲載しています。
次号(39号)は、第10回の古川氏のレポートになりますので、田中氏のお話は来年40号でお伝えすることになると思います。

今回の様子は、主催の森林総合監理士会のブログでも報告されています。

上記の通り、絶望の先の希望の方にウエイトが置かれていました。『絶望の林業』は、あえて当日会場で買い求め、せっかくですのでサインもいただき、読んでみました。こちらには、8割以上のページを割いて、なぜ「絶望」なのかが書かれています。

日本の林業が衰退した理由に、必ずと言っていいほど「安い外材に押され」という言葉が出てきますが、
それだけではないことなども書かれています。田中さんは、少し「人とは違った意見」を出す方なので、一方的に思い込んでしまいがちなところを、考え直してみる機会を与えられます。

希望の林業としては、吉野林業方式の話が出てきました。奈良県で暮らしていると気づきにくいのですが、吉野林業が生んだ方式は世界的に見ても優れていると、有識者の方たちからよく聞きます。現代にカスタマイズするには、どうしたらいいのでしょう。
収益は、「今そこにある資源」を商品にしていくのがいいと田中さんは言います。自然資源を対象とした場合は、マーケットインは合わないと。


編集部は、林業のプロの立場ではありませんが、環境としての森に直接関わる林業に関心を持ち続けています。それは、林業で稼ぐかどうかに関わらず、誰もが関係していること。

田中さんの言葉で言うと「森林環境の維持向上により、森林と人との恒久的な共生を図る」ことは、持続可能な社会づくりにどうしても必要なことだと思います。

どんな人たちがどんな思いで、「絶望」に抗い、取り組もうとしているのか、この奈良でのストーリーをこれからも紹介したいと思います。

お馴染みになってきた交流会。
奈良で森林に関わる人たちの顔ぶれが揃います。
明日なら3

利害関係をひとまず横に置き、生の人間関係から明日の奈良の森づくりのための、つながりが生まれていくことを願っています。

(写真は奈良県森林総合監理士会ウェブサイトからお借りました)