ファンションブランドになったり、
映画になったり、
海外の美術館に作品が収蔵されたり。
おどろきの快進撃を続けているのが
障害者福祉施設、やまなみ工房。

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うちのミスター部員さんと
施設長の山下完和さんが
おたがいにリスペクトし合う
旧知の間柄のおかげで時々訪問しています。

山下さんのルックスを見るだけで
ここがどんな場所なのか70%くらいは
察しがつくのではと。

写真をお借りして、ご紹介しますと。
山下さん

滋賀県のインターネットメディアしがこと様からお借りしました。

なお、上記のサイトではやまなみ工房について詳しくレポートされていますので
ぜひお読みになってください。おすすめです。(わたしもさっき見つけたところ)
「アウトサーターアートの発信地」というタイトルも共感しましたため
お借りしました。ごめんなさい。ありがとうございます。



やまなみ工房さんを初めて訪問したのは
思い出せないくらい若い頃でした。
アートの取り組みが始まってしばらくした頃だったでしょうか。


訪れる度に変化していく施設内を、今回はたっぷりとツアーさせていただきました。
美術を評価する眼が無に等しいわたしでも、驚きと感動が伝わってくる数々の作品。
「何を撮ってくれても、何でもSNSにあげてくれていいですよ」
障害者施設ではまず聞くことのない言葉です。
感動と同時に
このアーティストたちの力を引き出してしまう山下さんの秘密を知りたくて。
 
「僕はアートはわかりません」
「僕はなにも指示していません」
 
そう言われても
信じられない。
 
感じたことは
自分がはるかに浅い意識の中でしか暮らしていないのではないかということ。
そう気づかせてもらえたことに感謝します。
 

おしゃれ過ぎるカフェ、
もはや有名アーティストのほうから出演を申し込んでこられるようになったライブハウス、
宝石のようなスイーツ、
誰かの夢をなんでも実現してしまう。
山下さんは、そのために誰よりも粘り強く働きかける人でした。

山下さんの言葉どおりに受け止めてしまったら、罠にかかりそう。
何の努力も情熱もなしに、こんなことは起こらないと思うんです。
そこに初めて「みなさんのおかげなんです」と、飄々と語る山下さんの言葉の意味があるのではと思います。

2017年にオープンしたライブハウス「Ban Boo Bon(バン ブー ボン)」が生まれたいきさつ。
上記のサイトには「福祉施設という壁を取り払って、もっとたくさんの人に来てほしい」とあります。まさに、その通りです。これまで出演された有名アーティストさんたちの名前を見ると、「そのためだったら、ここに来たい!」と思う人が続出するであろうという豪華さ。

でも、その前に、音響を学んだ職員さんが就職してこられたという背景がありました。
親御さんの「高い学費を払って専門の勉強をさせたのになあ」との言葉が山下さんの心に残りました。「じゃあ、ライブハウスを作ろうよ」と。
そこで終わらない。職員たちが「会いたかった」というアーティストさんを呼ぼう。でもどうやって?実は、なんのコネクションもないところから出演のお願いをされたことを、わたしたちは山下さんから聞いたことがあります。それが今では、アーティストさんのほうから出演したいと申し出が届くまでになっています。

ライブハウス内には作品が展示されています。まるでミュージアム。
ライブと作品がコラボすることによって、やまなみ工房のアーティストさんたちが共演するのです。
そこにも山下さんの狙いがあるようです。 

山下さんは、人の願いを叶えるために最大限のエネルギーを本気で傾けることができる人なんですね。
それが山下さんご自身の願いなのかもしれないです。つまり、それが「どんな人にもその人だけの表現がある」「孤独でない安心できる環境があればその人の個性が開いていく」
そんな環境を誰よりも夢みている人なのかもしれないです。
職員さんであれ、障害のある利用者さんであれ、山下さんにとっては同じなのですね。

もうひとつ、今回はあまり話題にならなかったのですが
やまなみ工房さんのアート性を広く社会にメッセージしたのはファンションブランドをはじめとする「デザイン」とのコラボではないかったかと思います。アートを見る目を、アートを知らない人にも訴えかける力を帯びています。プロダクトや紙媒体、オリジナルグッズなどにデザインされることよって、やまなみ工房のアーティストたちの作品がいっそう光を増す魔法のような力が加えられ、やまなみ工房さんのブランド力になっていると思いました。
アート作品と、それを魔法にかけるデザインが相乗的に輝いています。
山下さんはそこで、どんなふうに「人の夢」を叶えているのだろう。
そんな話も聞いてみたくなりました。




以下は、わたしがとったスナップショットでございまして、
やまなみ工房さんの作品力を下げてしまいそうで、申し訳ないのですが
どんなところを見て回ったのかという報告の意味でシェアいたします。

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いつか
さとびから見た
やまなみ工房さんを紹介できることを目標とします。
次回は「泊まりがけで来てくださいよ。スタッフもいっしょに飲みましょう」とお声がけいただき、
飲み会の約束をしてきました。楽しみです!

最後に、編集部の中に飾っているやまなみ工房さんの作品

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今までもあったのに、見学したあとで見ると思いが蘇ってきます。

山下さんて、ロックな風貌の方。昔から変わっていません。
ロックって、抗うという意味がありますよね。
制約、効率、競争、成果、人々が日頃それらに囲まれていることで社会が成り立っている面もあると思いますけれど、本当にしたいことを後回しにしてしまうことはありませんか。社会のあたりまえに対して、やまなみ工房の取り組みはロックかもしれませんし、障害者福祉の取り組みとしても十分ロックだと思いました。


わたしは、どれだけ本当の自分に正直にしたいことを表現しているだろう。


アーティストとして作品が認められるかどうかは関係なく、やまなみ工房の人たちは自分のしたいことに向き合っています。かたや自分は?やまなみ工房のような環境が用意されているわけではありませんが、支援の必要なしに暮らしていくことができます。その中で、「孤独でなく(=孤立せず)安心できて自由であること」を確保することを大切にしたいと思います。

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